土佐日記(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2007年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (210ページ) / ISBN・EAN: 9784043574209

作品紹介・あらすじ

平安時代の大歌人紀貫之が侍女になりすまし、帰京の旅をかな文字で綴った紀行文学の名作。国司の任期を終えて京へと戻る船旅は長く苦しい日々の連続であった。土佐の人々に温かく見送られ出発したものの、天候不順で船はなかなか進まない。おまけに楫取はくせ者。海賊にも狙われる。また折にふれ、土佐で亡くした娘を想い悲嘆にくれる。鬱々としながらも歌を詠み合い、ひたすら都を目指す一行の姿が生き生きとよみがえる。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

平安時代の紀貫之が侍女の視点から綴ったこの紀行文学は、帰京の旅を通じて彼の心情や歌の魅力を生き生きと描写しています。船旅の苦労や土佐での思い出、亡き娘への思いが交錯する中、ユーモア溢れるオヤジギャグや...

感想・レビュー・書評

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  • やっぱ日本の古典はいいね〜

    「分かる!」ってなるもんな

    海外の古典、まぁ主にわいが読む海外の古典は中国が多いんだけど
    たま〜にぜんぜん意味分からん!てなるときあるもん

    もちろん個人差あるだろうし、あっていいんだが、少なくともわいは「分かる!分かるよ貫之!」てなるもん
    やっぱ日本人なんやな〜って
    繋がってるんやな〜って

    わいってやっぱ大和撫子なんやな〜って

    ん?

    はい、『土佐日記』ね
    あらためまして紀貫之です
    紀貫之はもう全員知ってるものとして話進めます
    土佐国の国守だった紀貫之が任期を終えて京の都に帰るまでの日記…のようなものです

    土佐国の国守っていうのは今で言う高知県知事なんだけど、中央政府から派遣されてるので政治家ではなくお役人って感じですな

    で、船でえっちらおっちら京を目指すんですが、なんと一行の侍女のていで書いてるんですわ
    もう、60近いおっさんがですよ
    ふざけてます
    そして全編にわたって平安オヤジギャグ満載です

    平安の文化人たちはこれ読んで貫之しょーがねーなーとか言ってたんでしょうか

    もう勝手に親近感湧きます

    で、そんな中に土佐の国で亡くした娘のこととか急に歌に詠んだりするので(´;ω;`)ブワッってなります

    貫之ずるい

    いや実際亡くしてるのでずるいとかいっちゃいけないんだけど、落差がね

    そして五七五七七ですよ
    なんだろね?
    なんでこのリズムってこんなしっくりくるのかね?

    • ひまわりめろんさん
      『土佐日記』がバイブルってなんかちょっとかっこいいじゃないか
      さすが一Qさんわかっとるな(チョロい)
      『土佐日記』がバイブルってなんかちょっとかっこいいじゃないか
      さすが一Qさんわかっとるな(チョロい)
      2024/11/26
    • bmakiさん
      日本の古典を愛せるひま師匠やおびのりさんは、やっぱり天才だと思います。
      日本の古典を愛せるひま師匠やおびのりさんは、やっぱり天才だと思います。
      2024/11/26
    • ひまわりめろんさん
      まぁ、せやろな( ̄^ ̄)
      まぁ、せやろな( ̄^ ̄)
      2024/11/26
  • ブク友さん達のレビューから読みたくて。初めの方は船旅の様子に短歌という似たような構成で正直だるく感じたが、後半に歌を詠み合う様子や世渡りの愚痴と子の喪失という裏テーマと共に紀貫之の短歌伝播への気概を感じた。読めて嬉しい。

    • 張飛さん
      111108、読んでくれてありがとう!

      俺も前半は読んでいてなかなか旅が進まないから、本当に京までたどり着くんだろうか、と少し不安になった...
      111108、読んでくれてありがとう!

      俺も前半は読んでいてなかなか旅が進まないから、本当に京までたどり着くんだろうか、と少し不安になったよ(笑)

      愛する人(子供)の喪失という多くの人が経験する普遍性のあるテーマが裏テーマになっているからこそ時代を越えてよみつがれているような気がしたぜ。
      2023/06/30
    • 111108さん
      張飛さん、コメントありがとうございます♪
      そして産経歌壇掲載おめでとうございます!

      張飛さんの小島ゆかりさん『雪麻呂』レビュー読みました。...
      張飛さん、コメントありがとうございます♪
      そして産経歌壇掲載おめでとうございます!

      張飛さんの小島ゆかりさん『雪麻呂』レビュー読みました。コメント寄せてる皆さんにちょっと乗り遅れましたがブログも見てきましたよ!

      この解説着きの土佐日記を読んだら、紀貫之の仕事での不遇や親しい者の喪失感などは現在私達の身の回りでもある事だと思うと、張飛さんの詠まれた歌のように千年前と繋がっているなぁと実感しました。
      読むきっかけを作ってもらいありがとうございます♪
      2023/06/30
    • 張飛さん
      111108、ブログ読んでくれてありがとう!

      俺が短歌にこめた思いは111108が言ってくれたそのままで、千年前も今も人間の悲しみとか喜び...
      111108、ブログ読んでくれてありがとう!

      俺が短歌にこめた思いは111108が言ってくれたそのままで、千年前も今も人間の悲しみとか喜びというものはあまり変わってなくて、だからこそいい歌とか本は時代を越えて心に響くんだなあ。

      こちらこそ、時間を作って読んでくれてありがとう!
      2023/06/30
  • ほむほむ短歌会の皆で鑑賞した紀貫之特集の番組で紹介された土佐日記。読まなくちゃとしばらく積読状態でした、なんとか読了。

    四国の高知から任期を終えてあとの京の都へ帰るまでの、想像を絶する船での移動旅日記(約五十五日間、ある年の十二月二十一日から二月十六日)。
    現代訳、原文、解説、時々コラムの構成なので比較的読みやすい。付録に和歌歌謡初句索引、巻末に旅程地図がありそちらをたどりながら道中移動を体感できる。
    コラム欄を抜粋。「歌集」でなく「家集」個人の歌を集めた私的な歌集のこと、歌人の家に代々伝わる父祖の歌集という意識が強かったとのこと。歌合とは紅白歌合戦のように二チームに分かれて和歌の優劣を競う文学的遊戯で、チーム名は赤白でなく左右で一首ずつ歌を出し合い勝負を競う。古典文学は、書き写して転写を重ねて残され、自筆本はほぼない状態で読み違いや間違いだらけの写本の可能性もあるとのこと。解説によると、著名は実は『土左日記』らしい。
    特に好きな歌を抜粋。
    池に住む住人からの贈り物と一緒に添えられた和歌
    <浅茅生の野辺にしあれば水もなき池に摘みつる若菜なりけり>
    別れをしのぶ幼子が詠んだ歌
    <行く人もとまるも袖の涙川汀のみこそ濡れまさりけれ>
    風も波もやまず二十五日以上も停泊して焦る様子を詠う 波も雪に見えるくらい途方に暮れている様子
    <霜だにも置かぬかたぞといふなれど波の中には雪ぞ降りける>
    海賊の噂を聞きつつ船を出すことになった嬉しさを詠う
    <追ひ風の吹きぬる時は行く船の帆手うちてこそうれしかりけれ>
    梶取の無茶ぶりな要求に呆れている様子 大事な鏡を投げ入れたら海が穏やかになったらしい
    <ちはやぶる神の心を荒るる海に鏡を入れてかつ見つるかな>
    無事に京に入り桂川を見てしんみり帰京の嬉しさに浸っている様子
    <ひさかたの月に生ひたる桂川底なる影も変はらざりけり>

    • 張飛さん
      ベルガモット、早速読んでくれてありがとう!

      ひさかたの月の和歌も、ベルガモットが「おもろまち」で心情を効果的に表現したように「桂川」という...
      ベルガモット、早速読んでくれてありがとう!

      ひさかたの月の和歌も、ベルガモットが「おもろまち」で心情を効果的に表現したように「桂川」という地名をうまく使っていて、とても勉強になるし、嬉しさがとても伝わってくる気がするぜ!

      これからも好きな和歌を中心に何度も読み返したいと思う。
      2023/06/10
    • ☆ベルガモット☆さん
      張飛さん、おはようございます!コメントありがとうございます!

      こちらこそ、張飛さんのレビューで読まなくちゃスイッチが入りました。
      地...
      張飛さん、おはようございます!コメントありがとうございます!

      こちらこそ、張飛さんのレビューで読まなくちゃスイッチが入りました。
      地名を詠みこむことで具体性や連想が湧きやすくなるし、感情もこめられて伝わるものがある気がします♪
      1,000年以上の和歌がこのように味わえるのは贅沢ですなっ
      私も好きな和歌を中心に本歌取りとかできるようにしたいなとも思います。
      2023/06/11
  • 平安時代の大歌人、紀貫之が女性になりすまして土佐から京の自宅を目指す旅を描いた日記文学の名作だ。

    編者の「はじめに」を引用すると“笑いあり、涙あり、スリルあり、そして作品全編にただよう水の匂い。それが『土佐日記』の魅力”

    時にはデーブ・スペクターにも負けないようなダジャレを繰り出し、紀貫之の堅いイメージがいい意味で崩れた。

    また、この日記には様々な登場人物が詠む五十八首の和歌が出てきて和歌入門書としての側面もある。一番好きなのはこの和歌。

    棹させど 底ひも知らぬ わたつみの 深き心を 君に見るかな
    (棹をさして知ろうとしても測り知れない大海のように、深いご厚意をあなた方には感じますよ)

    土佐を去る紀貫之との別れを惜しみ、見送りに来てくれた人たちへ送った紀貫之の和歌だ。きっと貫之は関羽のように義理人情に厚い男だったのだろう。

    • 張飛さん
      ベルガモット、俺の短歌を日常が生き生きと感じると言ってくれてありがとう!ちょっとした気づきとか、ほんの少しの感動とか自分の心が少しでも動いた...
      ベルガモット、俺の短歌を日常が生き生きと感じると言ってくれてありがとう!ちょっとした気づきとか、ほんの少しの感動とか自分の心が少しでも動いたことも短歌にすればいいと、はじめて読んだ短歌の入門書に書いてあったから、そのことを忘れないようにしたいと思ってる!特に短歌がなかなか思い浮かばない時とか。

      111108、発想の転換と評価してくれてありがとう!俺自身はあまり発想が柔軟じゃねえから好きな歌集などを読んで発想のヒントをもらうようにしている。今度は夏あたりに、観光ガイドに載ってないようなマニアックなところに行って旅日記を書きたい!
      2023/05/30
    • 傍らに珈琲を。さん
      張飛さん、こんにちは!
      いいね、を有難う御座います。
      かなりのご無沙汰になってしまいました。

      土佐日記は紀貫之が女性のふりをして…と遥か昔...
      張飛さん、こんにちは!
      いいね、を有難う御座います。
      かなりのご無沙汰になってしまいました。

      土佐日記は紀貫之が女性のふりをして…と遥か昔に習ったくらいで未読でした。

      「棹」と言われると、どうしても漱石の草枕「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」の方が浮かんでしまいます。
      未読の土佐日記より、自宅本棚にある草枕の方が身近なせいかもしれません。
      土佐日記では棹を用いて、相手の深い心を棹などでは到底測り知れないと表現する事で、同時に、
      こちらの感謝の気持ちの深さも伝えていますよね。
      一方草枕では、理知的に振る舞いすぎると嫌味になるし、かといって情深くても足元を掬われて流されてしまうと、真逆とも取れるようなことを述べています。

      どちらも素晴らしい表現だと思いますし、
      棹をさすという、時代を超えてのキーアイテムの一致や、
      意味合いの相違など、
      やっぱり文学って面白いな~と思うのです。

      張飛さん、数々の短歌掲載があったのですね。
      おめでとうございます!
      今のお仕事も続けられながら、いつか歌集も出せたりしたら素敵ですね♪

      本棚情報に記載した通り、こちらも徐々に落ち着いて参りましたので、また読書生活再開です。
      少しずつですが、また宜しくお願いします。
      2023/06/04
    • 張飛さん
      傍らに珈琲を。、久しぶり!元気そうで良かったぜ!

      草枕は読んだことがなかったんだが、棹を使ったそんな表現があったとは勉強になったよ!人心の...
      傍らに珈琲を。、久しぶり!元気そうで良かったぜ!

      草枕は読んだことがなかったんだが、棹を使ったそんな表現があったとは勉強になったよ!人心の機微を鋭く表現してる凄くいい表現だなあ。

      棹させど、の和歌を読むとサン=テグジュペリの『人間の土地』の「真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは、人間関係の贅沢だ」という言葉も思い出したぜ!

      短歌掲載のお祝いの言葉ありがとう!歌集を出すのはまだまだ夢のまた夢だが、出せたら最高だなあ。

      こちらこそ、これからもまたよろしく!
      2023/06/04
  • 空を漕ぐ船
    影見れば 波の底なる ひさかたの 空漕ぎわたる 我ぞわびしき (水に映る月影を見ると、波の底に大空が映っているが、その空を漕いで行く私は、何とちっぽけで頼りない存在なのか)

    廬山寺 ろざんじ
    京都にあるお寺。紫式部の邸宅跡と言われている。

    昔の旅行は本当に大変だ。海賊の心配をしたり、天候のために何日も足止めされたり…

    「わだの泊の別れの所」での段で、在原業平の名前が出てきて驚いた。
    故在原業平だって。死んでる…
    在原業平は平安前期の人で、紀貫之は平安前期から中期にかけての人。
    それに紀貫之が前の世の優れた歌人たちを六歌仙と名付けたのだから、同じ時代の人ではないというのは、考えてみれば当然だった。

    さらに言えば、在原業平の北の方は紀一族の女性だったか。紀貫之にとっては名高い親戚という位置づけだったのかな?

    人はなぜ歌を詠むのか?
    「思ふことに堪へぬ時のわざ」

    土佐の国から京まで、今の高知県から京都までか。
    紀貫之一行が京にたどり着いた章では、一緒に帰京したかのようにほっとした。55日間の冬の旅だ。

  • 教科書に載ってて存在は知ってるけど内容はよく分からないから読んでみたいシリーズその1。
    せっかちさんには向かなそう。土佐から帰京する船旅の、日記の体の文学だそう。でも船が悪天候やらなんやらかんやらで、遅々として進まない。まだ同じ場所で停泊しなければいけない、そんな船上の人たちの不満や不安が伝染するようで、あーもう早く!と思ってしまう。
    読者は作者が本当は男だと分かっている前提で女性のフリして女もしてみんとてするなりと書いていたらしい。一種のギャグのようだけど、当時からそういうのってあったんだなあと、平安時代がちょっと身近に思った。
    紀貫之さんは和歌の名手のようで、至る所で上手かったり下手だったりする歌が散りばめられている。文学のミュージカルみたい。

  • 私はこのビギナーズクラシックスシリーズをすごく信頼しています。
    かなり噛み砕いて解説してくれているので古典初心者にはありがたい…!このシリーズはとっつきやすくなる!入門編にぴったり。
    ただし、これだけを読んで原作を読んだ気になるのはやや気が早い感じがする。これより堅めの解説や原文を読んで、やっと読んだと納得できると言える。と、思う。
    コラムの解説も、痒いところに手が届く。現代に繋がる例を挙げてくれたりして理解がしやすい。

    まだ読み途中

  • 平安中期に描かれた航海の日記。ひらがなを用いた新しい文学。日記の中では、早く都に戻りたいとの思いと、戻れないもどかしさが鮮明に描かれている。また、土佐国で亡くした娘への追慕の念が多く語られており、これは『土佐日記』そのものの主題であるともいわれている。
    特に、海が荒れ神様に奉納させるシーンが印象的。いつの時代にもずる賢い人はいるんだなぁ。

  • 古文はさっぱり分からないので、主に現代語訳されている部分を読んでみた。
    モダンな感じの訳で、読みにくい感じはしなかった。所々に入るコラムも、知識に乏しい僕には嬉しかったし面白かった。
    大体の内容を押さえて古典の雰囲気を楽しむには良書だと思う。ばりばり古典を読める人には物足りないかも。

  • 注釈が付いてないのは誤算でした。
    解説は注釈の代わりにはならないことがよくわかった。
    本文と注釈を交互に読み進めて、分からないところは現代語訳で補完、解説で全体を見返す、というのが今のところいちばんしっくりくる読み方だと思う。



  • 土佐守の任期を終えた 紀貫之 が書いた土佐から京までの船旅日記。停泊多め


    角川文庫 紀貫之 土佐日記


    紀貫之が女性作者を装って日記を書いた理由は、編者曰く「ひらがな文学を創始するため」とのこと



    たしかに他人に読ませるための日記であり、天候不順や船頭の言葉に対するイライラ、亡くなった娘への追慕の気持ちなど 心理描写が多く文学性を感じる。その瞬間を捉えた和歌の挿入も 日記にストーリーや映像を与えている


    和歌だけだと苦痛であるし、戦争日記のような男性的日記では 文学性を感じない。紀貫之が始めた日記文学に 日本文学を見出し、松尾芭蕉への繋がりを論じた ドナルドキーン氏は さすがと思った



    「影見れば 波の底なる ひさかたの 空漕ぎわたる 我ぞわびしき」




  • 配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01437896

  • 背ラベル:915.32-キ

  • #84奈良県立図書情報館ビブリオバトル「食」で紹介された本です。チャンプ本。
    2017.11.18
    https://www.library.pref.nara.jp/event/2488

  • 停泊続きの航海のなか、人間模様を描く。
    帰宅後、亡き子を偲んで詠んだ歌。

    「見し人の 松の千歳に 見ましかば 遠く悲しき 別れせましや」
    (亡くなった娘のことを、千年の齢を保つという松のように見ていたなら、永遠の悲しい別れをしたことだろうか。そうならなかっただろうよ)

  • 解説が陳腐かつ下品だが、コラムなどは参考になる。

  • 何となく読みたくなって気まぐれで購入。
    面白い。

    1話ずつ現代語訳→原文→解説・註釈の順に並んでおりとにかく読みやすかった。
    多分最初に原文だと嫌になってたかも。好みの問題かもしれないが。

    この作品は平安貴族・紀貫之による’女性になりすましたおじさんの旅行日記ブログ’。
    高知から京都までの55日間のクルーズ旅行で起こったアレコレを女性のふりをして綴ったもの。

    高知を出発する数日間ずっと飲んでる。やっと出立したと思いきやすぐに着岸してまた飲んでる。シケで停泊してイライラする中、海賊が近くに来たっていうので船頭に八つ当たりバチ切れしちゃう。船酔いでぐったり。家に着いたら着いたで、隣の人に4年間留守をお願いしていたのに家じゅうメチャクチャでしょんぼり。
    任地で亡くした幼い娘に想いを馳せる時は一際哀切な歌を詠むのでその場面はストレートにグッとくる。しかし出発数日目には下ネタもかます。淡路の婆さん(「淡路の専女」)がお茶目。

    個人的には十九日目がツボ。

    高校古典の授業では冒頭の節を扱うけど、もっとフランクに教えてくれれば興味を持てただろうな、などと振り返ったり。


    11刷
    2021.4.6

  • 読了までに時間を要したが、55日間の旅日記として興味深い

  •  図書館から借りました


    『姫のためなら死ねる』という漫画(百合。清少納言と定子のいちゃこちゃら)に出てきたのですが、「紀貫之」を「あいつネカマだろ」「違います、男の娘ですよ」「どっちもあまりかわらないわ」という会話に惹かれて、どんな話なのかなーと借りて読んでみた。


     古典って、奥深いな!

     日記文学であるが、まごうことなく日記的。というか、ブログ的。
     記録的に近いかも。

     和泉式部日記・更級日記は時系列がとびとびというか、毎日のことではないのだが。それはつまり、回顧録で、その日その日に書き綴る日記ではないから。

     これは毎日の備忘録のようなこともあり。

     何もないこともメモっている。

    「二日。なほ大湊に泊まり。講師、物、酒おこせたり。(天候悪くてまだ船が動かせない。お寺の僧侶がいろいろ持ってきてくれる)
     三日。同じ所なり。もし風波のしばしと惜しむ心やあらむ。心もとなし。
     四日。風吹けば、え出で立たず。(まだ出られないよー)・・・」

     一行、一文でも、とにかく日を追っている。
     
     土佐に赴任した紀貫之が同行の侍女(女房)のふりをして書き綴っているのだが、あちこちおかしいので当時の人にはこれが女の書いたものではないとわかるらしい。わざとばれるように書いている模様。最後の日はもう紀貫之そのものの感想であるから、途中までまったく気がつかずに騙されていた人たちへも暴露をする。名乗りはあげないが、家にたどり着いて、そこが荒れているのを見て、また松が伐採されたり、新しい小さな苗が生えていたりしたりするのを見て、その感慨をそのまま書き綴る。それまでは「娘を亡くした人が詠むのですが」といった第三者目線であったのに。ここが完全謎解き章。ほら、「私」でしたよ。
     名前は出さないけれど。


     真面目な話ばかりではなく。
    「土佐に赴任するときは誰もこんなにいろいろしてくれなかったのに、帰ってきたら(赴任先で金を儲けてきたから)みんなこぞって出迎えてくれる。なんかこのもてなし、嫌な気分。もちろん謝礼はするけどさっ。あ、別にその家の家人たちは礼儀正しくて、嫌な気分にさせるわけじゃないんだけどさっ」
     とか書いてあったりする。

     公開して大丈夫か、これ。。
     だから、自分の名前伏せたのかなー。

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