伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫 82 ビギナーズ・クラシックス)
- 角川学芸出版 (2007年12月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043574230
作品紹介・あらすじ
雅な和歌とともに語られる「昔男」(在原業平)の一代記。垣間見から始まった初恋、天皇の女御となる女性との恋、白髪の老女との契り――。全一二五段から代表的な短編を選び、注釈やコラムも楽しめる。
感想・レビュー・書評
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学校の教員が卒論で伊勢物語をテーマにしていたため、作品に興味をもった。
作者が巻末に述べた、『おしゃべりな行間』は読み手の想像力を掻き立てるものであったように感じた。最初は順序に沿って現代語訳→原文(同時に現代語訳も見る)と読んでいたけれど、途中から原文→現代語訳(同時に原文読む)のようにして自身の感じ方を明確にできるように意識した。
人物が歌で想いを伝える描写は読み取りが正確にできるように考えていました。
古典や文化に興味を持ち始め、関係がある本を読むようになったけれど、まだ現代語訳は全く出来ない…できるようになるぐらい、色んな作品や文を読みたい。 -
武蔵野の野焼きの煙に耐えかねての場面での和歌
武蔵野はけふはな焼きそ 若草のつまもこもれり我もこもれり
という和歌は
春日野はけふはな焼きそ という和歌をが元となっているのだが、元が野焼きというは早春に火を焼き放つことの和歌であるのに対し、これは全く違う状況を作り出しているのがとても興味深く感じた。
そして、なんと言っても最後のコラム「寡黙な本文とお喋りな行間」がとても魅力的だあった。
狩りの使いという場面では斎宮と昔男が結局どのような結末言ったのかは分からず、それ故に想像力を掻き立てられるのだという。
プラトニックな愛という説もあれば、一夜限りのものであるなど。
斎宮という身でありながらもなぜ男の寝床に行ったかと最初に読んだ際にはただ情動に駆られただけかと思いきや、それだけではなく斎宮の政権に敗れた親王の妹という点と在原業平は薬子の変によって政権から遠けられた平城天皇の孫という不遇の立場同士だったからこそこのようなことに及んでいると思う捉えられるという。
寡黙であるが故にその行間を言葉にしてみたいという思いが溢れてくる。
これを読んだとき源氏物語にも共通しているなと思った。
光源氏のその後や、浮舟、薫の最後が書かれていないからこそ、多くの人が想像をかき立てられ、現代においても色あせない作品になっているのだと思う。
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全てではなく、おおよその要素要素が詰め込まれていた。
薄いので、すぐに読めた。
解説が面白く、飽きることなく最後まで読めた。 -
3/16
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源氏物語にも影響を与えたであろう伊勢物語。
有名な歌がここからきていたのか等、面白く読んだ。断片的にしか知らなかったが、全体像はつかめた感じがする。ビギナーズ・クラシックスの良いところ。 -
「古典を難しく感じるのは、時代背景が分からないと作品の内容が理解できないところにある。ビギナーズ・クラシックスシリーズでは古典の原文→その現代語訳→さらにその部分の解説という構成になっているので、当時の風習などを理解しつつ、原文の雰囲気を味わいながら古典に親しむことが出来る。」
(大居雄一『身になる読書術』の紹介より。
「雅な和歌とともに語られる「昔男」(在原業平)の一代記。垣間見から始まった初恋、清和天皇の女御となる女性との恋、白髪の老女との契り、男子禁制の斎宮との一夜などを経てやがて人生の終焉にいたる様子を描く。」 -
川上弘美の現代語訳で読んだので,原文もすこしのぞいてみる.古典では平易な方だと思う.一段一段も短いし読みやすい.ただし全文は載っていないので注意.
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いやぁ、地球っこさん、おおいに笑わせていただきまし...
いやぁ、地球っこさん、おおいに笑わせていただきました。
楽しいわぁ、このレビュー(*^-^*)
きっと稀代のロマンチストだったのですよ、業平さんは。
どの歌も情緒たっぷりですし。
でも相手にはしたくないかな・笑 少し離れて観てたら面白そう。
一途な愛は割と鬱陶しいので苦手な方です。
つかず離れずが好き。なんて言ってるから、文学に縁が薄いんでしょうねぇ。ああ。。
楽しかったです!!
コメントありがとうございます。
笑っていただいて光栄でーす(〃▽〃)
業平さんがロマンチストなの...
コメントありがとうございます。
笑っていただいて光栄でーす(〃▽〃)
業平さんがロマンチストなのは、和歌にとても表れていますよね!
わたし、業平さんがどうも従兄弟のお兄ちゃんとか、イケメンなのに「いい人」どまりな男友だちに思えて仕方ないのです。
(はい、どちらもわたしにはいないので、想像上のですが 笑)
わたし、業平さんが恋バナをぶっちゃけられる相手でいたいのです。
「え、また!?次は誰よ」みたいな。
(ほらほら、また妄想が暴走しはじめました。お許しくださいませ。)
でも、本当は業平さんのことが好きなの。でも恋の相手には見てもらえなくて。
だからせめて業平さんのそばで、業平さんの笑顔や泣き顔を見ていたい……
そんな片想いの女子になっているような気がします。あはは、なんちゃって。(結局好きみたいです 笑)
とにかく女性に囲まれた、「見立業平涅槃図」は圧巻でした。
一途な愛は、逃げたくなるときもありますよね。
わたしは一度くらいは、経験してもいいかな……というか、させてくださーい 笑
ああ、また、なんのこっちゃのコメントになってしまいました。
失礼いたしました。