大鏡 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

制作 : 武田 友宏 
  • 角川学芸出版
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043574247

感想・レビュー・書評

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  • ある程度まとめて読んだのは久しぶりだったけど、この本は古典の中でもかなり好きな本です。

  • 大宅世継と、夏山繁樹という二人の語り手についての解説から始まる。
    世継の名前はいかにもな感じがしていたけれど、皇統を語る役回りであり、光孝天皇后斑子女王に仕えていた設定もそのことと関わっているという説明に納得。
    夏山繁樹は、歌語「夏山の繁き」からきている、その時々の繁栄を表す名であり、ゆえに藤原忠平に仕えていた設定であるというのは、本書で初めて知った。
    雉がご馳走であったことの解説が出てきて、時康親王(のちの光孝天皇)が、配膳係が主賓の膳に雉足がなく、親王の膳からとっさに移すというミスを隠したエピソードがよく理解できた。
    望むらくは、もっと近い箇所で解説が出ていたら、と思う。

    せっかく解説入りの入門書なら、解説が面白いものがいい。

  • 14代にわたる王朝を軸に、藤原氏の繁栄と権力の話をまとめた話。
    主に藤原道長の繁栄の話。
    大寺院の法会で、190歳と180歳の老人が若侍たちに昔話をする方式で語られている。
    筆者は恐らく乳母レベルの女房ではないかと言われている。

  • 菅原道真の話が印象的でした。無実の罪で流罪になり太宰府で亡くなる。その後、道真が雷神となり天皇の清涼殿に落雷させるとはびっくりです。
    あとは、この頃の鳥と言えば雉であった。雉は鷹狩りで獲るのが普通であったようです。

  • かなり端折っている感じ。お手軽に内容を把握できる。
    概ね摂関政治とかそういった話。

  • (2014.01.09読了)(2014.01.04借入)
    【日本の古典】
    「私の百人一首」白洲正子著、を読んでいたら『大鏡』がたびたび引用されるので、この際読んでしまおうと、借りてきました。
    本の内容については、「解説」に述べてありますので、以下に拝借しましょう。
    「内容は、文徳天皇の嘉祥三年(八五〇)から後一条天皇の万寿二年(一〇二五)に至る十四代、百七十六年間の藤原摂関時代の歴史を論評している。とくに全盛期の道長に焦点を合わせ、彼が栄華を極めるまでの過程―皇室との縁戚づくり、他氏の排斥などを、老翁の対話形式の中に、興味深い逸話をふんだんに盛り込んで語る。」(244頁)
    『大鏡』は、紀伝体にならって五部立ての構成をとっている。(244頁)
    一、「序」老翁たちが登場し、歴史講釈の目的を明らかにする
    二、「帝記」歴代天皇の事績を語りながら、藤原北家が皇室と縁戚を結び、政権を掌握する経緯を語る
    三、「大臣列伝」他氏および同族を排し、骨肉の闘いに勝利して、最高の権勢に輝く道長像、およびそこに至るまでの先祖の大臣たちの行跡を語る
    四、「藤原氏の物語」極楽浄土の再現―道長の法成寺造営が讃えられる
    五、「雑々物語(昔物語)」朝廷の秘話

    この本には、『大鏡』の全文が収録されているわけではありません。全体を読みたい方は、他の本に当たってください。現代語訳、原文、補足説明、という構成である程度のまとまりで、区切ってくり返しているので読み易いのではないでしょうか。
    藤原道長の時代は、紫式部や清少納言の時代でもあるので、百人一首の歌詠みたちも多数登場しますので、「私の百人一首」に引用されるのも、もっともなことと納得しました。

    【目次】
    はじめに
    『大鏡』上
    雲林院の菩提講―序
    策謀による天皇の出家―花山天皇
    見えない御髪を撫でる天皇―三条天皇
    政治の真実を伝える―『大鏡』の構想
    光孝天皇即位の秘話―太政大臣基経
    菅原道真公の悲劇―左大臣時平
    天皇の御威光を政治利用する大和魂―左大臣時平
    能書の佐理、神託により額を書いて奉納する―太政大臣実頼
    才人の公任、大井川逍遥で和歌の船を選ぶ《三船の才》―太政大臣頼忠
    美貌と美髪の女御芳子の華やかな御寵愛―左大臣師尹
    『大鏡』中
    村上天皇の皇后安子の悋気と兄弟思い―右大臣師輔
    師輔の吉夢、夢解きを誤って幸運を逃す―右大臣師輔
    多才の行成、幼い天皇に独楽を献上、御心に適う―太政大臣伊尹
    兼通、死に臨んで除目を強行、兼家を左遷する―太政大臣兼通
    兼家、占いのよく当たる打ち伏しの巫女に膝枕させる―太政大臣兼家
    兼家、妻(道綱の母)に閉め出されて歌を返す―太政大臣兼家
    上戸の道隆、酒友の名を呼びながら酒害に死す―内大臣道隆
    老練の道長、政敵伊周を双六勝負で翻弄する―内大臣道隆
    隆家の大和魂、外敵を撃退、戦後を円滑に処理する―内大臣道隆
    道兼、関白職を譲らなかった父兼家の供養を拒む―右大臣道兼
    『大鏡』下
    顕信の乳母、出家の前触れに気づかず絶望する―太政大臣道長
    道長の栄華を実現させた妻と娘たち―太政大臣道長
    道長、胆力をもって兄弟・又従妹を圧する―太政大臣道長
    道長、兄道隆邸で甥の伊周と競射、完勝する―太政大臣道長
    道長、姉詮子の工作により内覧の宣旨を受ける―太政大臣道長
    翁たち、庶民の生活を守る道長政治を絶賛する―藤原氏の物語
    世継、理解しながら妻の出家願望に落ち込む―藤原氏の物語
    世継、一品の宮禎子が国母となられる夢を見る―藤原氏の物語
    繁樹、醍醐天皇の慈愛に富むお人柄を讃える―雑々物語
    繁樹、貫之の娘から梅の木を取り上げる《鶯宿梅》―雑々物語
    兼家、即位を妨げる怪異を無視、式典を強行する―雑々物語
    醍醐天皇、貫之・躬恒らを重用、『古今集』を編む―雑々物語
    世継・繁樹たちの姿、説教中の騒ぎに消える―雑々物語
    一品の宮禎子の立后、世継の吉夢が実現する―二の舞の翁の物語
    解説
    付録

    ●闇(182頁)
    闇は、ほんらい「止み」であり、あらゆる活動が停止する、いや、させられる空間であり、いかなる微光も存在しない、闇が恐ろしいのは、目に見えないからだけでなく、光を拒絶する別の生命体を感知するからである。
    ●四鏡(213頁)
    『大鏡』850年~1025年
    『今鏡』1025年~1170年
    『水鏡』神武天皇~仁明天皇
    『増鏡』1180年~1333年
    ●肉食(220頁)
    六七五年、天武天皇は、詔で、牛・馬・犬・猿・鶏の五畜の肉食を禁じたが、禁ずる必要があるほど一般に食されていたことになる。まして五畜以外の鹿・猪や鳥類は滋養に欠かせない食材だった。

    ☆関連図書(既読)
    「藤原道長」北山茂夫著、岩波新書、1970.09.21
    「私の百人一首」白洲正子著、新潮文庫、2005.01.01
    (2014年1月10日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    大寺院の法会に集まった2人の老人が若侍相手に語る、14代176年間にわたる王朝の藤原氏の歴史物語。華やかな王朝の裏で繰り広げられる道長らのあくなき権力闘争の実態、花山天皇の破天荒な振る舞いや才能豊かな行成の逸話など、平安の都人たちの興味津々の話題が満載。平安という時代や「枕草子」「源氏物語」などの女房文学への理解を深め、古典を一層楽しく読むための最適な入門書。役立つコラムや図版も豊富に収録。

  • 図書館で。このシリーズは読みやすくて良いですね。
    と言う訳で大鏡。昔も今も人が集まる集会場がゴシップ会場となりそこで正しいか間違っているかは置いておいて人々は情報を仕入れてくる。その構図は今も変わらない気がします。(ただ、集会場がネット上という架空空間となりましたが)
    それにしても天皇の権威と言うものがいかに偉大だったか、と言うことが良くわかります。天皇その人が権威を持つのでなく、天皇に権威を持たせるその組織構図が。女子の方が権威ある家に嫁がせる事が出来るので喜ばれた、というのはちょっと面白いなあと思いました。確かに家を継ぐ男子が一人いれば後はたくさんいたら紛争の元になりそうですしね。面白かったです。

  • 軽く内容を把握できてありがたい。摂関政治における出世のいろいろ物語。

  • ビギナーズ・クラシックスだから読みやすい。
    けれど内容は大幅に抜粋されていると思う。
    だから、本格的に(とは言っても現代語訳を)読んで見たくなった。

  • 四鏡一の作品。妖怪的長寿、世継の翁&夏山繁樹が語る藤原一族。場面設定、間間に挟まる視点移動がうますぎる。是非全文読んでみたい。

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