受精 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2001年9月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (736ページ) / ISBN・EAN: 9784043589012

作品紹介・あらすじ

不慮の事故で恋人は逝ってしまった。失意の底で舞子が見出した一筋の光明。それは、あの人の子供を宿すことだった。すべてを捨て舞子はブラジルの港町、サルヴァドールへと旅立つ。比類なき愛と生命の物語。

みんなの感想まとめ

テーマは愛と生命、そして倫理の葛藤です。主人公の舞子は、恋人を失った悲しみの中で、彼との子供を授かるためにブラジルへ旅立ちます。彼女が出会うのは、同じ境遇の寛順や、謎めいた老僧。物語は、彼女が抱く希望...

感想・レビュー・書評

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  • 読了後、色々考えるとミステリーとしては随分矛盾を持っているのが判ります。
    舞子・寛順と老僧の出会いは計画できなかったはずだし、「彼の子供を生める」の言葉も余りに現実離れしており、そうそう乗っては来ないでしょう。他にも強制付会的な要素はたくさん持っています。そういう見方でいえば14つは付けすぎです。
    それでも最後まで読ませるのは単なるミステリーではなく、そこに何か別の人間ドラマのようなものを織り込ませる帚木さんの筆力だと思います。
    実は出張前に手をつけていたのですが、途中まで読んで「挫折するかも」の懸念があり、出張には持っていきませんでした。少し間をおいて読み続けたのですが、後半は結構一気に読み切れました。まあそこらを勘案して14つです。

  • スポーツクラブで知り合った明生を交通事故で失った舞子は、傷心のためにとある寺を訪れた。そこではヘルムートというドイツから来た僧が舞子をいざない、死んだ明生と会わせるという。明生と夢のような中で出会った舞子は、ヘルムートの言うがままに、ブラジルのとある先進病院へ明生の子を生むために向かう。そこには韓国、フランスなどから同じような境遇の女性たちが集まっていた。

    長い一冊だが、章の切り方が絶妙で、割と読めるのがすごい。多分普通の本の3倍程度である。

    ただ、死んだ男性の子を生むという設定や、女性たちが次々と官能小説のような夢心地の体験をすることから、オカルトの話かな?と思わせられるも、なかなか種明かしもされないため、どっち方面の話なのかが読めないので、厚みが苦痛に感じたのは事実だ。

    途中でバーバラという妊婦が殺され、話は急展開をする。と思いきや、割と進まないんだなこれが。

    中盤くらいから、医療倫理の話であるとか、ナチスドイツの話であるとか、厚い分、あれやこれやとテーマを盛ってきたが、正直なところ、1つくらいテーマが少なくても良かったと思われる。

    全体に、官能小説のようなスピリチュアルな部分が蛇足に感じた。そこで減点1点。

    作者は「受◯」というタイトル縛りで何作か書いているようだが、それもちょっとね。

  • 文庫本が、かなりの厚さ。2~30ページ読んだが、これはおもしろそうだぞー。楽しみだ。

    って思ったが、あまり盛り上がらなかったナー。ナチスという設定も余りしっくりこないし、最後も何だか唐突に終わった感じ

  • 最愛の恋人を事故で亡くし、悲しみに包まれていた舞子。
    かつて二人で訪れたことのある山を再度訪ねた際に偶然出会った老僧に、亡くなった恋人との子供を授かることが出来ると持ちかけられた。
    それはブラジルにある病院で叶えられると聞き、迷わず向かう。
    そこで、同じ境遇の韓国人の寛順と出会い、二人は固い絆で結ばれていく。
    そして、そこでは亡くなった恋人に会え、彼の子供を身籠れるという幸せな日々を送れるはずだった。
    しかし、そんな日々は長くは続かなかった。
    ブラジル行きに隠された恐ろしい秘密と大切な友人との日々が少しずつ崩壊していく。

    最初から何か胡散臭いと思っていたことが、明らかになっていく過程はハラハラの連続だった。

    2019.9.11

  • 恋人を交通事故で失って以来、北園舞子には、見るもの触れるものすべてが無意味に感じられた。悲しみは赤く焼けた炭火のようにいつまでも残った。舞子はかつて2人で訪れた蛾眉山に登り、そこで出会った外国人の老僧から、「恋人は生きている、彼の子供を生みたくないか」ともちかけられる。その言葉は、“生ける屍”同然となった舞子にとって、天恵以外の何物でもなかった。舞子は老僧に導かれ、ブラジルの港町サルヴァドールへと旅立つ。死んだ恋人の子供を身ごもるために…

  • うろ覚えだけど、ヒトラーってアーリア人以外は認めてないんじゃなかったっけ?
    そんなヒトラーを信奉するナチの残党が日本人や韓国人を選ぶかな?
    という割りと肝のところで引っ掛かかったので、読後は少しスッキリしない。
    ヒトラー出さないで他の理由にして欲しかったな。

  • この本が出版された年よりさらに科学は進んでいる。小説の中の話ではなく現実は・・・と考えてしまいます。

  • 2014.8月

  • 2014年1月

  • 閉鎖病棟の帚木さん。精神科医の視点から描かれた閉鎖病棟は読み応えがあったのですがこれは…うーん。

    愛し合っていた恋人を不慮の事故で失った女性たちが、亡くした恋人の子を身籠るためブラジルに向かうお話なんだけど、オチが怖すぎる。
    くわばら、くわばら。

  • 読んだのは単行本

  • はじめに気付くと退屈。
    気付かなくても前半は退屈。が、そのせいでオチに気付かない。
    主人公に共感はできないかもしれないけど、そういうものだろうなとは思う。
    最後まで読めばおもしろい。

  • 「閉鎖病棟」「三たびの海峡」「臓器農場」「逃亡」と帚木作品のファンであった私としては、この作品は正直がっかりでした。
    個々の固有名詞でオチが早い段階で分ってしまい、
    「どう収束させるのかしら」と思って読み進めていたら、
    ホログラムと洗脳ときました・・・。お粗末。

    左卍からハーケンクロイツを想像できない主人公にも閉口したせいか、
    ストーリーが一層つまらなく感じられ、読み続けるのは修行レベルでした。

  • 作家が医師というのはよくあるようで、お医者さんって物書きになりたかった人が多いのかしら。
    遺伝子医学がまだそれほど進んでいない時に書かれた作品にも拘らず、なかなか真実に沿った仕上げになっている。恋人を事故で亡くした女性に恋人の子供を生ませてあげようと誘って集める。最愛の人を亡くして悲しみに理性が曇っていても、夢心地で会った彼が実在する肉体として妊娠を可能にするかどうか、薬を飲まされたわけではないのに考えないところ。そして夢見心地ではない医師のほうは、支給された冷凍精子がその恋人のものと疑わない。今時ごく一般の男性が特に主義も理由も宗教もないのに、精子を保存するとお思いか?この2点がどうも説得力に欠けるところ。皆の目を覚まさせるきっかけとなる女性(同じ理由で来院し、妊娠中)の死、胎児が奇形だったので、遺伝性の病気を研究するために女性を集めているのかと思いきや、実はネオナチの話だった。現実でもユーゲントのメンバーだった今は老人となった子供たちはノーチェックなのだろうか。恋人を事故を装って殺すところまで計画するのはちょっと不思議だった。彼女たちにヒトラー2世の母としてどのようなクォリティがあったのだろうか。

  • 2011.7.8(金)¥294。
    2011.9.10(土)。

  • ブラジルを舞台にした小説ということで読んでみました。バイーア州サルバドールが舞台になっています。サルバドールの哀しみが所々に散りばめられていて、ブラジルの知識が増えました。

  • 恋人を事故で亡くしてから、心を失った日々を送っていた舞子。
    かつて二人で訪れたことのある寺の僧侶から「恋人は生きている」と告げられ、ブラジルへと旅立つ。
    途中韓国から同行することになった同じ境遇の寛順と二人、
    ブラジルの港町サルヴァドールの高級リゾートホテルのような病院へ滞在する。
    目的は恋人の子どもを授かること。。。

    恋人を失ってから初めて心開き輝いた夢のような毎日を送る二人。
    しかしある時殺人事件を目撃する・・・。

    病院の隠された目的とは何か。。。。


    女性として気持ちに共感できないということもあり、少し非現実的な内容でした。
    それまでの人生を断ち切ってブラジルへ向かうことも容易ではなかったはず。

  • 以前読んだ「受命」につながる、その1つ前のお話ということで手に取ってみましたが、ダメでした。途中で読むのをやめようと思うほどに、読むのが苦痛に感じられるお話でした。この著書の小説はこれで3冊目ですが、多分もう手に取ることはないでしょう。
    著者は医師なので、よりリアリティがあると思っていたのですが、全くない。この単行本の最後に解説があるのだけど、それを読むと、著者は精神科の医師らしい。それがどうであれ、私は相性が良くないのだと思う。

    この次のお話「受命」はそれほどひどくなかった。
    感想はこちら↓
    http://booklog.jp/users/ray-bookshelf/archives/4043589026

    以下ネタバレを含む感想。

    小説の舞台はおそらく1995年ごろ。(というのは、第2次世界大戦の終わる頃に15歳~16歳だったヒトラー・ユーゲントに属していた人たちが70歳ごろとなり、裏で糸を引く黒幕の設定なので)

    300年前の科学が発展していない江戸時代の頃ならまだしも、1995年なんて、受精には精子と卵子が必要なのはごく一般的な知識であり、亡くなった恋人の子を宿すことが出来るなどど吹き込まれて、遠く地球の反対側(しかも主人公は英語はおろかポルトガル語も全く知識がない)にノコノコと行くなんて考えられない。だって恋人が死んだあと、どうやって精子を用意するっていうんだ?

    物語の中に、登場人物の無駄な回想と、幻想(のちにマインドコントロールと分かるけど)が非常に多いというか、多すぎる。単行本のうち最初の500ページは不要な部分と言っても過言ではないと思う。

    主人公が英語もポルトガル語もわからないクセに、英語で難しい会話が成り立っている設定がおかしい。
    と思うと、物語の後半でやっぱり英語がよくわからない設定が出てきたりとか、本当にメチャクチャだと思う。

    一番納得できないのは、ヒトラー信奉者というか、ナチスの残党が、ヒトラーの精子をつかって、彼の子孫を世に残そうという話のくせに、つまり、ヒトラーは金髪碧眼の純粋なドイツ人の遺伝子を残そうとした思想の持ち主なのに、ヨーロッパ人ならいざ知らず、なぜアジア人の卵子と受精させて妊娠を試みるのか、全く理解できない。設定が崩壊していると思う。

    これ、図書館で借りたからいいけど、お金だして自分で買っていたら、腹が立つくらい、メチャクチャな話だった。

    なんだかなぁ。

  • 恋人を交通事故で亡くした女性が、死んだ恋人の子供を身ごもる為に、ブラジルの高級病院へ旅立つことに。何やら胡散臭さがプンプンするところを、同乗の飛行機で友人になった同じような境遇の韓国人女性、日本語で意志疎通できる日系二世の産婦人科医達が手を組んで陰謀が見えてくる・・・、

    全700ページという大作で、ブラジルというお国柄、風土、食べ物、、、といったあたり、自分も含めて一般人にはほとんど知られていないであろう情報も満載。このあたりをじっくり楽しむのか、ストーリーには関係無しとして読み飛ばしてしまうかで、評点の分かれるところ。

    陰謀の内容については、巻半ばあたりから、30年ほど前に読んだ、アイラ・レヴィンの「ブラジルから来た少年」を思い起こして、最後には、やはりなぁ・・・の感でした。

    ちなみに、この初版本(定価1200円、カバー、帯あり、ほとんどキズなし)はまだ所有していますが、現在の中古品価格は ¥2,000 コレクター商品価格 ¥7,980 だそうです(誰か買ってくれぇ!)。


    (2010/11/9)

  • 02.3.29

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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