夜想曲(ノクターン) (角川文庫)

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  • 角川書店
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043592012

作品紹介・あらすじ

同期会が催された山荘で三日三晩に三人のメンバーが絞殺された。俳優の桜木も会に参加していたが、なぜか、その間の記憶が抜け落ちていた。ただ、ひとつロープで他人の首を絞めた生々しい感触を除いては…。そしてその追い打ちをかけるように何者かからワープロ原稿が送られてきた。そこには空白の三日間が小説として再現され、桜木を真犯人として断罪していたが…。トリック&ロジックの本格派が新たに叩きつける「読者への挑戦状」。長編ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 依井さんの第四長編。創元の三作とは趣きがやや異なる(学生有栖川と作家有栖川みたいな感じ)
    古い友人3人が亡くなった事件の記憶がない俳優が、自分が殺したのではないかという疑念を持っていると、その事件の記録が送られてきて、それを読む限り犯人は自分しかいないと思い込む話。
    まず、なんか場面展開がめちゃくちゃ不自然で物語が余り入ってこない小説。勿論仕掛けがある。手記といえば、当然アレ。
    面白いところは、何故犯人は床の下のキーホルダーを取るのにこの道具をつかったのか?そして、犯行現場で録音されたテープを聞くことができたのか?という2つの手がかりから、ロジカルに犯人を絞り込むのだが、ここに手記の仕掛けを絡めていくところが緻密な構成で描かれている点。エラリークィーンに傾倒している作者らしい展開。
    その後最終章にも別の大仕掛けがあるが、なんというかロジカルなバカミスだなぁという感じで、早坂吝さんみたいな印象。
    長編もっと読みたいなぁ。

  • 同期会が催された山荘で三日三晩に三人のメンバーが絞殺された。俳優の桜木も会に参加していたが、なぜか、その間の記憶が抜け落ちていた。ただ、ひとつロープで他人の首を絞めた生々しい感触を除いては…。そしてその追い打ちをかけるように何者かからワープロ原稿が送られてきた。そこには空白の三日間が小説として再現され、桜木を真犯人として断罪していたが…。トリック&ロジックの本格派が新たに叩きつける「読者への挑戦状」。長編ミステリ。

    文章に難あり。読みづらさは、ページの少なさでカヴァーすればよし…

    原稿(第一章~三章)ごとに殺人が起こる。これは真実か?創作か?
    読者は違和感をかんじずにはいられない。
    読者への挑戦が挟まれ、熟考する。事件の驚くべき構図や企み。実は推理できてしまった。犯人までも。
    類をみない大がかりなトリックは成功している。気が付かない読者には素晴らしい読書体験がまっているはずだ。

    しかし、どうも辻褄が合わない箇所がある。ふと疑問に思い、納得はできなかったが、物語に身を委ねて推理の終わりを待つ。

    探偵はまさかのカタストフィを炸裂させた。なるほど。全部が繋がるわけか…

    本格ミステリファンのあなたに捧げる最高のロジック。

    窓辺さんからお借りしました。感謝。

  • 久々にトリックとロジックが凄い作品に出会ってしまった(ロジックは少々面倒くさいが)。このトリックを成立させるためのある設定も納得できる使われ方をしている(少々ご都合主義ではあるが)。これで読んでて楽しい文章力があれば良かったのだが...

  • C.C?だって、警察も来るし、お店に注文すれば、食料品も届く。
    読みづらいと思ったけど、ネタバレすぎるから書けないけど、そういうことでかな。

  • トリックの使い方がユニーク。ただ、それを許容できるかどうかは評価が分かれるかもしれない。
    短いのでミステリ好きなら読んでも損はないのではないか。

  • 噂通り、やってることは確かに凄い。
    全く同じ理論を用いて、トリック1つ加えるだけで、別の犯人が浮かび上がる。そのトリック自体がとんでもないもので、よく成立させられたなぁと感心しました。
    ただ、読みにくい。最初は仕掛けられたトリックのせいかな?と思っていましたが、どうやら文章があまりお上手でないようです…
    まあ、ミステリを書くセンスは抜群に良さそうなので、他の作品も読んでみようと思います。と思ったら入手困難ェ…

  • 作中小説を形を取って進行していくことで、このようなトリックが成立していたとは!わかってみれば実に単純、一つずつ可能性を検討すれば良いだけのことだが、違和感をここまで整理できなかったのは何とも悔しい。登場人物の何気ない言動が全て伏線になっていて、もう一度読み返したい気分だ。

  • 【評価】
    印象深さやカタルシスは少ないものの、論理の結晶とも言うべき堅牢さには恐れ入る。
    白い部分を出さずに鶴を折るのは難しいものだが、余剰も不足もなく全てを拾い上げ、ここまできちんとやり遂げているのには何か偏執的なまでのミステリ愛を感じる。
    ミステリマニア向けの作品だと思うが、感情の揺らぎやドラマチックさの少ない文体が惜しい。
    論理部分が高い完成度なだけに、それが人物関係や心情描写等物語部分とも響きあうようなところをもっとみたいと思った。

    まさしく、夜想曲(ノクターン)の名にふさわしい、やさしく繊細な作品である。

  • 同期会で久しぶりに再会した区役所仲間が3人、同じ手口で絞殺された。
    同席したはずの桜木に、その時の記憶はないが、誰かの首を
    ロープで絞めた感触だけは残っている。それから数ヶ月。
    桜木が犯人とした上で、空白の3日間を小説風にした原稿が届いた。
    激しく動揺し、知人の作家に助けを求めるのだが・・・。
    そこで「読者への挑戦状」が出されるんだけど
    もちろん、サッパリわかりません(^◇^;)
    後編の解決編を読んで、そのトリックには気持ちよく騙されましたが、
    結末には気持ちの上で微妙な感じがしました。

  • 同期会が催された山荘で3日のうちに3人の人間が絞殺されてしまいます。
    俳優の桜木は同期会に出席していたのですが、その間の記憶がなく、ロープで人の首を絞めた生々しい感覚だけが残っていたのです。
    そんな折、何者かから桜木の元に空白の3日間が小説として書かれた原稿が送られてきます。
    この真相、結末には驚かされますが、これは賛否両論なのではないかと思われます。
    私は有りですし、素直に驚けたのですがどうでしょう。

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