- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043593019
作品紹介・あらすじ
「やっぱり強盗やるか」。僕と、酔助叔父と、そして選ばれたニンフェット・鈴村綾。すべてはロリータから始まり、僕らの物語は、その夏”大いなる一瞬(ル・グラン・モマン)”を迎えた--。
感想・レビュー・書評
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オチというオチなし
久しぶりに佐藤正午読んだけど、こんな感じの何気ない(読者からしたら何気なくない)日常をうまく切り取る感じの作風だったことを思い出した -
佐藤正午の名作といえば『Y』や『ジャンプ』があげられると思うけど、『取り扱い注意』も傑作だと思う。ただ知名度は低いけど。佐藤正午の中でもトップクラスに会話が面白く、構成もすごく凝っている。時系列がバラバラになっているので、戸惑うところもあるけど構成の妙に唸らされる。佐藤正午版のロリータとでもいうのだろうか。
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「ロリータ」を読めってことか?
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やはりおもしろい、他の作品も読みたい。
それに、もう一度、時系列を分かりながら、この作品を一気に読みたい。
おじさんも女の子も主人公も女もみな、どうしようもないけど魅力的。ちゃんとしてないところが素敵。 -
佐藤正午節全開。私が感じる佐藤正午節とは、読んでも読まなくても特にこれからの生活に支障はないけれど、読んでいる間だけは確実に時間を潰すことのできる良くも悪くもないリズム。どこかの喫茶店で、心地よいBGMが鳴っていたけど、どんな曲だったのか全く思い出せないような。
そんな中でも特に本作は、スリリングな展開も、どんでん返しも何もない。駅前で素人のちょっと上手い人が弾き語りをやっているような(翌日にはそのことすら忘れてる)。
そんな快作を生み出し続ける佐藤正午作品は、いまや直木賞作家作品なのだなぁ、と感慨深いものがあるのです。 -
登場人物の一人一人が濃厚で、印象深い。だからストーリーに厚みが出るんだろうな。
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通勤途中にある図書館の分館は本館と比べて蔵書が古くさながら古書店の趣きを醸し出して…で懐かしさも手伝い借りてきたのが性懲りもなくまた正午さんの20年も前の本。
それなのについこの間読んだ最新刊の「鳩の撃退法」と内容が全く変わらないのは何故なんだろう?同じ人が描いているのだから当然と言えば当然なのだがその進化の無さに結構笑えたのは事実。いやきっと文壇きっての小説巧者らしい正午さんのことだから進化が無いのではなくそれはきっと最初から高度に完成していたと言うことにしておこう。
なんにせよこの独りよがりのハードボイルドはクセになるのですよ、はい