個人教授 (角川文庫)

  • 角川書店 (2002年3月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784043593033

作品紹介・あらすじ

桜の花が咲くころ、休職中の新聞記者であるぼくは一つ年上の女と酒場で再会し、一夜をともにする。そして数ヵ月後、酒場を再び訪れたぼくが聞いたのは、二十八歳の彼女は妊娠しているという噂だった。

みんなの感想まとめ

自己中心的で女性にだらしない主人公が織りなす青春模様が描かれた物語です。主人公・松井英彦は、再会した女性との関係から始まり、思わぬ妊娠という展開を迎えます。彼のだらしなさと無責任さは、作中の「教授」と...

感想・レビュー・書評

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  • いつの時代にも女にだらしないダメ男はいる。太宰治の小説にもよく出てくる。というよりも太宰治自身もそんな感じだが。女をとっかえひっかえして、挙句の果てに妊娠させてしまう。そんなダメ男が『個人教授』の主人公・松井英彦だ。佐藤正午の小説の中でもNo1のダメ男だと思う。松井英彦はとにかく女にだらしなく、色んな女性と関係を持ち、ついには妊娠させてしまう(しかも2人も!)。しかも清々しいまでに自己中心的な男で責任も取らず、休職して仕事もせず夜な夜な飲み歩いている。まさにゲスの極み。タイトルが『個人教授』となっているように、ダメ男松井英彦の師匠である「教授」という人物も出てくるのだが、こちらもダメ男である。この「教授」なる人物は定職につかず、夜な夜な飲み歩いている。「教授」と呼ばれているが、実際は教授ではなく、松井英彦が一方的に慕っていて「教授」と呼んでいるのである。この主人公・松井英彦と「教授」の一方的な師弟関係は夏目漱石の『こころ』の「私」と「先生」の関係を彷彿とさせる。

  • 主人公にイライラ
    お話のテーマもよく分からず...

  • やはり雰囲気は丸谷才一に似ていますね。知的な恋愛小説とでも言っておきましょうか。あまり恋愛小説は得意ではない私なのですが、佐藤さんの話は基本的に好きなようです。
    なんだか通俗的なハッピーエンドがちょっと残念なような、でもそれも良いかと思えるような気もします。
    しかし、こういう小説、女性が読んだらどんな感じがするんでしょうね。

  • リリース:茂樹さん

  • 「くよくよ考えるよりも酒をあおれということだ。つまり、うなだれるよりも顔を上げろということだ。顔を上げれば、笑うべき世間を見て笑うことができる」

  • 【本の内容】
    桜の花が咲くころ、新聞記者を休職中のぼくは一つ年上の女とある酒場で再会し、一夜をともにする。

    そして、数ヵ月後、酒場に再びぼくが訪れた時に聞いた噂は、二十八歳の彼女は妊娠しているというものだった。

    しかも彼女は行方不明。

    父親はぼくなのか?

    ならばなぜ彼女は妊娠していることをぼくに知らせないのか?

    教授、魅力的な夫人、十七歳の少女、風変わりな探偵。

    悲しみも夢も希望もある人々とめぐり会いながら、彼は彼女の行方を追う―。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    「男にとってこの世でいちばん頭の痛い存在は」ではじまる佐藤正午節は今回も健在。

    それ以上に、文体がシャープになり、気のきいた言い回しもふえて<大化け>を予感させる。

    今回は、女性にもてるのに平気で傷つける男が主人公。

    ますます初期の村上春樹に接近してきた。

    村上作品では、主人公が<あちら側>に行くことで、たましいに変化が訪れる。

    だが佐藤作品には、それがない。

    したがって主人公は、現実上の理由で生き方の変更を余儀なくされる。

    それでは主人公のたましいは変わらないし、読者のカタルシスもうまれない。

    おしい。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2013年6月21日(金)、読了。

  • かつて一夜を共にした女性が妊娠しているという噂を聞く。好き勝手に暮らしている男は何故その女を探すのか? 教授や婦人との日常は仮の姿なのか?女は強いという事なのか?

  • ある一人の休職中の新聞記者。

    教授と呼ばれる男、魅惑的な夫人、17歳の少女、探偵。





    「彼」は様々な女性の人生につけた自分の足跡をつけた。

    しかしその足跡は彼にとって、砂浜につけた足跡のように波にさらわれて消えていく程度に捉えているのだろう。


    なのに彼は、なぜ過去の女たちの行方を追うのか?


    知りたいという欲求で行動するというのは、ときに自分のことしか考えられていないという未熟さがうかがえる。


    男性は恋愛において、女性とはまた違った通過儀礼があるのでしょう。

    ちょうどバブル頃の本のせいか、女性に対してまでも少々の軽薄感があるのは仕方ないのかと思ってしまった。

    まあでも、どんなにいい大学出てエリートだろうが
    よい男とはどんな男なのだ
    と考えてみるには読んでよかったのか?

    もしれない。



    そもそも恋愛において、個人教授など存在しないのだ。

  • 怠惰な雰囲気が漂っています。
    お昼に半身浴するときにぴったり。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』で「すばる文学賞」を受賞し、デビュー。2015年『鳩の撃退法』で「山田風太郎賞」を受賞、17年『月の満ち欠け』で第157回「直木賞」を受賞した。2025年『熟柿』は「中央公論文芸賞」を受賞した。ほかの著作に『身の上話』『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

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