- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043593040
感想・レビュー・書評
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平成の時代にもこんな文壇と、いかにも文学者然とした文学者がいたらほんとに楽しいだろうなあ、と、実に愉快な気分で読めた作品。
太宰治や吉行淳之介の作品も、現役の頃はこんな風に(当時の人に)読まれたんじゃないだろうか、と想像してしまう。「文学」の気分に浸れるのは、島田雅彦の作品以外になかなかない。
続編と書かないのかなあ…。
【追記】
2011年秋にも思わず再読。愉快、愉快。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公のくどい描写がどうにも受け付けない。
そのせいか、何を描きたかったのかもよくわからなかった。ブンガクなんですかね? -
3センチだか4センチだかある厚みだけで、暇つぶしコストパフォーマンスの高さが感じられる。佐藤氏独特の、ありきたり感、読んでいてどこかで読んだことがある感、展開が今ひとつピンとこない感、いちいち説明的文章・台詞が満載感など、100点満点とも言える佐藤作品。
時間つぶし以上の内容はないと思われる。だからこそ佐藤氏の作品をフォローすることがやめられないのだが! -
ある作家の目線で書かれた物語。
結局のところ、何が言いたかったのだろう・・。
冷めないスープはない、って事?
状況はとてもおかしな状況なのだけど、作家の冷めた目線で書かれているからか
退屈にさえ感じてしまいました。
内容の割りに、長すぎなのかな。 -
とらえどころがなく、何とも言えない読後感の残る作品だが、嫌いではないタイプ。ひねくれた主人公のキャラクター造形も、印象的。
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なんか世間から一歩引いて冷静に見渡してる
的な感じが嫌い。
嫌いだけど
すごい心を捉えて放さない。
むかつく。 -
まずタイトルは「ファイブ」じゃなく「ご」のようです、たぶん。そして分厚い。約670頁です。ここまで長くする必要はなかったんじゃないかなーと言うのが正直な感想。序盤はなかなか面白いんですが、中盤あたりから、中志郎って登場人物の、この話の中での立ち位置が不明確になり、重要なのかそうじゃないのか分からない女性が何人も出てくる(しかも忘れた頃に再登場する)し、物語りの行き先がどんどん分からなくなり、読んでて不安になります。ここで挫折する人は多いかも。が、後半は、概ね分かりやすい方向へ収束していくし、津田伸一のキャラも立ってて面白いです。でも読後は、どうなんだろう。これが恋愛小説?
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不思議な話だわ。冷めないスープはないのよね。
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緻密な無駄の無い文体で最後まで一定の温度感で語られていた。
あまりにも遠く鼻が高い主人公に最後まで追いつくことが出来なかった。流れていく物語も低音で変化があまりなく、感情を揺り動かされるという場面も無かった。まぁ、そういうタイプの本ではないのは明らかだが。
だから、物語に入り込む時間や集中力が続かず、少しずつ短距離走を長距離走のモチベーションで走りながら読んだという具合。
果たしてこの本が何を表現したいのか最後まで理解することも出来なかった。変な話だが、読後の何かから解放されたような浮遊した感覚だけが残った。分からない。 -
カタルシスが足りないと思いました。