ハッピーロンリーウォーリーソング (角川文庫)

  • 角川書店 (2001年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784043594016

作品紹介・あらすじ

「こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう」。自ら「あしたには消えてる歌。」と名付け、一日一歌をほぼ日刊イトイ新聞に連載。日常の一コマをすくいとった短歌を、写真とともに。

みんなの感想まとめ

日常のさまざまな感情に寄り添う歌集で、寂しさや苦しみ、イライラといったネガティブな感情を一緒に体験することができる作品です。著者は、短歌と写真を通じて、日常の何気ない瞬間を捉え、読者に共感を呼び起こし...

感想・レビュー・書評

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  • 寂しい時、一緒に寂しくなってくれる歌集です。
    苦しい時、一緒に苦しくなってくれる歌集です。
    ウツになった時、一緒に鬱々してくれる歌集です。
    落ち込んだ時、一緒に落ち込んでくれる歌集です。
    イライラしてる時、一緒にイライラしてくれる歌集です。
    自暴自棄な時、一緒に自暴自棄になってくれる歌集です。

    あなたの ほんだなにも おひとつ いかがですか。

  • 生活ってかんじ とがってていい

  • 桝野浩一(1968年~)氏は、歌人、詩人、小説家、エッセイスト。
    本書は、1997年に同時発表された短歌集Ⅰ『てのりくじら』、短歌集Ⅱ『ドレミふぁんくしょんドロップ』の収録短歌を一冊にまとめて再構成し、タイトルを新たにして2001年に文庫化したものである。尚、収録歌は当時糸井重里の「ほぼ日刊イトイ新聞」で毎日ひとつずつ連載された。
    私は50代の会社員で、最近短歌に興味を持ち始め、俵万智、穂村弘、東直子、木下龍也、岡野大嗣、九螺ささら等の歌集や短歌入門書、また、山田航の『桜前線開架宣言』、瀬戸夏子の『はつなつみずうみ分光器』、東直子/佐藤弓生/千葉聡の『短歌タイムカプセル』等の現代短歌アンソロジーを読み、半年ほど前から新聞歌壇に投稿している(最近ぽつぽつ採用もされるようになった)。
    桝野氏については、上記アンソロジーの『はつなつ』と『タイムカプセル』に収録されており、また、入門書『かんたん短歌の作り方』も読んだが、大変参考になった。
    本歌集については、残念ながら現在絶版となっているため、中古本で手に入れて読んでみた。
    枡野氏は、『はつなつ』の中で、短歌を詠まない人(=歌人以外)にもわかるように短歌をつくっており、それが「かんたん短歌」(糸井重里が命名した)と呼ばれていると書かれ、また、穂村弘の『短歌という爆弾』の中では、「歌壇に完全に背を向けて存在感を維持できた初めての歌人」、「比喩ってかっこ悪いよねとか、これまでポエジーを支えるとみなされていた要素を否定してみせた」などと評されているのだが、それ故に(逆説的に、とも言えるが)、短歌の素人・初心者にはシンプルに「共感」や「納得感」を抱きやすいし、自らの作歌の参考にもなる。
    また、私は、若手の木下龍也と岡野大嗣が好きで、彼らのような歌を志向しており、それは、彼らの歌が、近代短歌(現代短歌の多くもそうだが)の主流である、自分の存在を詠う“私小説的”な歌とは一線を画し、「ふとした瞬間に兆した感情を共有すること」を目的としたポストモダン的な歌だからなのだが、枡野氏は、最近の穂村弘との対談の中で、木下や岡野の作風は自分と近いと語っていることも、半分納得し、興味深く感じた。(ただ、木下や岡野は枡野氏よりもライトかつポジティブな印象の歌が多い)
    尚、本書に限って言えば、見開き2頁の左側に写真、右側に歌一首が載っているのだが、ピンクと青の単色刷り(半分ずつ)でとても読みづらいのが難点である。(写真も含めモノクロの方が遥かにいい)
    (2022年1月了)

  • 率直で、なんというか生活感がある 皮肉がきいてる歌が好きだな

  • 短いのに(だから?)、いろいろ気づいたり考えたりする歌たち。枡野さんのおかげで、一時期短歌を自分でも作ったりしたけど、難しかったなあ。

  • 14/10/23

    写真の上に全部カタカナで書いてあるのすごくいいセンスしてるなあと。裏には漢字になってて読みやすい。親切。

    [殺したいやつがいるのでしばらくは目標のある人生である]
    [年齢を四捨五入で繰り上げて憂えるような馬鹿を死刑に]
    このふたつブラック~でなかなかすき。

    [肯定を必要とする君といて平気平気が口ぐせになる]
    [本当のことを話せと責められて君の都合で決まる本当]
    このふたつ彼女に振り回されてる感じがとてもかわいくてなかなかすき。

  • 短歌に対して勝手に築いてた敷居を下げた一冊。赤裸々な短歌というものが存在するのかと驚いたのとともに、作者が一層身近に感じられた。
    余裕があるから歌をよむのではないのだ。僕ら(と乱暴に括る)と同じように人間をやっていくだけで精一杯だけど、表現媒体が短歌しかなかったかのような、今の必死さや無力さが伝わってくる。

  • なんかグサっと刺さるものがある。

  • 『石川くん』に掲載された啄木の現代語訳が今一だったので、枡野浩一の本気がこのレベルなはずはない、と思って読んでみた枡野浩一処女歌集(実際には1997年の『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』を編み直して文庫にしたもので、2001年刊)。

    もとはコピー・ライターをしていたこともあるという著者だけあって、短歌もコピーと見紛うような歌が目立つ。俵万智の口語短歌からニューウェーブ短歌を経て、さらにポップで平易なマスノ短歌へと変遷した短歌は、近代短歌の迷走期(失礼)を脱っし、「日本の最も大衆的な詩型」という本来のポジションを完全に取り戻した感がある。

    私家五撰
    - 「複雑な気持ち」だなんてシンプルで陳腐でいいね 気持ちがいいね
    - 傷口をなめ合おうよと近づいて「なおったから」と拒まれている
    - だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け
    - 笑わない母を見舞いに行くための終バスを待つ兄と妹
    - 書くことは呼吸だだからいつだってただただ呼吸困難だった

    『ショートソング』に引用されている歌が 3/5 を占めてしまったのは、ちょっと影響を受け過ぎか…。

  • これ、ほんとにそう思ってんだろうなあ、という感じがよかった。
    短歌はさらっと読めるのに頭に残るなあ。

  • 思い出をつくっておこう 寝たきりの老後に夢をみられるように
    結果より過程が大事「カルピス」と「冷めてしまったホットカルピス」

  • 「書くことは呼吸だだからいつだってただただ呼吸困難だった」
    「もう愛や夢を茶化して笑うほど弱くはないし子供でもない」
    「なにごとにも向き不向きってものがあり不向き不向きな人間もいる」
    「他人への怒りは全部かなしみに変えて自分で癒してみせる」

    以上がお気に入り。

  • ああ、ぐさぐさと、突き刺さった。枡野さんのその厳しさが心地よいです。 大切に何度も読み返したい短歌
    集。出逢えて良かった。

  • 「こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう」という歌が好きです。希望が見える感じで。写真の色を赤と青にしないで、モノクロかカラーだったらいいのになと思いました。

  • 「ドラえもん短歌」などでご存知の方も多いと思います、歌人・枡野浩一さんの短歌集。
    57577の計31文字の中で、シニカルかつ鋭く世の中を見つめています。

    “「じゃあまた」と笑顔で別れ五秒後に真顔に戻るための筋肉”
    “気づくとは傷つくことだ 刺青のごとく言葉を胸に刻んで”
    “本当のことを言わずに済むくらいまじめな顔で話をしよう”

    短歌らしく57577のリズムを意識しても良いし、ひとつなぎで詠んでもすっと意識になじみます。
    低体温でいて真摯な空気感の言葉に、日常風景的な写真が溶け込んだ本です

  • 桝野浩一短歌集

  • 後半は、読むのがつらかった。

    31文字。
    ダイレクトな感情。

  • 「…してもいいよ。」
    寄り添ってもいいよ。
    泣いてもいいよ。
    笑ってもいいよ。
    僕、何も言わないよ。

    そんな言葉なら心に沁みる。
    隠してた、自分でも気がつかないくらいずっとずっと深い所に隠れてた。
    著者はそれらを見つけて次々と解き放つ。
    悲しみや苦しみが空に向かって霧散していくような光景はしばらく心に留まって、
    やがて刻みこまれていく事だろう。

    こんなにもふざけた今日があるいじょう
    どんなあすでもありうるだろう。

  • ちょっとシニカルで、読めば読むほど味が出る素敵なうたの数々。

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著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。歌人。雑誌ライター、広告会社のコピーライターなどを経て一九九七年、短歌絵本を二冊同時刊行し歌人デビュー。短歌代表作は高校国語教科書に掲載された。短歌小説『ショートソング』、アンソロジー『ドラえもん短歌』、入門書『かんたん短歌の作り方』、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』など著書多数。目黒雅也や内田かずひろの絵と組み、絵本・児童小説も手がけている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

枡野浩一の作品

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