ブードゥー・チャイルド (角川文庫)

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  • 角川書店 (2001年8月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784043595013

作品紹介・あらすじ

ぼくには前世があるのです。チャーリー、それがぼくの名前でした。ある雨の晩、おなかをえぐられて、ぼくは死にました。――現世に蘇る前世でいちばん残酷な日。戦慄の殺人劇の謎を描く新本格ミステリ大作!

みんなの感想まとめ

前世の記憶を持つ主人公が、奇妙な事件に巻き込まれる物語が展開されます。彼の名前はチャーリーで、ある雨の晩に命を落とした過去を持つ中学生。物語は、彼が再び現世で直面する謎解きやサスペンスを中心に進行し、...

感想・レビュー・書評

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  • なにこれ...。めっちゃ面白い...。
    久々に貪欲に読書時間を確保にかかる心地好く慌ただしい日々を送れました

    「今僕は第二の人生を送っています
    つまり僕には前世があるのです
    ある雨の晩にバロン・サムデイがやってきて
    おなかをえぐられて
    そうして僕は死にました
    前世、僕は黒人でした
    チャーリー....それが僕の名前でした」

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    『ブードゥー』と聞くと脳内が中二で止まっている私はあのハイチ宗教を連想して、転生モノか?SFなのか?悪魔の生贄からのスプラッタホラーいいんすか?と様々な妄そ..想像を生産しては片側の口角から汁を垂れ流してしまうくらいは受け止めて欲しい

    私の知る限りでは、
    <Voodoo> ブードゥー
    このひとつの言葉は様々な意味を持っており、単語としてだと『お守り、呪物』等 魔力的な意味合いが強い
    時にはこの単語のみ(ismが足される場合も多いが)で「ブードゥー教」を指す場合もある
    更に調べてみると、動詞として
    「呪物によって、あるいはあたかもそれによるかのように、幻惑する」といった意味合いもあるらしい

    「ブードゥーチャイルド」とは直訳すればとどのつまり、呪物の子 他にも色々と当て嵌めることは可能だが、本書を読み終えた今ではこの選択が最もしっくりくる様に感じる

    だが「呪物の子」として本書を語ると、ジレンマが発生する 読めば分かる
    面倒になった訳ではない

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    前世がチャーリーだと信じて疑わない本作の主人公、日下部晃士
    彼は前世チャーリーの時に母を目の前で殺され、自身も殺された

    そして第二の人生である日下部晃士も現世にて悲惨な事件に遭う 作品説明にもある戦慄の殺人劇の幕開けだ 晃士からすれば悪夢 第二幕である、いたたまれない

    さらに決定的な出来事として前世にてサムデイがチャーリー母の元に残した悪魔のサインが現世の殺人現場にも残っていた
    「前世でも同じような事が〜」と警察に言えるわけも無く、母違いの姉と共に自身の前世について独自に調べ始める
    晃士は前世と現世の「母殺し」、バロン・サムデイという悪魔に辿り着けるのだろうか。
    ーーーーーーーーーーーーー

    真相に気付いた方は結構多いみたいで、それ込みでも評価が高めなのは流石の極み。
    私はと言うと、内容が気になりすぎて食い気味で前のめりで猫背デビューする勢いで貪っていたので安定の真正面からのハナヂブー
    ついでに背筋が戻った


    歌野晶午、前期の傑作
    とレビューで拝見したが、誠その通りなのだろう
    面白かった

  • オチが分かってからのウンチクが極めて長い。
    そのオチを主人公の晃士が理解するまでも長い。

    母親の友布子の事を考えると悲しい。
    辻占ジュリアンの登場は、物語を終結させるためのご都合主義ではないか?
    チャットやネット検索の仕組みを説明しているので、発売時のIT技術が未成熟な時代背景が伺える。
    切り取り的な感想だが、作品の設定はナイス!
    ただ、全体としては物足りないかな。

  • ある雨の晩にバロン・サムデイがやってきて、ぼくはおなかをえぐられて、そうしてぼくは死にました。

    自分の前世はチャーリーという黒人であるという日本人の中学生が再び奇妙な事件に巻き込まれる。
    物語が進むにつれ少しずつ展開されるエピソード、最後まで読者を惹きつけて離さない!
    奇想を存分に味わえる“葉桜”以前の名作!

  • 面白かった。出版当時の1998年を知っている人は、チャットでオフ会とか、とりあえずCGIで掲示板とか、懐かしさで二度美味しい感じなのかな。なんというか、ネットで出てくる情報が中途半端だよね。

  • これは素晴らしい。綺麗に纏まっています。そして『春から夏、やがて冬』のような切なさもある。これぞ歌野晶午ですかね、、、
    やっぱりイヤミスも良いけどこうやってしっかり最後まで拾ってくれると、読んでる側としては気持ちが良い。単なるミステリーだけでなく、人間ドラマが中心なので飽きない。いい作品でした。

  • 歌野晶午、前期の傑作。
    雰囲気作りが丁寧なので、トリックの意外性がそこまででもないのに不思議と大きく見える。
    本格ミステリにおける舞台設定は、やはり「それでしかない」と思わせるのが第一条件だと思う。
    このトリック(真相)にはこの舞台が最適だと思わせてくれた。
    探偵役も独特のキャラクターで楽しい。
    発刊当時に読んでいたら衝撃は倍以上だったろう。

    ①魅力的な謎……6/6
    ②精緻なサスペンス……4/6
    ③鮮明な結末……5/6
    ④印象的な文章表現……5/6
    ⑤先鋭的なテーマ性……5/6(当時においては、という注付きで)
    計25/30
    星4

  • 前世の記憶がある少年の家で起きた母の殺人事件。そして数日後、父も襲われる。少年が持つ前世の秘密とは…

    ブログ文化懐かしい。ジュリアンの登場で一気に解決に向かうところは急だったけど、なんか物悲しさと、でも前向きに生きようとするところが良かった。

  • 僕には前世があり、前世ではチャーリーという名の黒人でバロンサムデイという悪魔にお腹を抉られて殺された———。
    これほど読み手をワクワクさせるあらすじが他にあるのか?
    前世の記憶についてもしっかり回収するところが良かった。また、義母を亡くした失意のなかで自身の出生の秘密と実母の死の真相に触れ、思春期真っ只中で1秒ごとに成長していく少年の情緒の変化も感じられた。ジュリアンや舞も必要不可欠。
    大好きな作品。

  • うんうん隠れた名作って感じ。
    前世の記憶を持つ少年という魅力的な謎に始まり、中学生という微妙な年齢の二人がハードボイルドさながらに捜査、推理を進めていき、自らの変わった出生を語る天才少年に出会い...

    中弛みせず、まさにノンストップ。

    代理出産というのが本書の主を担う真相となっているが、個人的には 
    ホリー・キンデス→堀井キンです という聞き間違いや、晃士という文字を悪魔と十字架に見間違えてしまうというトリックがとても面白かった。
    しかもトリックを知ってから目次の裏の絵を見ると「晃士」に見えてくるのが不思議...

    ネットを使って論議をしたりネットで知り合った人と実際に会ったり、という今作の中で使われていることが『密室殺人ゲーム』に繋がったんだろうなと感じる。

  • 3

  • 月並みな感想だけど面白かった!

    日下部晃士は前世の記憶を持っていた。
    自分は黒人のチャーリーと言う名前で、悪魔バロン・サムデイに母親を殺された。

    そして現世でも事件が起こってしまう。

    途中で、悪魔の紋章の秘密に気づき、晃士の前世や出生の謎にも気づいたので、あっと驚くような展開はなかったけれど、辻占ジュリアンの登場が凄く良かった!

    ジュリアンは実はチャーリーの弟だったとか、そんな展開があったら良かったなぁ。ジュリアンがもっと活躍する話があってもいい。と言うか望んでいます。

  • 前世の記憶に悩まされる少年。そしてホラーチックなタイトル。ホラーかな、SF要素もあるのかな、と思わせておいてミステリーで着地。
    さくさく読めて面白かった。

  • これはSFなんだろうか、いやまさか、ちょっとおカタめ?
    と思っていたけど、そんなことなかった。

    焦点は前世を持つという主人公の出生に当てられて進んでいくのだけど、後半になるにつれ、こいつの人生はなんて数奇なんだと。主人公である晃士も姉の麻衣も、理解が良すぎる…。

    天才少年探偵とやらが出てくるのを今か今かと、うずうずしながら読んでいました。ジュリアンと晃士&麻衣トリオの探偵ものとか、あったら読んでみたいくらい。

    出生の真相は、代理母云々のだいたいの知識があれば、たぶんすぐピンとくると思う。どんでん返しこそなかったけれど、貼られた伏線が綺麗に回収されてすっきりでした。
    真相が真相だっただけに、陰鬱に終わってしまうのだろうかと思ってたけど、むしろ清々しいくらい明るく終わってて笑いました。おもしろかった!

  • 2015.3/3〜11。とても楽しめた。前世の記憶が現世の殺人事件と関わってくる。ファンタジーかと思いきや、さすが歌野さん。

  • 少年の前世の記憶の謎を解く物語。
    早い段階から、なんとなく結末は読めるんだけど、それなりに面白かった。
    ただねぇ、産みの母親と育ての母親を両方とも殺されたわけでしょ、この少年は。
    にしては、理解がありすぎる気が。
    もうちょっと心の傷は深いと思うんだけどな。

  • 悪魔祓いや前世といった非科学的かつ神秘めいた言葉と猟奇殺人という組み合わせだが、真相は人類が種の保存のために生み出した科学が解き明かすところが面白い。今でこそその是非が社会的に問われたり、芸能人夫妻がその方法を使ったりと、その言葉は広く一般に聞かれるようになったが、本書が刊行された当時ではかなり先進的なテーマであったはずだ。

  • 前世の記憶がある主人公が、記憶によく似た状況で義理の母親を殺される。そこに残された紋章は記憶にあるバロン・サムディの紋章だった。
    義理の兄弟と推理を進めるうちに、日下部晃士の実の母親の隠された秘密に行き当たる。
    強引な展開だが、歌野晶午らしいアット驚く展開が待っています。

  • 伏線回収の後半はサクサク読めるが、歌野氏とは思えない全体に軽い
    印象はあった。
    やはり無理やりにでも大きくひっくり返してもらいたかったかな。
    個人的にはタイトル負け・・・・って感じ。

  • 1998年に単行本として刊行されたものなので、作中のネットや不妊治療に関する記述が古いのも仕方ない。目をつぶるほどの欠点でもなかったかな。とりあえず面白かった。
    どこかの文章で歌野の評価が高くなったのは「ブードゥー・チャイルド」以後だというのを読んで以来、ずっと読みたかったもの。前世の記憶のある少年が巻き込まれる現世での殺人事件のお話。伏線がきれいに盛り込まれていたなぁという印象。「前世」での記憶で兄たちからぬるぬるとした指で撫でつけられた、という部分だとか、悪魔の口にする言葉の理解不能性だとか、うまいなぁ、と思った。まあ、一番うまいなぁと思ったのはもちろん「悪魔の絵」だけど。
    真相が暴かれていく途中で代理母である可能性には気づけるが、それなりに騒がれて知識として知っていたからすぐ気づけただけだと思う。
    誤解が誤解を呼んで誤解のまま誤解から起こった事件、みたいな。

    抜粋。

    「両親があんな目に遭って、誰をかばうというんです」
     自分をかばうためにぬけぬけとそう言えてしまうのだから恐ろしい。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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