ガラス張りの誘拐 (角川文庫)

著者 :
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レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043595020

感想・レビュー・書評

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  • ミステリであると同時に親と娘の物語でもある。
    親というのは鬱陶しいものだ。
    親が子を守り、慈しみ、世話をやくのは当たり前。
    だが、何かと口を出してくるのは面倒でうるさい。
    子供から見れば、心配から出ている言動は干渉でしかない。
    親に感謝する。親のありがたさを知る。
    親の存在がどれほどに大きなものか、実感する機会は少ない。
    衆人環視の中、なりふり構わずに土下座する姿は、愚かだけれど胸にくる。
    娘への何物にも替えがたい愛情が伝わってくる。
    そもそも、深雪が抱いている父への憎しみはどこからきているのか?
    具体的に虐待されたわけでもなく、目に見える原因があるわけでもない。
    小さな反発心が少しずつ積もり、そこに考えの甘さが加わって家出という行動に結びついてしまったのだろう。
    途切れてしまいそうな父と娘の絆。
    必死にその絆を取り戻そうとする行為は、善だったのか。悪だったのか。
    何が正解で何が間違いだったのか。
    すべてを覚悟して事におよんだ犯人の潔さが切ない。

  • 今年の初読書がこれ。昨年末から続いている私の中の歌野ブームに乗っての3冊目です。
    で、3冊も同じ作者を読むとその作者の特徴がわかってきます。
    この人の場合、アイデア勝負というか、笑点のピンクの落語家がうまいこと言って自慢げな顔をするあの感じ。各小説ともにそういったギミックが内蔵されているのだ。
    それがこの本では不発だった感じ。途中で何となく全体像がわかっちゃったからね。
    途中、文の一部が台本風になるのも意味不明。最後の章で文体が代わるが、もうその時にはギミックに気づいてたんで驚きもさほどなかった。
    他の歌野作品を知らずに読めばもう少し楽しめたかもしれない。

  • 歌野さんは、葉桜の衝撃が凄かったから他の作品にも過剰に期待してしまう(苦笑

    悪くはないけど、普通かなぁ。

  • 途中から、えっ?って言う感じでぜんぜトリックが読めなかった。
    優しさもやり方を間違えると大変なことになるな。

  • 面白かった。最初の目次のとこで、第二の事件、第三の事件、第一の事件、という順番になってたので、これも何かの仕掛けだろうと思って読んだけど、こういうことかー。こういうどんでん返し的な話はとても好きだ。でもほんと危険な賭けだよな。主人公の佐原の奥さんの事件が第一の事件なのかと思ったけど違った。奥さんがどうして殺されたのかがちょっとすっきりしない。やっぱ歌野晶午はいいな。

  • 前にこの人が書いた短編集が面白かった事もあり、長編も読みたいと思いこの本を購入。
    普段こういうジャンルは読まないけど、主人公の佐原刑事がいわゆる刑事っぽくない印象を持ち、それも気になって。

    第二の事件では、だれてしまいスムーズに読み進められなかったけど、第一の事件からは面白くなってきた感。
    第三の事件の語り手が誰なのか気になって初読時は集中できなかった部分もあったけど、第三、第一の事件の結末は意外性があってそうくるかと思ったり。
    この小説のテーマは家族の大切さ、ってやつですかね。

  • 他サイトなど見るとどうも評価が低いようなのだが、よくできた作品だと思う。エンタメとして面白い。第1の事件が最後に来ていて、すべての事件がつながるところは思わず膝を打った。

  • 第二、第三、第一の事件と続き、エピローグでまとまる短編連作的な長編。殺人や遺体の描写にややグロさがあるものも。物語としてはおもしろくてまとまりもよいのだが、なんとなく喉にひっかかるようなところもある。

  • 歌野晶午強化月間。
    どんでん返しを期待して。
    それなりのどんでん返され感。

    何故か貫井徳郎思い出した。
    似た話あったっけ…?

  • 歌野晶午2冊目。読みやすいミステリー。登場人物の設定が普通な感じ。葉桜の読んだ印象が大きかった分、ちょっと残念。他も読んでみよう。

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プロフィール

1988年9月、『長い家の殺人』でデビュー。

「2017年 『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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