女王様と私 (角川文庫 う 14-6)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043595068

作品紹介・あらすじ

さえないオタクの真藤数馬は、無職でもちろん独身。ある女王様との出会いが、めくるめく悪夢の第一歩だった……ミステリ界の偉才が放つ、超絶エンタテインメント!

感想・レビュー・書評

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  • 現実社会と仮想社会。
    リアルな自分とインターネットなどを含む媒体の中で生きている自分。
    どんどんその境目があやふやになっていき、本当の自分を見失っていく・・・。
    妄想の果てに待っている世界は、たぶん自分が一番楽で生きやすい世界なのだろう。
    有り得ない世界への境界線を越えてしまったとき、人は壊れていく一歩を踏み出しているのかもしれない。
    結末は中盤でおおよそわかってしまうけれど、最後まで飽きずに読ませる力量はさすが。
    とくに12歳の来未のキャラクターが見事すぎて圧倒された。
    読者の錯覚を利用し、考え抜かれた構成によって不思議な世界に引きずり込み、そして最後には「またやられた!」が待ち受けている。
    サスペンスに分類されているようだが、どちらかというとミステリー色のほうが強い物語のようにも感じた。
    歌野さんらしい、驚かせてくれる物語だった。

  • 引きこもりのオタクと小学生の女の子のお話
    本編のほとんどの妄想編でそんなのありなの?
    いいのそれで?なんていうことがいろいろありましたが
    あ、妄想だからいいのかなと
    最初と最後にちょっとだけ現実編がありますが
    まぁ妄想で楽しませてもらいました

  • 主人公気持ち悪すぎだし、「女王様」の言動もやだ〜。
    不快で読むのやめよっかなーって思ったけど、なんか読んでしまった笑
    それに、結構衝撃的だったから星3つ

  • 歌野晶午を偏愛している私です。何度目かの、でも久々の再読。やっぱりおもしろいです。ミステリーとして、張り巡らされた伏線、世界が反転するようなビッグどんでん返しが存分に楽しめることに加えて、主人公のオタクの前に現れる美少女キャラ、めくりめく非日常、まさかまさかの展開、などなど、楽しみどころ満載。後味が悪いっちゃあ悪いけど、物語全体としてはアクティブな冒険の中にいるような感じで、ぐいぐい読めます。万人にオススメという訳ではないのかもしれないけど、歌野晶午の中ではブラック要素少ないし、ぜひ読んでほしい一冊です。

  • 色々とやらかしてくれる歌野さんの本で、有面なのを選んでみました。

    ロリ・オタ・プーの青年が主人公。
    人形を妹だと思い込んで、街中でも平気で話しかけたりする、アレな人。
    そんな彼が一人の女王様的な少女と出会います。
    彼女に振り回されることで、彼は少しづつ変わっていくんですが、途中で事件が発生し……という内容。

    導入の粗筋を書いてみたんですが、ネタばれになりそうなので、もうこれ以上は何にも書けません。
    ただ、「この後どうなるんだろう?」と夢中になって読んだとだけ書いておきます。
    あと巻末の解説で「人間に対する尊厳を踏みにじっている」とあるんですが、確かにそうだなぁと思います。
    インモラルな本なので、単純にお勧めは出来ないかなぁと。

    あと、この本の表紙なんですが、な~んかエロスを感じます。
    文庫カバーを忘れて、むき出しで電車で読んだんですが、恥ずかしかったです……

  • 無職でひきこもりに近い生活を送っている男が1人の少女と出会いで人生が一変する..。
    話は全体的におもしろい。未来の本性に注目。また、最後のどんでん返しもおもしろいが、たくさんな出てくる小さい字やカタカナ「ぢ」「ヴ」がいらつく笑

  • デブでオタクで童貞のいい歳したペドフィリア引きこもりニート真藤数馬が、絵夢と名付けた人形との生活を送るなか、一人の少女と出会い日常が変化していく。
    上記触りだけで読み始めると、とんでもなく予想外の作品となるだろう。
    生理的に受け付けない気持ちの悪い中年男性の描写がどうしてこうも上手いのか!現実の女性に相手にされないが故少女を恋愛対象として見てしまうのかなど、真藤の葛藤や少女と関わるなかでの心理描写も気持ち悪くて素晴らしい。
    個人的に衝撃を受けたかつ大好きな作品だが、好き嫌いがはっきり分かれる印象。
    ミステリと思うなかれ!

  • ギャル文体が読みづらくてしんどかったけど頑張って読んでみた
    妄想オチでかなり愕然。時間返して感…
    途中事件が展開していくところは面白かったんだけどな(まあそれも妄想)

  • 読み疲れた。オタクの妄想話。でも現実に戻るとそれもえーっ?でも結局おもしろかったかな。

  • 2008.11.12
    最初は44歳のロリコン引きこもり男と援助交際する小学生のくだらん話かと思ったら、殺人事件が起こってそれを解決しようとする。
    しかしオチはそれらの事件はすべてこのロリコン男の妄想であり、実際は両親を殺してました。
    オチはよめたけど、ストーリーの組み立て方が面白いよね。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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