ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043596010

作品紹介・あらすじ

岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった……。

感想・レビュー・書評

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  • 十余年ぶりの再読です


    題名がなんよりええと
    思うたんじゃ。

    知らんかったらどげな
    意味なんじゃろう?て
    なるわな。

    内容もまた悪ゃーねえ。

    人間ばあなぜこんなに
    救いようがないんじゃ
    ろうと、

    思わず手を合わせたく
    なるような、

    そんくらい迫力がある
    けえ。

    いやこれ映画は本当に
    怖そう!(>ω<ノ)ノ

    そして岡山弁いいな♪
    と真似してみたけど、

    ネイティブが聞いたら
    違和感ないか不安です。

    映画観た方、岡山弁の
    ネイティブの方、

    もしいらっしゃったら
    御意見ください。

    • コルベットさん
      1Qさん♪さすがの1Qさんも・・・。無茶振りが過ぎました(*>ㅅ<)՞՞
      1Qさん♪さすがの1Qさんも・・・。無茶振りが過ぎました(*>ㅅ<)՞՞
      2024/10/15
    • 1Q84O1さん
      対応できずにすみませ〜んm(_ _)m
      岡山弁勉強します!( ー`дー´)キリッ
      (嘘です…)
      対応できずにすみませ〜んm(_ _)m
      岡山弁勉強します!( ー`дー´)キリッ
      (嘘です…)
      2024/10/15
    • コルベットさん
      1Qさん、ありがとー⸜(*ˊᵕˋ*)⸝‬ もうお気持ちだけで十分過ぎます♡
      1Qさん、ありがとー⸜(*ˊᵕˋ*)⸝‬ もうお気持ちだけで十分過ぎます♡
      2024/10/15
  • 1999年第6回日本ホラー小説大賞
    2000年第13回山本周五郎賞
    受賞作
    「ぼっけえ、きょうてえ」
    岡山の遊郭の醜い女郎
    客に話始める身の上話
    恐ろしいのは人の業
    ホラーかというと そうではない気がする
    トータルリコールもセットで思い出します

    「密告函」
    疫病蔓延し始めるある村
    罹患者を密告できる投書箱が役場に設けられる
    函の管理を任せられた男が落ちる闇
    よくできた妻の隠れた恐ろしさ

    「あまぞわい」
    そわいは海の浅瀬
    岡山の酌婦が島の男に見受けされ結婚
    美しい髪も肌も海の仕事に荒れていく
    男は既に浮気と暴力
    海女ぞわい が男の話
    尼ぞわい が女の話
    女は島の教師に恋をして
    それは夫の知るところとなる
    怖い恐いというより 貧しい女の生きる術
    そわいが 女の場所になる

    「依って件のごとし」
    うー、これは辛くて、好きかも
    家族は兄が一人だけ
    村で疎外されながら過酷な労働をさせられる兄妹
    それは 村人の死んだ母親への嫌悪の為
    兄は労働にも出兵にも耐えて、妹を引き取る
    そして 隠されていた真実にタイトルがストンとくる
    こういう話は、ほんとうにあったんだろうな

    • ultraman719さん
      角川ホラー文庫は、結構好きですね。
      ブックオフとか行くと、自然と背表紙が黒いのを探してます(^◇^;)
      ホラーかどうか微妙なのもありますけど...
      角川ホラー文庫は、結構好きですね。
      ブックオフとか行くと、自然と背表紙が黒いのを探してます(^◇^;)
      ホラーかどうか微妙なのもありますけどね。
      2024/09/16
    • みんみんさん
      ずっと前に読んだから内容忘れちゃった(꒦ິ⌑︎꒦ີ)
      ずっと前に読んだから内容忘れちゃった(꒦ິ⌑︎꒦ີ)
      2024/09/16
    • おびのりさん
      私なんか 処分のための再読よ笑
      私なんか 処分のための再読よ笑
      2024/09/16
  • 何かジャケットの女の人と、タイトルに惹かれて…
    「ぼっけぇ、きょうてぇ」って、めっちゃ怖いって意味なんや。
    4編の短編やけど、怖いって言っても、お化けとか、心霊とか言うんと違って、人の狂気とか、残酷なとことかが怖い(−_−;)
    時代も明治とかの農村、とか遊郭、それも貧困半端ない。
    男尊女卑、差別とか、酷い!
    そんなとこにおったら、狂気の一つや二つあるやろ!って思う。
    どこも逃げ場ナシ!何か希望も何もない…
    う〜ん。しんどい…
    こんな時代とかあったんかな?と思いつつ。
    精神的に疲れた〜ハァ…(_ _).。o○

  • たまに訪れるホラー読みたい病が発病したので前から気になっていたこちらを拝読。
    結果、あまり怖くありませんでしたが、昔祖母から御伽噺を聞いていた時のようなノスタルジックな感覚にはなれたので違った楽しみ方をしました。
    私の親戚が岡山だった事もあり、よく遊びに行っていたのでこのお話の舞台も親近感が湧きました。思い起こせば従妹の家もかなり田舎だったので、確かにこんな不思議な事が起こりそうな空気感ではありました。

    短編集なのでまたそれぞれに感想を書いてみたいと思います。全体的に日清戦争前後辺りのお話のようなのでそれを踏まえてお付き合い頂ければ幸いです。

    【ぼっけえ、きょうてえ】
    最初なんだこのタイトル?!と首を捻りましたが岡山弁で「とても、怖い」と言う意味らしく、遊郭に春を買いに来た客に遊女が自身の怖い身の上話をする、と言うお話。
    当時はよくある話の食いぶちを減らす為と金を稼がせる為に売られて来た彼女ですが、それにしても生い立ちが壮絶すぎて怖い通り越して悲しくなりました。
    岡山弁で語られるので信憑性も増してきて、思わず親戚に忌み地じゃないのか、そこ大丈夫?!と電話しそうになりました。(迷惑)
    水子が出てくると怖いと言うより悲しさが溢れますね。自分がこの客だとしたら最後の遊女の言葉になんて返すかなあ…「だが、断る!!」しかないなあ…

    【密告函】
    個人的に一番好きなお話でした。
    献身的な妻を裏切って怪しい祈祷師の女と不貞を働く男の話なので、これを好きだと公言すると私の人格まで疑われそうですがホラーとしては一番楽しめました。
    伝染病が蔓延して多くの死者を出している岡山県某市。
    まだ医療も発達していない時代なので当然物凄い勢いで蔓延していきます。例に洩れず差別も横行するので、市役所に感染した人を無記名で投函する密告函が設置されます。これを主人公の不貞男、弘三が調査する役目を担うのです。
    嫌でした、この仕事。伝染病以前のお話の蠅がたかっている強烈な家に彼が出向いた時は食べていたポテチをそっと皿に戻しました(読書中のおやつが一番おいしいです)
    その流れで怪しい祈祷師の美女と出会ってしまうのですが、この祈祷師の力なの弘三は怪奇現象に悩まされます。
    これがもし祈祷に使われる怪しい煙のせいだとしたらまた違った方向で怖いのですが、本当に怖いのはダークホース、弘三の妻のトミ。
    どんどん弘三に対しての地味な嫌がらせがエスカレートしていって遂に…
    ラストシーン、良かったなあ。映画でこの終わり方ならそれはもう震えて映画館を後に出来ます。

    【あまぞわい】
    今度は不貞の女が登場します。皆どんだけ浮気すんねんというツッコミも入れたくなりますが、こちらはちゃんとした訳ありです。
    元遊女(作中では酌婦)のユミが漁村の漁師の錦蔵に身受けされて漁村に嫁いで来るのですが、漁師の妻も中々ハードな職業なので当然ユミは馴染めず村八分になってしまいます。
    そのユミを見て錦蔵がユミに暴力を奮うようになってしまうのです。DV>不貞だよね、とユミが思ったかどうかは定かではありませんが、これまた漁村では浮いている村一番の金持ち、網元の息子の恵二郎と良い仲になってしまうのに時間はかかりませんでした。
    結局バレて最後にはこの世のものではない『あまぞわい』に恐ろしい目に合わされてしまうのですが、このあまぞわいは錦蔵が聞いていた伝承とユミが聞いていた伝承が微妙に異なります。要は海で亡くなった海女さんのお化けです。
    全然怖くなさそうな書き方をしましたが、実際はもっとおどろおどろしい情念がこもったスタンド攻撃をして来ますので非常にやっかいです。
    これも怖いと言うよりは悲しかったなあ。皆思うように幸せになれたら良いのに…

    【依って件の如し】
    タイトルかっこよすぎだろ!と思って読み始めたらこれまた悲しい話でした。
    『くだん』とは中国発祥の妖怪で、この本の中では頭が牛で体が人間のまあ化け物のような形で描かれていますが、これまた貧困にあえぐ兄妹が必死に生きている所からお話が始まります。
    妹のシズの母は亡くなっていますが、美人でしたが狐憑きのような奇妙な行動を繰り返した為に、村で公然と行われていた夜這いの対象にもなりませんでした。(津山三十人殺しでもこの件が問題になっていましたが、凄い風習ですね)
    そのせいでシズと兄の利吉も村八分になってしまい、利吉が必死にシズの食い扶持を稼いでいます。
    シズは少し知恵遅れな所があるのですが、覚えている母の面影は何故か真っ黒な牛の頭をした女の姿なのです。これらがとんでもないラストへの伏線です。
    このお話は途中までは不気味な空気を纏った悲しいお話だったのですが、最後「嘘だろ?!」と小さく叫ぶ位の強烈なお話でした。
    兄ちゃん…そりゃあないぜ!!!

    ジョジョ風味満載でお送りしましたが、総括としては切なくておどろおどろしい御伽噺、と言った感じでした。
    間違ってもお子様には聞かせられませんが。

    そして岡山の恐怖は続きます。
    狙った訳ではないのに、この後名探偵のはらわたを拝読し私は再びこの恐怖の地へ足を踏み入れる事となるのです。(東京に続いて失礼すぎる)

    to be continued

    • 1Q84O1さん
      とりあえず、厄介なものはゆーき本さんが担当してくれということで!w
      チャンチャン♪

      お二人共、ハーゲンダッツは任せんしゃい(≧∇≦)b
      とりあえず、厄介なものはゆーき本さんが担当してくれということで!w
      チャンチャン♪

      お二人共、ハーゲンダッツは任せんしゃい(≧∇≦)b
      2023/10/15
    • yukimisakeさん
      「科拳ガチってみた」っていうタイトルのインパクトが凄すぎて笑
      レビュー楽しみにしてます笑

      ラムレーズン美味しいですよね(´﹃`)1Qさんが...
      「科拳ガチってみた」っていうタイトルのインパクトが凄すぎて笑
      レビュー楽しみにしてます笑

      ラムレーズン美味しいですよね(´﹃`)1Qさんがきなこ黒みつも買って下さいますよ( 'ᢦ' )
      2023/10/15
    • ゆーき本さん
      やったぜ(*´﹃`*)♡
      やったぜ(*´﹃`*)♡
      2023/10/15
  • 怖く…はないが…、悍ましい。

    色々な意味で勉強になりました……(´•ω•̥`)



    ●ぼっけえ、きょうてえ

    「ぼっけえ、きょうてえ」は、岡山地方の方言で「とても、怖い」という意味らしい。

    全然知らずに読んだので、造語かと思っておりました。
    『ぼぎわんが来る。』のぼぎわんみたいな。

    遊郭の女郎が客に身の上話をするのですが、その内容がぼっけえ、きょうてえんです…:(´◦ω◦`):

    怖いというより、不気味…。

    客が寝付くまでの静かな空気の中、方言で語られるので、余計不気味…。

    女郎は津山出身。

    岡山、津山と聞くと『八つ墓村』の元になった津山事件(津山30人殺し)が思い出される。

    この事件はずっと後の話だが、何だか複雑な気持ちで、不気味さが増す。


    短編集なので、ぼっけえ、きょうてえ話が他に3話収録されている。


    ●密告函

    明治34年、コレラ病が蔓延。
    罹患した事を隠そうとする人々。
    そんな中、岡山市役所に『密告函』が設置される。
    密告された人の家を回り、コレラに罹っているかどうか確認する弘三。
    密告された者の中に「お咲」という名前が目立つ。
    お咲は非常に魅力的な女性なので、恨みや僻みで書かれたのだろうと無視するが…。

    この話も怖くはない。
    面白かった。
    コロナ禍と被り、昔だったらこんな感じになっていたのかな…と、非常に興味深かった。
    女…やりよるね( ≖ᴗ≖​)ニヤッ


    ●あまぞわい

    「そわい」は潮が引いた時にだけ顔を出す浅瀬や岩礁のこと。潮が満ちたら隠れる。
    海女(あま)が生贄のような形で亡くなり「あまぞわい」と呼ばれる。
    ユミは町育ち。
    漁師に嫁ぎ、外見はすっかり変わる。
    何もできないユミは村の女達から爪弾きにされ、夫からの暴力が絶えない日々だったが…。

    こちらも、なんとも悲惨なお話。
    どの話も女は暴力を振るわれたり、犯されたり(´・_・`)
    昔はそれが現実だったんだろうなぁ。と。
    海の女は強いと思った(-_-;)


    ●依って件の如し

    利吉とシズの兄妹は母を亡くし、2人で生活していた。
    シズはまだ幼い。
    利吉は志願兵となり、日清戦争へ。
    シズは、由次一家へ引き取られ、牛小屋で生活する事に。
    戦後いつまでも兄が帰還しない中、シズは牛のような扱いを受ける。

    この話が1番インパクト強かった…(^▽^;)
    結末にびっくり。
    牛と共に育った少女。
    牛が唯一の話し相手……(´;︵;`)


    どの話も真実が織り交ぜてあるのかな。
    目を背けたくなるようなきょうてえ話ばかり…

    昔の日本の様子が伺えました。

    怖くはないが、興味深く、面白かった!!


  • 表題の「ぼっけぇ、きょうてえ」を始めとした
    短編集でヒトコワ×幽霊の融合作品です。

    各話ごとに人の醜い部分が表現されていて
    独特な後味の悪さがあります。

    • ハニロビさん
      こんばんは!
      やはり夏はホラーですね( ´ ▽ ` )
      私も随分昔に読みました!!内容は…あまり覚えていませんが、あまりよく分からなかった記...
      こんばんは!
      やはり夏はホラーですね( ´ ▽ ` )
      私も随分昔に読みました!!内容は…あまり覚えていませんが、あまりよく分からなかった記憶がございます…
      2024/08/13
    • MATSURIさん
      ハニロビさん
      先日読んでいたホラーがこちらでした(笑)
      たしかに岡山弁なかなか読みづらくて、
      いつものようなスピード感では読めませんでした^...
      ハニロビさん
      先日読んでいたホラーがこちらでした(笑)
      たしかに岡山弁なかなか読みづらくて、
      いつものようなスピード感では読めませんでした^^;
      2024/08/16
  • これ、なんといっても題名がいいですね。岡山県人でないとまず分からないけど、色々想像力をかきたてられます。

    純然たるホラーというより、土俗的で人間の業を描いた短編が四つ。どれも雰囲気は似ており、貧しく因習に縛られながらも必死に生きる女性が描かれている。読んでいてなんとも切なくなるが、日本人のイヤラシしさもよく描かれていると思う。

    こういう作品を読んでいると、岡山が津山三十三人殺しが起きた地で有るのも、横溝正史が傑作を産んだ地の舞台が岡山が多いのもうなづける。

    一度瀬戸内の岡山でなく、北部の岡山をゆっくりおとづれてみたい。


  • 近代の有名なホラー小説としては両手で数えるまでに出てくる程の知名度を持つ本作。
    表題に岡山弁が使われている通り、リアレンジされた岡山県産の怪談が4作収録される。
    表題作含め、空気の作り方や描写は巧みなものの、丁寧な助走のまま終わってしまう感触。
    ただ『あまぞわい』は、漁島の閉塞感と土着の不気味さが迫る見事な出来。
    突き刺す様な恐怖は無いが、とても良い意味でホラーの入門として過不足無い作品だった。

  • 短編ホラー集。全編岡山弁で綴られている為、意味不明の言葉も多々あり読みづらかったが、それが更に恐怖を増すのか、ゾクゾクッとする場面もありました。どの編も、昔の田舎の暗い雰囲気の情景が浮かびました。全編とも読み終わった後に表題の「とても怖い」…という一言に繋がった感じでした。

  • 四遍からなるホラー小説。
    「ぼっけぇきょうてぇ」とは「とても怖い」という岡山弁です。遊女の女の昔話から、役所の男とその妻の話、漁師の妻の話、山間に住む少女の話と岡山県の田舎が題材にされています。読めば読むほど背筋がゾッとする話ばかりで、のめり込む様に読み切りました。

    本当に怖いのはあやかしか?それとも人間か?その狭間で揺れ動く人たちの心をとても緻密に表現しています。

    おすすめです。

    「そりゃあ旦那さんの夢じゃ、夢。妾は何にも喋っとらんよ。」

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著者プロフィール

岩井志麻子 (いわい・しまこ)

岡山県生まれ。1999年、短編「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞を受賞。同作を収録した短篇集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞。怪談実話集としての著書に「現代百物語」シリーズ、『忌まわ昔』など。共著に『凶鳴怪談』『凶鳴怪談 呪憶』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 死相』など。

「2023年 『実話怪談 恐の家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岩井志麻子の作品

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