ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

著者 :
制作 : 甲斐庄 楠音 
  • 角川書店
3.55
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本棚登録 : 2200
レビュー : 372
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043596010

作品紹介・あらすじ

-教えたら旦那さんほんまに寝られんようになる。…この先ずっとな。時は明治。岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた…。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。

感想・レビュー・書評

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  • 非常に面白くて興奮した。怖さからいったら、「黒い家」よりも怖い。不気味さは「リング」並み。日本ホラー大賞および山本周五郎賞を受賞した作品。
    日本の閉鎖的な村の怪奇な短編集。作者の出身地である岡山が舞台となっていて、方言で語られるのだが、これがなんとも言えず恐ろしく、鳥肌が立ちっぱなしだった。
    表題作は、貧しい村に生まれた女性の人生がいかに悲惨か、読んでいて苦しくなる。他の短編も、どれも非常に構成が巧いと感じた。とにかく、一度手に取ったら止められず、のめりこんであっという間に読み終わった。怖い話が苦手な人は寝る前に読まないほうがいいかもしれない。

  • 2017/9/24
    どうしようもない貧しさを垣間見た。作者が岡山出身と言うことは知ってたので岡山弁が出てくるのは良かった。依って件の如しが一番印象に残った、読み応えがあった。牛頭。

  • 文庫化された15年前から読みたかった本だけど、ホラーが苦手で手を出せず。しかし最近になって、テレビから女の人が出てくるようなやつじゃなければ大丈夫なような気がして(笑)、ホラーにもよくチャレンジ。著者が下ネタ炸裂でメディアに頻出中とも知らずに読みました。

    楳図かずおの作品を思わせる表題作のほか、なんとも不気味な短編集。津山三十人殺しを取り上げた『丑三つの村』を読んでいれば、より臨場感が高まります。私ったら、ホラー苦手どころか好きみたい(笑)。

    解説を書くときですら文章がページをまたがない京極夏彦。確かに、優れた怪談です。

  • 再読。

    どの作品もじっとりと湿度の高い厭な話。
    陰々滅々とした雰囲気を堪能。
    表題作がやはり一番、不快と嫌悪と恐怖が良い塩梅。
    何度読んでも満足いく作品群です。

  • そろそろ角川ホラーの季節かな、ということで。岩井志麻子の代表作。岡山を舞台に、呪われた場所や人にまつわる怪談を4篇納めた作。

    親にも嫌われ、売られてきた遊女の数奇な身の上話である表題作から、登場人物すべてがろくな人間でなく、解決もしようとしない話が続くので、なかなかに気が滅入るのだが、この人のスタイルだからこういうものであろう。

    ホラーや怪談というスタイルながら、怖い部分以上に情景の推移などが事細かに描写されており、全体に感じるのは純文学の香りである。

    同じ岡山出身で純文学で、軽く怖い話を書く小川洋子とは全くスタイルもスタンスも違うものの、人気が出たのもなるほどと思わせられるもので、別にホラー文庫で出さなくても良かったんじゃないのかな。

    早い話、あんまり怖くないんですよね。怖いもの満たさで読むのではなく、こういう文芸作品としてじっくり読めば、よく出来た作品群だ。

  • 狭い共同体の中では人間関係は「倦む」。
    最も倦むのは家族だ。ここにおいて繰り広げられるのは、親子の情愛ではない。夫婦の恋愛ではない。親子も夫婦も問わない情慾だ。
    噂が立つ。指弾される。
    倦んだ共同体が引き出す人間性は、残酷なものだ。人間は残酷だから。
    情慾のため操作不能となった者を、世間は忌む。自分自身のおぞましさを隠蔽するために。
    ……と、まとめられるだろうか。
    おぞましいとされる側を語り手に据えることで、おぞましさの経緯が詳述される。
    そして作者自身の活力に由来するのだと思われるが、「そんなおぞましさの中でもなんとか保たれる生命力」が、「モンスター野に放たれる」構図になりうる「人間賛歌」。
    ここで達成されつつある「善き悪」は、文学だからこその達成だ。

  • 明治期の岡山を舞台にした話。
    人の業。
    恐ろしい。

  • 得体の知れない物へのホラーというより、牛馬のように悲惨な人生とか、性愛の外道ぶりといった人間への恐さが際立つ。岡山地方の女性の話し口調での語りがよかった。近親相姦などでどことは言えずB級感があって読んでて居心地が悪くなってくるけど。
    ぼっけえ、きょうてえ。表題作が1番良かったかな。

  • 個人的には賞を取った表題作より、収録の「密告函」が怖かった。閉鎖的な農村にうずまく、妬み、恨み…息苦しい位の嫌な感じ、さすがだと思いました。
    岡山が舞台だし、横溝正史が好きな人にオススメしたい(すでに読んでいるかもしれませんが)。逆もまたしかり。

  • 岩井志麻子のデビュー作。表題の話は、流石、オチにゾワッとした。

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著者プロフィール

1964年、岡山県生まれ。99年に「ぼっけえ、きょうてえ」で日本ホラー小説大賞を受賞。また、同作を収録した短編集により山本周五郎賞も射止める。他に『岡山女』『魔羅節』『チャイ・コイ』(婦人公論文芸賞)、『自由恋愛』(島清恋愛文学賞)など著書多数。

「2018年 『現代百物語 終焉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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