夜啼きの森 (角川ホラー文庫)

著者 : 岩井志麻子
  • 角川書店 (2004年5月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043596041

夜啼きの森 (角川ホラー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 津山三十人殺しの都井睦雄については、横溝正史「八つ墓村」に影響を受けて取材した島田荘司「龍臥亭事件」で親しんだ。(wikiで山岸凉子「負の暗示」も思い出した))
    猟奇、狂気、因習、といったおどろおどろしさを前者が協調しているのに対し、
    後者は、夜這いの風習から阻害された個人の内面に踏み込んで描いていた。
    本書はその折衷。
    さらには周囲の人物の群像劇を通じて、彼が犯行に至る殺意の高まりが描かれる。
    一歩先に出ているのは、個人の内面というよりは、村のトポス、森の持つ磁場、から集団の殺気が醸成され、それをひとりの男が実現したという構図になっているところ。
    特筆すべきは辰男に共感していると言ってもいい人間が複数いる、ということだ。
    敷衍すれば全員が辰男になってもおかしくない、そんな場所がある、ということ。

  • 津山三十人殺しを読んだ直後だったのでオチというか話の筋は分かっていたのでそれのオムニバスとして読みました。銃を辰雄に買ってやった人が辰雄に協力していたという解釈は面白い。
    ぼっけえ、きょうてえ未読なのが残念。読みたいです。

  • 悲しいような、なんとも言えない気持ちになる。
    志麻子の文章はなんと自然に私のなかに流れ込んでくるんだろう。

  • 閉鎖的な村ならではの不気味さ、怖さがベースになっている。

    何かしでかしそうな辰男を怖れる村人たち。
    のけ者にするくせに気になっている女たち。
    そういった複雑な心理が上手く描けているため、最後の殺戮シーンがややあっさりな印象。
    あえてそうしたのでしょうか。

    鬱々した人ばかり。
    虔吉だけは好感が持てる。

  • 閉塞感に満ちた、息が詰まる小説だった。

  • 図書館から借りました


     ホラー。「津山三十人殺し」という、現実の事件を下敷きに描かれる。

     結核で徴兵検査で落とされた糸井辰男。彼が陰惨な事件を決行し、自害し果てるまでを丹念に、子供時代から追いかけ、唯一の理解者でもあり他の村に嫁いだ姉が何十年もしてから語る形式。
     でもこうして追いかけていくと。
     村人の大半が嫌な奴らだったので、殺されてもそんなに心が痛まない。

     気持ちが悪いのが、この姉弟の叔父でときたま気が違う仁平。行き場がなく、この家に身をよせざるおえなかった姉のさや子に、性的な悪戯を繰り返す。これの息子政雄も同様で、さや子を森に連れ込んでは悪戯していたらしい。
     最低な家族だ。
     殺されても仕方ないだろうに。
     この幼少期を下敷きに、なんか見覚えのある鬱屈。

     頭はいいのに、認められない。社会が悪い。女が相手をしてくれない。

     今の世によくみるような、・・・連続通り魔とか、誰でも良いから殺したがる連中のあの闇を、辰男は抱えていく。
     しょうじきな感想は。。
     みんな「ダメ」だ、この村・・・。

     そして33人ぶ殺し、辰男は自害。
     すっきりですね。
     姉ちゃん生き残って良かったよ。  

  • イマイチ。

    過去ログ。

  • 薄暗く、息苦しい閉鎖的な村。
    辰男を語る5人、誰もが危うかった。
    私はこの本好きです。

  • 本当にあった話はなんでこんなに怖いんでしょう・・。
    「八つ墓村」のあの強烈ないでたちを思い出しますが・・。

    子供の頃「半日村」と言う本を読んだことがありますが、それにも重なる暗さが・・。

    気候に恵まれず、貧困を極める岡山の奥地の村。
    戦争の影に、徴兵検査に落ちた”肺病病み”の男、辰男・・。
    噂話と苛めと夜這いに似非宗教・・
    因習にまみれた村に銃声と悲鳴が・・。

    やりきれない気分になりますね・・・
    全てがどろどろとして・・。

    賢くてお姉さんっ子だった辰男が「鬼」に変貌していくまで・・
    ドキドキしながら読みました。

    終章は少しくどい気もしましたが、読めば読むほど奈落に落とそうな気分です・・。

  • 幼くして、両親を肺病で亡くし、
    祖母に溺愛のもと育てられたことで腺病質に育つ。
    幼少の頃は秀才と言われていたが、
    病気の為、徴兵検査に落ち、そこから村人たちにバカにされるようになる。

    村の因習や主人公が少しずつ変化していく様子を
    主人公とかかわる者たちの目線から語られていく。
    ただ、主人公目線ではないので、
    事件へ至る心の闇は今一伝わりにくい。
    そのため、若干の物足りなさを感じる。

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