夢にも思わない (角川文庫)

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レビュー : 237
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043611027

感想・レビュー・書評

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  • シビアだなあ。中学生一年生の甘酸っぱいかわいい恋愛があるからなおさらシビアに感じる。
    解説にもあったが、彼女の罪に免罪符を与えないところがすごいと思う。
    誰もが犯しうる小さな罪、だけどかなり根深い深い暗い感情。
    大人ならそれも許せたかもしれないけど、中学生の主人公は受け入れられない。

    それにしても島崎くんは賢すぎ!彼が主役じゃなくてよかった。

  • 主人公の中学一年生雅男が、仄かな思いを寄せているクドウさんが家族で訪れるという虫聞きの会。
    その会場でもある庭園に行った彼は、人が死んでいるのを目にする。
    その死者とは、まさかの・・・。
    雅男は親友の島崎と事件の解明に乗り出す。

    人は誰であれ、子供の頃は純粋な正義感を持っているものだ。
    たとえ、それがほんの小さなものであろうとも。
    その正義感は、大人になるに連れて少しずつ捻じれたものに変わっていく。
    成長という時に流され、それを大きく失う方向に向かうのか、それとも懸命に維持し続けようとするのか、その分岐点は個々の人間の気持ちの持ち方によって違ってしまう。

    少年少女時代に抱く純粋な正義感。
    それはいつまで経っても手放してはいけない大切なものだと宮部みゆきは訴える。
    たとえ、別の大切なものを失うとしても。

    この作品の主人公雅男も、正義感と自分の大切な人を思う気持ちの狭間で心は揺れ動く。
    そのなかで、彼が選び取ったものは・・・。
    小さな悪意(それは悪とまで呼べるものだったろうか?)でも、決して許されないという考えだった。
    雅男の正義感は否応なく読者に伝わってくるが、それによって迎える哀しい幕切れには切なさを感じる物語でもある。

  • 「今夜も眠れない」の続編。
    最初の方は、初々しい中学生の恋愛物語に近いけど、後半はちょっとドキドキ・・
    事件をきっかけにまた一つ大人になった感じ。

  • 事件は中盤で解決してしまうが、心の闇が最後まで付いて回る。主人公の男子中学生がやたら女の子っぽいのが気になる。ここまでフワフワした男はあまりいないのではないかと。

  • 誰もがやってしまいそうな 悪いこと いったん考えれば やらないんだけと パニックのときは?

    夢にもおもわないって題名が ぴったりだった。

  • 主人公の心理描写が面白かった。子供目線の語り口で、難しい事件に直面してるものの気張らず読めた。最後は、真相がわかったのかわかってないのか、曖昧な部分が続きもやもやした。ストーリーの真ん中ぐらいで犯人が発覚し、解決したと思いきや裏の話がいろいろあったというのが意外性があり良かったけど最後の最後でキーとなる女の子がでてきてくるのは、よんでて拍子抜けした。工藤さん…苦労したんだろうけどとんでもなく無責任な女だな。主人公もそれを気づけて良かったと思うし、工藤さんとデートすると知って親友が暗くなったのは工藤さんのそういう面を知ってたからなんだな。友情が戻って良かった。

  • 巨匠宮部みゆきの少しマニアックな作品を。
    なお、「今夜は眠れない」の続編なのでそちらを先に読むといいかも。

    事件自体はさして目新しいものでもなく、大仰なトリックもない。なのでミステリーというよりは、中学1年の男子二人がコンビで事件解決するジュブナイルとして読むとよい。

    本書への批判として「中学生二人が頭良すぎ、こんな
    中学生はいない」というのがあるが、中学一年の彼が主人公でなければこの小説のラストは成立しない。まだ清濁併せのむことを知らない無垢な少年の視点だからこそ、本書ラストで明らかになる無自覚の悪意がより鮮明に切り取られる。
    この最後ありきで、そこにストーリーをあてはめて行ったのがこの小説の骨子だろう。

    そうしたこの小説の主題を考えれば中学生の達観に言及するのは少し本質からずれてはいるが、ただ宮部作品ということで骨太のミステリーを期待した人には期待外れはあるかもしれない。

    個人的には好きなテーマなので星4つ。

  • 宮部氏の書く小説は本当に社会派ミステリーなんだと実感した一冊。

    途中の山場はやっぱり中だるみ感があるものの、
    展開されていく事実に2重の驚愕と恐怖を感じました。

    人の心に巣食う闇と、悪気のない悪。
    両方を体感するとともに、考えさせられます。
    主人公が感じる嫌な気持ちはリアリティがありすぎて怖い。

  • 続きのシリーズが読みたい。
    リアルな人の弱さや中学生の心出てる、あのラストがいいと思う。

  • 学校で見つけて読んだ本。

    面白かった。

著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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