ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

  • 角川書店 (2006年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (468ページ) / ISBN・EAN: 9784043611119

作品紹介・あらすじ

亘はテレビゲームが大好きな普通の小学5年生。不意に持ち上がった両親の離婚話に、ワタルはこれまでの平穏な毎日を取り戻し、運命を変えるため、幻界〈ヴィジョン〉へと旅立つ。感動の長編ファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきのファンタジーの大作。上中下の3分冊の上にあたる本作だが、ファンタジー色は最後だけ。それまでは現世の学校、家庭での問題に悩む小5の児童たちの苦悩が描かれる。おそらく、これだけ長い前置きが、必ず最後には効いてくるはずだ。なんたって稀代のストリーテラー・宮部みゆきなのだから。中巻へいざ行かん!

  • どんな物語か知らずに読み始めたら、とても壮大なファンタジーだった。文庫判の上巻は、そのほとんどが冒険に出る前までの内容。両親が離婚の危機にある小学五年生の亘が、なんとかその運命を変えたくて幻界に冒険に出るという内容。魔導士が出てきたり、謎の動物や姿の見えない妖精?が出てきたり、主人公が現実世界で好きなRPGのような世界観。
    まだまだこれからだと思うので続きが楽しみ。

  • ほんと言って、びっくり!!始めてのファンタジー。
    わけわからなかった。
    しかしさすが宮部みゆき、
    ぐいぐいストーリーに引き込まれた。
    今でも自分の中に場面映像が浮かぶ。
    他の作者ではしらけてやめてたかもしれない分野だけど。
    結論面白ければ理屈はいらない。
    映画「あるかないか知らないけど」化されたらおもしろいだろうね。

  • 両親の離婚の危機に直面したワタルは近所の幽霊ビルから幻界という異世界に旅立つ。幻界を司る運命の女神はどんな願いでもひとつだけ叶えてくれるという。自身の運命を変えるため、ワタルの壮大な冒険の旅が始まる。
    宮部みゆきさんは実はかなりのゲーマーらしく、内容も人種差別、政治、宗教、戦争など王道RPGさながらの要素が散りばめられており、かなり楽しめた。新装版のイラストレーターがFF12やFFTといった自分好みのナンバリングのイラストも手がけていたのもどっぷり浸かれた要因。

    そして主人公のワタルが旅の中で成長していく様がとても感動的だった。あぁ、やっぱりRPGってこーゆーものだよなぁと懐かしさも与えてくれた。

  • 普通に暮らしていたはずの少年に突如訪れる様々な出来事。
    突然の父は家を出ていくといい、家族は崩壊して。
    平穏な日々を取り戻すべく異世界への冒険を決意して…。
    現世と異世界が混じるファンタジー。
    なかなか突飛もない物語だと思いました。
    この上巻は冒険の始まりの序章といったところで。
    自分的に次読むかは、少し悩みどころ。

  • 小学生の頃、初めて読んだ長編小説がこれだった。

    同じ小学生の主人公、現実世界から異世界への冒険、ワクワクしながらあっという間に読み終えたのを覚えている。
    本が好きになったきっかけの本の一つ。

    それ以来読んでいないから、大人の自分がどう感じるか、また読みたい気もするし、そのまま取っておきたい気もする。
    評価は、当時の小学生のときの気持ちで星5をつける。

  • 宮部みゆきにしては異色のファンタジー小説。
    名前は知っていて学生の頃に読むように進められた記憶がある。

    内容的には確かに大人も勿論楽しめるが、小学生から思春期辺りで読むとまた違った思いを浮かべるだろうと感じた。しかし語句などが秀逸で日本語の面白さを感じる。これは大人になってからならではの楽しみ方かも。

  • 現世で陥った運命に抗うため、幻界と呼ばれる異世界へ向かう小学5年生のワタルの冒険を描く物語。
    第1巻は、ほぼ十分の九まで現実世界が舞台。ワタルの父母の離婚話が軸になっており、全体に暗い。ワタルの精神的な弱さや、現実への対応力の低さが小学5年生という年齢相応に描かれているからか、彼の無力感が余計に強く伝わってくるように思う。
    ワタルのライバルとなるだろう少年・ミツルの達観した様子が、ワタルと好対照になっており、今後二人の関係がどのように変化するかが気になる。

  • きっかけは、大好きな歌「決意の朝に」。

    "人の痛みには無関心
    そのくせ自分のこととなると
    不安になって人を嫌って
    不幸なのは自分だけって思ったり

    与えられないことをただ嘆いて
    3歳児のようにわめいて
    愛という名のおやつを座って待ってる僕は

    アスファルトの照り返しにも負けずに
    自分の足で歩いてく人たちを見て思った

    動かせる足があるんなら
    向かいたい場所があるんなら
    この足で歩いていこう"

    この歌は、アクアのヴォーカルさんが、映画ブレイブ・ストーリーの大まかなあらすじを聞いてイメージして作ったと聞き。

    まずは映画を見てみた。

    そして今度は原作に。


    この上巻は、とりあえず物語が動き出すまでの前置き。
    亘が幻界へ行くまでの、伏線のちりばめ。

    とはいえ、なんせ460ページあるので、長いなあと感じる人は多いかも。

    でも、でもね、

    優れた作家さんが書いたものは構成が巧みなのです。
    小説ってのは、最初の伏線の散りばめは確かにつまらなく思えるかもしれないけど、ラストがものすごく面白かったり盛り上がったりするのは、この伏線のおかげだから。
    これを乗り越えると、あとは一気です。

    これだけ散りばめちゃったら伏線の回収大変やろなあと思ってたけど、下巻を読んでる今のとこ、ちゃあんと確実に回収されてます。
    楽しいです。

    プロットが綿密で秀逸なんでしょうね。

  • 昔に映画を観たのでこの際原作も読もうかと手に取った……けどこんな話序盤重たかったっけ?
    主人公の亘が現実世界にいる場面のほうが長く、終盤になってやっと旅に出始めてて、結構映画ではスッパリカットしてたんだなと思った。
    現実世界では両親のいざこざに巻き込まれてかなり胸が苦しい。ここからどう幻界と結びつくのか気になる展開だなぁと思った。

  • 下巻にまとめ。

    私の中でベスト1,2を争う作品だけど、
    実は初めて読んだ時は上巻は、どうもだれてしまい
    ノッテくるまで、進みが悪かったと記憶してる。

  • 生きていくうえで、辛いことや悲しいこと、どうにもならないことって
    たくさんあって、嫌でも何でも諦めなきゃいけないこと、
    折り合いつけなきゃいけないことってたくさんある。
    そういうことがだんだんわかってきて、何食わぬ顔で
    やり過ごせるようになることが大人になるってことなんだろう。

    諦めて、そこで周りを恨んで腐るか、
    諦めて、それでも前を向いて歩いて行こうと思うかで
    その先の道って全く変わる。

    前向きに頑張ろうっていう気持ちになれる物語です。

    それにしても主人公の父親が身勝手で本当にひどい。
    実際にこういう人いるんだろうなぁ…。

  • 読み終わった
    友達に借りて読んだ、宮部みゆき最初の一冊。

  • ずっと気になっていたけど、長いお話なのでつい避けてた。それがやっと読めた。
    小学生の描写がリアル。子どもから見た親の姿も。
    ここから始まるファンタジーはどうなっていくんだろう。

  • 大好きな作品。
    多くの人が気兼ねなく楽しめるファンタジー。

  • 宮部作品と思わずに、読み始めた方がいい。下巻まで読了すれば、やっぱりミヤベさんだなぁって思えるから。

    上巻では、現代社会において子供が直面するイロイロな困難と無力感に苛まれる。救いは現実逃避だけなのか?
    そして、ゲームのような異世界にステージが変わる。しかも上巻の最後の方370ページあたりまで来てやっと、、、

    なんじゃこりゃ?今流行りの大人になっても人生リセットできればやり直せる的な異世界モノなのか⁉︎
    と思ってた。でも、これは必要な序章なのだ。

    上巻はアニメ映画でほぼ忠実に再現されている。

  • 自分が子供のころに現世で生きていこうと思えたのはこの作品のおかげ。

  • 宮部みゆきさん 初めて読んだ本。現実の世界ともう一つの世界(パラレルワールド)を行き来しながら展開する冒険談。現実の世界は容赦なく厳しい。厳しい現実を生き抜く勇気を与えたかったのかしら?

  • 幻界に行くまでが長すぎて心が折れそうになりましたが
    その分、亘の心理描写がたくさん入っていて
    両親の離婚を突き付けられたリアルさが伝わってきました。

  • オーディブルにて。
    知らないけど、要は異世界転生ものだよね、ぐらいの認識で聞き始めたら、現実の話が延々と続いてなかなか異世界に行かないなという印象。
    そしてこの小5ぐらいの子供にとっての「世界を揺るがす大事件」となるレベルのことは、やはり父親の不倫や離婚あたりになるんだよなあという納得感。交通事故なんかより、よほど切実。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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