ハルビン・カフェ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 417
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043615025

作品紹介・あらすじ

裏切り、嫉妬、権力への欲望。男は、粛清の名のもとに血を流し、女は、愛のために決断をする……各紙誌で絶賛され、第5回大藪春彦賞を受賞した、打海文三が真価を発揮した最高傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 福井県にある海市は中・韓・ロシアのマフィアがはびこる無法地帯となっていた。
    現場の警官たちは殉職していった仲間たちの仇を打つため地下組織「P」を結成し、対抗していく。

    こういう系が苦手だと痛感させられた……!
    物語は色んな人の視点から描かれ、序盤は点ばかりだったのが中盤から徐々にそれぞれが繋がり始めていくと景色が見え始めるんだけど、とにかく人が死にすぎ!それが苦手なんだ……。
    どんな組織にも色んな側面があって、必要悪ってほんとに必要なのかと思いつつ読みました。
    読了後はどっと疲れた……。

  • 中国・韓国・ロシア系の各マフィアが覇権争いを繰り広げる、福井県の海市を舞台に、それらマフィアと警察内の報復組織P、そして警察組織自体の抗争を描く骨太なハードボイルド小説です。
    細かくカット割りされるように、何人もの登場人物の視点が切り替わって事件の進行が語られ、600ページにも及ぶ長編ながら緊迫感を持続したまま読み通すことができました。
    また、これは僕が男やからかも知れませんが、出てくる女性キャラがみんな力強く、たくましく、したたかで、セクシーに描かれていると思いました。
    打海文三さんは初読でしたが、積ん読も含め、他の作品も読んでみたいと思えました。

  • 第5回(2003年) 大藪春彦賞受賞
    架空の都市、福井県西部の海市。
    大陸の動乱を逃れて大量の難民が押し寄せ、海市は中・韓・露のマフィアが覇を競う無法地帯化。
    相次ぐ現場警官の殉職に業を煮やした市警の一部が地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が誕生。
    警官の警官による警官のための自警団。
    彼らは「P」と呼ばれた。

  • 犯罪都市、海市。そこでうごめく犯罪組織と警察と警察の自警団。分厚い本をこれでもかと疾走する物語。物凄く、引きこまれた。これはもう、この人の本はすべて読まなければならないと思った。ほんとうに面白くて分厚さも忘れて一気に、とはいっても丸二日くらいかかった記憶があるけど、とにかく一気に読んだ。そして、読み終わった直後、著者のほかの本を物色にいった本屋のポップで著者の逝去を知った。あまりにショックで読まなければと思ったにも関わらず他の本に手を出せずに今日まで来てしまった。
    だが、これは本当に面白い。そして、著者のほかの作品も読みたいと今も思っている。

  • 2回読んでようやく理解出来た。打海文三は構想にどれほど時間を取られたことか。

  • マフィア、警察などの抗争。内容が深すぎて理解が難しい。

  • 2回目。やっぱり骨太。読めば読むほどいろんな登場人物のエピソードのかけらが高密度で合体してすごい重量感になっていく。ハードボイルド?なんだろうか?打海さん独特の文体のせいか、2回目も一気読みしてしまった。骨太ハードボイルド読みたい方に一番にオススメしたい本。

  • 福井県にある架空の都市を舞台に、実力行使の報復でマフィアに対抗する下級警官達のゲリラ的活動の表と裏を描いた物語。
    総括するとこんな感じですが、ボリュームのある作品の中で1つの出来事が視点によって複数の意味を持ち、偽名と裏切りが多発する中で人間関係が非常に複数で、仕事の合間に読んだせいか充分に理解できなかった。
    多くの登場人物が目的を達成することなく死んでいき、全体的には救われない印象でしたが、時間のある時にもう一度落ち着いて読み返してみたい。

  • (欲しい!/文庫)

  • 把握するのが大変だったけれど、こんなスリリングで面白い小説は久しく読んでない、と思った。

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著者プロフィール

1948年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫鏡の国のスパイ』が第13回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。2003年『ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞を受賞。07年10月逝去。

「2022年 『Memories of the never happened1 ロビンソンの家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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