裸者と裸者 下 (角川文庫 う 15-4)

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043615049

作品紹介・あらすじ

両親の離婚後、月田姉妹は烏山のママの実家に引越し、屈託なく暮らした。そして応化九年の残酷な夏をむかえる。東から侵攻してきた武装勢力に、おじいちゃんとおばあちゃんとママを殺されたのだ。十四歳の姉妹は、偶然出会った脱走兵の佐々木海人の案内で、命からがら常陸市へ逃げ出した。そして-戦争を継続させているシステムを破壊するため、女性だけのマフィア、パンプキン・ガールズをつくり世界の混沌に身を投じた-。

感想・レビュー・書評

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  • 「旗をかかげる。異端分子を殲滅する。世界を浄化する。そういう政治主義はくそ食らえだ」姉妹は言った。
    「世界を変えたいっていう欲望はないの?」
    「ないね」姉妹は即答した。
    「ないのか」森が残念そうに言った。
    「戦争を継続させているシステムを破壊したいとは思っている」

    マイノリティ解放軍、女の子マフィア、反政府軍の反司令軍の活躍。まじ面白い。

  • 上巻と同じく一晩で、とはいかなかったけど、すごすぎて言葉がない!2013年途中でやめられなくなる本暫定1位

  • 性と暴力に溢れながらも、人の絆について考えさせられる作品。
    詳しくはブログにて。
    http://bookwormblog.seesaa.net/archives/200904-3.html

  • ふむ

  • 上巻に続いて下巻も連続2回読破。
    月田姉妹の一見破天荒な雰囲気も根底にある仲間や弱者を想う気持ちの強さの現われであり、それを持って強大な組織や力に臆することなく立ち向かう様は痛快でもあった。
    非力を嘆きながらも己を曲げず突き進む月田姉妹は誰よりも強い。だからこそ、あらゆる差別の根絶の提唱に説得力があるんだろう。
    『世界はとっくに狂っている』と理解し、ぶっ飛んだ感じでその狂気に“適応”しているように見えた姉妹ではあるが、最後に桜子を亡くした瞬間の椿子の悲しみは誰よりも正常に見え、悲しさを共感しながら『人間でいる限り狂気に適応するなんてできないんだ』と妙に納得できたような気がした。

  •  舞台は西東京で双子の姉妹が主人公となった。上巻に比べると戦局の説明で済ます場面が多く、あまりぐっと来なかった。登場人物がすっかり大人になって上巻ほど健気さや切迫感がなくなってしまった。
     そうは言っても双子は魅力的で面白い場面もたくさんあった。上巻が面白すぎたせいで割りを食ったのかもしれない。

     続編は読もうかどうか迷う。

  • 上巻ので主人公の少年が出会った、双子の女の子を中心に物語が進んでいく。
    物語が進んでいく感じは、上巻とおんなじ感じ。
    ぐわーっと押し寄せる感じではないけど、次が気になる感じ。

    最後に一波乱あって、愚者と愚者(上)に続きます。

  • 「おすすめ文庫王国2008」総合ランキング2位の作品。本来ならば別格であるはず…。
    が!読みづらかった!!全く世界に入り切らん!!途中で何度も止めようかと思ったくらいキツかった…。
    内乱が10年以上続く日本が舞台で、そこで道を開こうと戦う少年・少女のストーリー。とっても簡単に言えば。
    が…とにかくコメントできない程に合わない。

  • 上巻とは異なる破天荒な主人公が、苦しみながらも何とか現状を打破していく物語。
    こちらも過激な描写は多いが、人権問題をテーマにしている節があり、ちょっとだけ考えさせられた。
    こちらの戦場も個人的に良く知っている場所なので、リアルに感じられて楽しめた。
    あまりオススメしません。

  • 上巻はのめり込むように読んだが、下巻では少し戦闘場面に飽いたのか、それとも読んでいる自分自身の精神状態が影響したのか、上巻ほど引き込まれなかった。
    スポットが当たる人物が上巻から下巻でガラッと変わったのも、その一因かも知れない。
    ともあれ、果てしなくとすら思える内乱状態に陥った日本の姿を、圧倒的な迫力で描いていて、自分自身の平和ボケや甘さを思い知らされる。
    目を背けたくなる反面、続きが気になってたまらない。
    なんやかんや言いつつ、未完と知りつつ、続きを読んでしまうんやろうなと思う。

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著者プロフィール

1948年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫鏡の国のスパイ』が第13回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。2003年『ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞を受賞。07年10月逝去。

「2022年 『Memories of the never happened1 ロビンソンの家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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