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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784043615056
作品紹介・あらすじ
応化十六年。内戦下の日本。佐々木海人大佐は孤児部隊の二十歳の司令官。いつのまにか押し出されて、ふと背後を振り返ると、自分に忠誠を誓う三千五百人の孤児兵が隊列を組んでいた。
みんなの感想まとめ
内戦下の日本を舞台に、孤児部隊の司令官である海人が直面する複雑な人間関係や社会問題が描かれています。軍主導の選挙や性差別、人種差別といったテーマが絡み合い、海人はその中で成長を遂げていきます。特に、性...
感想・レビュー・書評
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応化三部作の第二部。再び視点は海人。
軍主導の選挙や軍内のゲイ兵士差別問題や戦友の離反など大きな問題が続々と起こる中、すっかり頼もしい司令官となった海人と同盟軍たちが立ち向かっていく。
今巻は特に性差別・人種差別の問題に言及していて、いろいろと考えさせられる。作品内では性的マイノリティーや外国人や孤児の部隊が中心となって戦争を終わらせるために戦っていて、海人の所属する常陸軍は性差別も人種差別も禁止している軍隊なわけだけど、もし戦争が海人たちの勝利で終わったとしてもそういう問題が簡単になくなるわけではないだろう。残念ながらこの戦争がどういう終わりを迎えるかは想像に任せるしかないのだろうけど…。
新たな敵も現れてまだまだ終わらない戦争。下巻はどうなるのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
裸者と裸者(上下巻)を読了し、続編が出たと聞き急いで買って読んだ記憶があります。前巻と同じく上巻は少年兵、下巻は双子が主人公となります。
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「四百発」
「そのミサイルを誰に打ち込むの?」マクギリスが訊いた。
「正面の敵に」
「正面の敵って誰?」
「黒い旅団」
「彼らはたぶん、孤児部隊を正面に押し立てて突撃してくると思う」
「そのかのうせいはあります」
「悪夢よ」
「戦争です」
最前線で人間の盾になる孤児部隊として育ち司令官となり、そして長くだらだらと続く戦争を終わらせるため指揮を執る中で、相対する敵の人間の盾である孤児部隊を殲滅しなければならない矛盾とどう折り合いをつけたのか?そこをもっと描いて欲しい。 -
裸者と裸者に引き続き一気読み!海人がかっこよすぎる!
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「愚者と愚者」上巻。野蛮な飢えた神々の叛乱。今回は海人率いる孤児部隊がメインなお話。武力勢力「我らの祖国」「黒い旅団」の性的差別に対する戦いが繰り広げられるが、海人配下の孤児部隊にも陰謀が。。海人の戦友である孤児部隊との友情や、相変わらず女性にモテる海人の行動に惹きつけられる。たくさんの武力勢力が出てきて混乱することもあるけど、この独特な世界観は魅力的。下巻に進みます。
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前作の「裸者と裸者」の下巻を図書館で予約したが、まだこなかったので
先に「愚者と愚者」を読むことにした。
主人公の海人は淡々と戦争をやってのけるが
それでも彼が残虐な人間には見えない。
彼の行為は自分とその仲間たちが
生き残るための選択の結果であり
戦争の真っ只中では当然の行為だ。
戦争とは無縁な世界で生きている我々は
今までの人生で「生きる」為の選択を
何回したのだろうかと、ふと思ってしまった。 -
上巻は、前作と同じく、佐々木海人が主人公。
大人になり、軍人としての成長を遂げたが、戦争はまだ終わらない。
新勢力との闘争、治安の悪化、差別、反乱、虐殺…
司令官としての立場と、一人の人間としての立場の狭間で、悩み、苦しみながら、決断を下し、自分の本心と折り合いをつけていく過程が、絶妙。
何があっても守らなければいけないもの、それを私は守れるだろうか?
下巻でどんな展開になるのか気になる… -
セックスマイノリティと戦争の話。
「暗い・気持ち悪い・残酷」そう感じるのに
(性差別や偏見ではなく内容や全体の空気)、
不思議と爽快感が得られる。
読む人を選ぶかもしれないがけど、俺は好き。 -
応化三部作…やられた。久しぶりにこんなに面白い小説に出会ってしまいました。戦争、しかも内戦…日本でこんな設定が有りなんて…戦闘に次ぐ戦闘で重くなりそうだが、主人公たちがイキイキしてて気持ち悪さがない。素晴らしい作品だ
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未完と聞いていたのでどこでぶった切られるのかとびくびくしながら読んでましたが、かなりラストに近い所じゃないかと。この先どうなるかは永遠に想像するしかない訳ですが…。
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孤児たちの戦争シリーズ第2弾の上巻。常陸軍における選挙の実施、新勢力の台頭、かつての仲間の離反と軍隊を中心とした内乱劇がつづられています
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アジア情勢の混乱によって、日本に大量の難民が押し寄せる。日本の経済秩序は破綻し、法秩序も崩壊し、急激なダイバーシティへの反動として、あるいは新しい秩序が生まれる過程として、たくさんの人が死んでいく。
超越的に醒めつづけている主人公たち。
熱狂し、騒乱する戦闘不良少女。
「正当」のありかを見失い、それでも正当であろうとする日本人の男たち。
ありとあらゆるマイノリティ。
そしてビジネスマン達。
彼らは淡々と、日本を先にすすめていく。
それを綴る著者の醒めた超越的な言葉と修辞。
淡々とその世界に居座り続けられるという、
矛盾した逃避への充足感。
(そしていつでもこちらへ帰ってこられるという、
さらに矛盾した安心感。)
他者であることの幸福と、
他者であることの疎外感。
逃げる世界が、落ち着ける世界があるということ。
著者が急逝し、おそらく未完となった。
言い換えれば、超越者が去り、彼らの世界は永久性を保障された、のかもしれない。
何年か経ったら、ちょっとしたノスタルジーでもって、
写真のアルバムをめくるように、
もう一回読むことになるだろう。 -
いつの間にか、みんなすっかり成長してしまったなあというのが感想。
常時は相変わらずのんびりした感じなのに、頭が切り替わった時の海人はとても頼れる男。
今回のテーマは、マイノリティ。自分には理解できない所ではあるが。(6/7) -
だからだなあ、スタバはあるのか、無いのか聞いてるんだよッ。でもまあキャラ立ちはいいですね。本巻より一層テーマ性が重要視され、「軍や政治団体でのゲイやレズビアンの扱いをどうするか」って言うのは中々面白いと思う、、、、んがッ著者の「とは言ってもぶっちゃけ性的マイノリティーは俺にとってはどうでもいいけどね」っていう本心が見え隠れするので、どうせならロリコンやペドフィリアなど完全アウトな性的マイノリティー引き合いに出した方が面白いと思う。
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『裸者と裸者』の読了から数日で、一気に読みきってしまった<br>
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そして、この打海文三という作家の戦争や子供、ジェンダーそして女性に関する所にとてつもなく共感できる所と<br>
絶対に理解が及ばない所があるのに、読み終わった余韻と共にふと考えてしまいました。<br>
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狂乱なしに物事に向かうことの難しさと、狂乱あって物事に向かうことの危うさ・・・<br>
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それにしても、悲しむべきはこのシリーズの最終巻が未完で終わっていることと、<br>
打海文三の新作が今後は読めないということ・・・<br>
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とりあえず、読みかけになっている『ハルビンカフェ』を読了してからだが、<br>
打海文三のほかの作品にも手を出したいと思います。 -
前回に引き続き上巻はカイト視点。
個人的にはカイト視点の方がおもしろいけど、
もちろん椿子視点も面白い。
作者がすでに他界してることに少し絶望しかけたけど、
タイミングよく続刊がでるということで、期待。 -
指定席も確保できず、雨も土砂降りで、宝塚記念に行くのは諦めた。
で、マッサージに行って、本を読むしか、やることもない平和な一日。
半年振りの打海文三。本の向こうは前作「裸者と裸者」から続く内乱の日本。
気がつくと、自分に忠誠を誓う3500人の孤児部隊のトップとなっていた海人は、その時点で“戦争から降りることができなくなっており”、“神に悪意にほんろうされ”“孤児兵のほとんどは、女の子を知るまえに、戦場で人を殺して”いる世界の中で、“対テロ戦争の重圧に加えてゲイ兵士差別の醜悪さと複雑さ”にいら立ち、“夜も昼も自分の決断に脅えつづけ”ながら、“自殺を思いとどまるなら、悪党として生き抜くほかはない”と腹を決め、“待ってるんだから、生きて帰ってきてちょうだい”という人の存在を思い、“顔をあげて現在を生きる”。
そんな海人を椿子は“律儀で無学な鈍くさい男の子の悲劇”と評す。
“省略と隠喩と諧謔にみちた”言葉で綴られる内戦の日常と青年の心根。
このシリーズの底にあるジェンダー問題への主張が色濃く全編を貫き、“命とめしとセックスの自由 これが人間の尊厳にかかわる根本問題であって、ほんとうは政治的自由なんてどうでもいい”と嘯きながら、“欲望のマナーを身につけ”“れば、相手がゲイだろうと、女の子だろうと、特殊な欲望の持ち主だろうと、仲良くやれると思う”と謳う。
“善悪、敵味方、男と女、正気と狂気、マフィアと革命組織の境界が”融解する世界でしたたかに入り混じる海人と孤児部隊の行く末や、いかに!?
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