愚者と愚者 (下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
4.01
  • (43)
  • (34)
  • (30)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 267
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043615063

作品紹介・あらすじ

月田椿子は亡くなった桜子を思って泣いたことは一度もなかった。爆弾テロの惨劇の映像が思い出され苦しめられるような経験もなく、そういう自分を責めたこともなかった。桜子の死を否認しているわけではなく、そもそも死んだのが桜子なのか椿子なのか、いまでもよくわからない。内乱16年目の夏、椿子が率いるパンプキン・ガールズは、きょうも首都圏のアンダーグラウンドで進撃をつづけている-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • パンプキン!
    結局、このシリーズは、性描写は過激で、暴力の場面はかなり残酷だったけども、全くいやらしさも陰湿さもなかった。
    この後、海人は椿子はどうなったのだろうと想像を巡らすと、本当にこの物語が未完で閉じてしまったのが残念でならない。(6/26)

  • 裸者と裸者と同様に、下巻は双子ちゃんのほうが主役。
    戦況が目まぐるしく変わり、途中から何軍が何なんだか分からなくなってきます。
    双子ちゃんが女の子ギャングのボスとしての活躍します。
    様々な信念のもと差別をする人間と、すべての差別を否定する人間が、生きることに精一杯の子供たちを巻き込んで、戦争はまだまだ続きます。

    が、作者が亡くなってしまったようなのでこの物語は未完となるようです。
    残念ですね。

  • 今回はセックス少なめ。読んでいる最中はめまぐるしい戦況についていくのがやっと、でも落ち着いて物語全体を振り返ってみると、印象的なシーンが次々と鮮やかに浮かんでくる。要所要所に散りばめられたそういったシーンを頭のなかで繋げていくと、これでもかっていうくらい盛り込まれているドンパチが背景に引っ込んで、それぞれの生きざまが浮き彫りになってくる。こういった読後感は得がたい。

    戦争と性を絡める試みはよく見かけるけれど、最初の方はその繋がりがちぐはぐな印象があった。戦争というのっぴきならない現実を、性で語るところに若干の無理があるように思えた。ただそういった印象も、読み進めていくうちに解消されていった。

    パンプキン・ガールズは物凄くかっこいい。けれども現実に、椿子みたいないかれた女の子たちが欲望の赴くまま世の中を掻き回し始めたら……。歓迎できるかどうか、分からない。何なんだあいつ等は! ぶっつぶせ! とか言いたくなるのではないか。と、理屈でなく自尊心に問い掛けられる台詞がいくつかあった。本作は観念的にではなく、根源的に戦争へ斬り込んでいるのだと身体で納得させられた。

    「裸者と裸者」の下巻もそうだったけど、「愚者と愚者」も終盤が物凄くいい。三千花で始めて、多村で締め括る。何なんだ、この企みの深さは。早く寝なくちゃならないのに、つい夜更かししてしまった。

  • でたとこしょうぶだ!

    男根主義者は吐き気がするほど嫌い。
    「何人が死亡、何人が負傷」と文字を追えば、違った意味の吐き気が押し寄せてくる。

    椿子が本当に愛らしい。

  • 「吸引と販売を禁じても、ドラッグ汚染の拡大を防ぐ有効な手段にはならない。なぜか。戦争は恐怖をもたらす。前線で砲弾にさらされ、街角で狙い撃ちされる兵士たちは、ドラッグの多幸感のなかで恐怖から逃れようとする。ドラッグは確実に捌けるってことさ。仕入れに困ることなんてこともない。国内生産は過剰気味だ。ようするに、ドラッグの収益で戦争を継続する内乱の構造的な矛盾が、我々の勝利を約束してる。」

    数々の矛盾を抱えながら、内乱は混迷していく。面白いな〜。でも、このシリーズ、作者の急逝で未完とのこと。ショック(~_~;)

  • 容赦ないな、次はだれが死んじゃうんだと思ってどきどきしながら読んでたけど、やっぱめちゃめちゃおもしろくて読み始めたら他のことできなくなる

  • 「愚者と愚者」下巻。ジェンダー・ファッカー・シスターズ。
    下巻は椿子率いる「パンプキンガールズ」と河野率いる「黒い旅団」との戦いが描かれる。女の子の自由を掲げるパンプキンと女性の戦闘参加を許さない黒い旅団の見解の相違から、複数の武力勢力に跨り戦いが繰り広げられる。。
    今回も深いお話。万人に受け入れられず、読者を選ぶ作品。数多くの武力勢力が登場し、名前と関係がわかりずらい。それでも椿子と周りの仲間の会話や気遣いにホッとし、続きが気になり一気読みしてしまう。そんな不思議な魅力を持った作品。読後「愚者と愚者」の表題が胸に響きます。今後の展開を期待し、次は未完の完結作「覇者と覇者」を読みます。

  • 図書館で「裸者と裸者」の下巻がまだ
    借りられなかったのでこっち先に読んだ。

    上巻とはうって変わって
    椿子が主役のお話に。

    椿子は海人と同じように生き残るために戦っているが
    彼女の場合は「自分らしくあること」=「生きることに」のように思えた。
    だからこそ自由奔放に生きているのではあるまいか?

  • 裸者と裸者同様、下巻は双子の姉妹が主人公。



    あらゆる差別に立ち向かう椿子の、でたらめのようで一貫した姿勢がカッコイイ。
    彼女のように、自分の欲望の有りのままを素直に受け入れられたら、きっと世界は違って見えるだろうな、

    パンプキン・ガールズのテーゼ、なんて力強いんだろう。

    お前が罪を犯すなら、私も罪を犯そう





    いろんな軍が分裂したり統合したりするから、後半はほんと混乱する。
    差別が生む狂気とか矛盾とか歪みが、どんな風に人を変えて行くのか、飲み込んで行くのか、という事を描くための記号だと思えばあんまり気にならないかな。



    覇者と覇者は未完だけど…
    読みたいな。

  • セックスマイノリティと戦争の話。

    「暗い・気持ち悪い・残酷」そう感じるのに
    (性差別や偏見ではなく内容や全体の空気)、
    不思議と爽快感が得られる。

    読む人を選ぶかもしれないがけど、俺は好き。

    この続編を永遠に読めない事は、心残り。

全22件中 1 - 10件を表示

愚者と愚者 (下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ (角川文庫)のその他の作品

打海文三の作品

愚者と愚者 (下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする