巷説百物語 (角川文庫)

著者 :
制作 : FISCO 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 4303
レビュー : 425
  • Amazon.co.jp ・本 (530ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043620029

感想・レビュー・書評

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  • 初の京極夏彦さんです。大抵の本は、始めの10〜15ページ位で肌に合うかどうかが分かるんですが、この作品だけは良い意味で覆され、読む程にどんどんのめり込んで行けました。この世界観嫌いじゃないです。

  • 『言われなくちゃァ気がつかねえような男だった』
    『言われて解りゃ上等サ』

    『心の臓が脈打った。』

    『無駄な殺生などという言葉を吐く奴の気がしれない。殺生に無駄も有益もない。ひとごろしはどんな時でも人殺しで、それ以下でもそれ以上でもない。』

    『人様の本性が汚れてるなァ承知してるぜ。でもその泥だか糞だか判らねえ薄汚ェモノがよ、皮着て色塗ってべべを着てよ、精一杯綺麗な降りして暮らしてるンじゃねェか。剥いで殺いで正体見せたって愉しくも嬉しくもねェ』

    『人間は皆一緒だ。自分を騙し、世間を騙してようやっと生きてるのよ。それでなくっちゃ生きられねェのよ。汚くて臭ェ己の本性を知り乍ら、騙して賺して生きているのよ。 だからよ ー 無理に揺さぶって、水かけて頬叩いて、目ェ覚まさせたっていいこたァねえ。この世はみんは嘘っぱちだ。その嘘を真実と思い込むからどこかで壊れるのよ。かといって、目ェ醒まして本物の真実を見ちまえば、辛くッて生きちゃ行けねェ。人は弱いぜ。だからよ、嘘を嘘と承知で生きる、それしか道はねえんだよ。』

  • まあまあ面白かった。色々な妖怪の話を解き明かす仕組み。

  • 弱きを助け、悪者は成敗する。


    少し過去に何かありそうな4人組が、あなたの恨みや哀しみを晴らしてくれます。丸く収まるように、あの手この手を尽くしてくれます。
    そのため時には狸になることも…

    とにもかくにも、仕事は完璧。人柄も良好。こんな4人にあなたの恨みを託してみませんか?


    ただし妖怪話が絡んでないと仕事を引き受けてくれないかもしれません。

  • 2012.Jan.30
    事触れの治平、小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、物書きの百介が、各章、一つの妖怪噺になぞらえて、悪人制裁を加えていく時代小説。

  •  桃山人夜話の妖怪達に沿ったテーマで繰り広げられる、復讐屋のお話。江戸でミステリーをするという背景が新鮮でした。百鬼夜行シリーズを読み慣れていると、どうしてもどんでん返しや薀蓄が弱い気が・・・。京極氏の話は長編の方が好きだと再確認しました。

  • @hanahanapopyさん

    京極夏彦の『巷説百物語』です。芝右衛門狸の話がお気に入り。

  • 私にとって初の京極作品、初の時代小説。一連の事件の場面はぞくぞくしながら読め、次に種明かしで成程と思う。読者は百介さんと一緒にハラハラ。1話1話が立っていて読みやすい印象。

  • 京極堂シリーズと根本は同じ、みたいな。
    妖怪が好きで 妖怪やら百物語なんでドロドロしたものを題材にしていながら
    「そういうものは実際に存在してるわけじゃないのですよ」
    人間が本当にいると思ってはじめてそこに存在するという、いつもの理論で。

    でも物語は物語で非常に面白い。
    一話完結のようで、微妙につながっているし
    とにかくキャラクターにすごく魅力があるのです。

  • 『妖怪小説』の第一人者かつ、最高の書き手である京極夏彦さんによる
    中編連作シリーズ。

    時は江戸時代。
    果たせぬ想い、遣る瀬無い気持ち、恨みつらみや悲しみや憎悪。
    小股潜りの又市、事触れの治平、山猫廻しのおぎんの小悪党が
    口先八丁騙り目くらましの、あの手この手を使って
    それらを丸く収める。

    それらを全て妖怪の怪奇話にして解決するという、京極ワールド全開。

    と、シリーズをザックリ説明して気付いたが、
    私は京極さんの、華々しいデビューシリーズかつ代表シリーズである
    『京極堂シリーズ』より、この巷説百物語シリーズの方が好き。

    その安易な理由として、まずは中編だから読みやすい。

    安易。
    だけど大事。

    なぜなら、京極さんは言わずとしれた『漢字の多い文章』を得意としている作家さんで、
    それが長編となると読んでいて疲れる事があるからだ。
    しかも、京極さんの長編とは並大抵の長編ではないし。

    ところがこの巷説百物語シリーズは、中編で話がどんどん進むから、勢いよく読める。

    怪異や変事が起こる毎に、それを妖怪怪奇談に見立てる。
    そして、又市、治平、おぎんが『仕掛け』を作って解決する。
    いや、解決すると言うより、「みんなが納得が行くように丸く収める」といった感じ。

    その解決への『仕掛け』が、非常によく出来ている。
    奇想天外ながら、 緻密。
    話を聞いて「ははぁ」と感心してしまう。

    そして、その『仕掛け』にどっぷりと嵌りつつ片棒を担いでいる百介も、
    『京極堂シリーズ』のあるキャラを連想させる。
    京極ファンなら、すぐピン!と来るでしょ?

    色々と『京極堂シリーズ』と似ているが、このシリーズは中編であるので、
    『仕掛け』の解説がポンポンと進む。
    話がスピーディだ。

    怪異や変事が、煙に包まれたように解決する。
    それを『仕掛け』ている 又市の賢さに呆気に取られ、おぎんの変幻自在っぷりに驚き、
    治平の技術に感嘆しているうちに、話が終わり、
    もっと3人の活躍を読みたくなる。


    また、ベースに流れる『人間の業』の暗さもあるにはあるが、
    『京極堂シリーズ』よりは少ない。
    妖怪話なのに、カラッとしている。

    江戸モノ小説の定番として、勧善懲悪。
    全般的に、読後感がいい話が多いのだ。


    『妖怪版・必殺仕事人!』というキャプションを付けたい。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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