続巷説百物語 (角川文庫)

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レビュー : 189
  • Amazon.co.jp ・本 (765ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043620036

感想・レビュー・書評

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  • 巷説シリーズ2作目。又市ら小悪党が妖怪仕立ての仕掛けを使って厄介事を解決していく様はすかっとする。京極堂シリーズは不思議を理屈で解き明かすが、こちらは逆に不思議で丸く収める。今回は北林藩の祟りを払う「死神」が良かった。続く「老人火」も悲しくて良かった。

  • 再読。腕が痛い背中が痛い。それでも読みたいわけで、サロンパスのお世話になって読み終わりました。最後の大仕掛けの成功の裏には、悲しくてやりきれない思いが残って、又市さんやおぎんさんは向こう側へ行ってしまい、百介さんは寂しいことだろうな。江戸に帰ってどんな風に又市さん達を思い出すのだろう。

  •  無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても生き返るという極悪人の噂を聞く。その男は、斬首される度に蘇り、今、三度目のお仕置きを受けたというのだ。ふとした好奇心から、男の生首が晒されている刑場へ出かけた百介は、山猫廻しのおぎんと出会う。おぎんは、生首を見つめ、「まだ生きるつもりかえ」とつぶやくのだが…。狐者異、野鉄砲、飛縁魔―闇にびっしり蔓延る愚かで哀しい人間の悪業は、奴らの妖怪からくりで裁くほかない―。小悪党・御行の又市一味の仕掛けがますます冴え渡る、奇想と哀切のあやかし絵巻、第二弾。

    「狐者異」、「野鉄砲」、「飛縁魔」、「船幽霊」、「死神」、「老人火」

    とんでもない極悪人が出てくる。この極悪人を、八方丸く収める又市さんが、それなりに丸く収めるのですが、あまりにも極悪人なので、溜飲が下がりません。
    いや、それが、みんなにとって一番良い終末のつけかたなんだろうけれど。

  • 土佐あたりで聞く「七人みさき」の話から、平家の落人伝説なども絡めて、舞台は四国から北陸まで及んで大きな悪を絶つまでのお話でした。

    各章に別の妖怪のタイトルがついているんだけど、それらはすべて連続しているお話でした。
    京極さんのお話は、シリーズで読んでいかないとわからないものが多いね。

    幕府にいた大きな黒幕退治については、サラっと済まされていて、まぁいろんな人間関係が絡んだ「人間の悪」について描かれていました。

    でも、スッキリするお話じゃなかったなぁ…。
    そりゃ、悪い人間でもそれなりの生い立ちだとか、悪になってしまうかわいそうな部分とかがあるんだろうけれど、何の罪もないのにそういった悪いヤツに凌辱されて殺されていくたくさんの真面目な被害者さんたちが不憫でした。

    そういうのも含めて「妖怪」なのかもしれないけれど…。

    現実の社会でも悪人がそれほど懲らしめられずに、彼らが犯した罪よりも優しい刑に服して生きていくことに矛盾を感じるのに…。

    小説のなかではスッキリした世界をみたいかな。
    そういうタイプには向かないお話かも。

  •  やっぱり楽しいですね。巷説シリーズの続編です。
     又市さんがかっこいいですね。
     百鬼夜行シリーズの榎さんも人気がありますが、きっと又さんも相当人気があるんだろうなと思います。
     今回のお話は短編ですが、それぞれのお話が繋がっていました。
     それにしてもひどい。ひどすぎる。で、ちょっと考えてみました。
     の大好きなことをやめろ、してはいけない、でも大好きで仕方ない。そんな場合、自分はその欲望を抑えることができるだろうか。自分ならそれは本を読むこと。きっと我慢できなくて、ばれなければ、なんとかしてその欲求を叶えようとする。
     人殺しはちょっと違うとは思うけど、そう考えると少し怖いです。

  • 巷説シリーズ第二弾。
    連作短中編集の体裁を取っているこの、必殺仕事人シリーズ。
    中でも【続】は核となっており、各話に散りばめられた悲しみ憎しみが、最終話に収斂されていく様は本当に秀逸。

    百物語、というからにはまだまだ続いていくんだろうか。
    是非とも100話、描き切って欲しいです。

  • 巷説百物語の続編。 巷説百物語と時系列が絡み合っているので、又市、百介一行の動きを整理しながら読むと前後関係が面白い。 今回も仕掛けとして化け物をこの世に生み出し、人の無念を丸く収める鮮やかさに圧倒される。 最後の仕掛けである老人火は、残念なことに全然わからなかった。誰の立場にも立てないまま読み終えてしまい、残念である。けれども悲しい幕引きだったという印象は残っている。 いつか分かる日が来ると信じたい。しかし分かってしまうことが怖い気持ちもある。

  • シリーズ2作目。
    江戸時代末期を舞台とした時代小説です。妖怪や怨霊の仕業とされる事件の裏には、必ず人心を惑わす極悪非道な人間がいる。それを逆手にとって怪談話を装った仕掛けで悪を懲らしめ、解決してしまうという痛快なお話です。
    公に解決できない怪事件を、金で請け負い、片付けてしまうのは、ご存じ御行の又市一味。彼らもまた、お天道様に背を向け、世間の裏街道を歩く、スネに傷持つ日陰者たち。けれど、彼らはけっして弱いものいじめは致しません。大悪党を小悪党が懲らしめるという筋書きが面白いですネ。そして、小股潜りの又市をはじめとする、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、御燈の小右衛門など、キャラクターの設定も魅力的です。人が人として生きることの業と苦悩も、しっかり描かれています。
    本書には、六つの物語が記されているのですが、前作と時間軸が入り乱れていることから、きっとシリーズ全編を読み通すと、すべての話がひとつに繋がるのだと思われます。今回はおぎんや治平、小右衛門などの悲しい過去も明かされます。筋書きの巧みさとテンポの良さで、一気読み間違いなし!!


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 言葉だけで、人間を操れることの恐ろしさと解っているのに引き込まれるもどかしさ。長いお話なのに飽きさせない。

  • 「妖怪使い」、小股潜りの又市が仕掛ける「怪談」の数々。とはいえ、ファンタジーではありません。つまり、構図は京極堂百鬼夜行シリーズと同じ。一作目同様、こちらも珠玉の京極ワールドでした。京極さんの小説はどれも言葉のリズムが本当にすばらしくて、文章を書くための自分の中のリズムを整えるのにとても効果的。しかも究極ののストーリーテラーですから、お話自体が最高におもしろい。しかも私の大好物(妖怪、怪異系)ばっかりでてくる。幸せすぎる。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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