後巷説百物語 (角川文庫)

  • 角川書店 (2007年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (802ページ) / ISBN・EAN: 9784043620043

作品紹介・あらすじ

文明開化の音がする明治十年。一等巡査の矢作らは、ある伝説の真偽を確かめるべく隠居老人・一白翁を訪ねた。翁は静かに、今は亡き者どもの話を語り始める。第130回直木賞受賞作。妖怪時代小説の金字塔!

感想・レビュー・書評

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  • 続巷説百物語が市内の図書館の蔵書になくて、一作飛ばして後巷説です。
    時代は、江戸から明治へと移り、妖怪話を集めてきた百介もすっかりご隠居となりました。
    そこへ、一人の巡査と仲間の若者達が、ちょっと妖しげな困り事があると、知識と知恵を借りに百介の元にやってくる。そこで、経験譚として若者達に妖怪話に含まれた人間の業を語り聞かせる。といった趣向。
    巷説の最後を飾る「風の神」。古式に則った百物語が繰り広げられる。百介が最期に恨みを晴らす一芝居。
    この本は、お厚めで少しずつ読んだんですが、切れ目がよくて、読み進めやすかったんです。後書を読むまで気が付かなかったのですが、見開きごとの文章のレイアウトにも気を配っているとか。こだわり感が凄い。

    百物語を経験した事が無くて、一度、D瓶さんの本棚でいかがでしょう。蝋燭の絵文字を誰かに作ってもらって。

    • おびのりさん
      こんばんは。
      いやいや、一週間かけました。
      なんと、京極先生は、文章を次ページにまたがない。製本が変わるとやり直すらしい。
      こんばんは。
      いやいや、一週間かけました。
      なんと、京極先生は、文章を次ページにまたがない。製本が変わるとやり直すらしい。
      2022/12/20
    • おびのりさん
      5冊くらい併読派です。
      5冊くらい併読派です。
      2022/12/20
    • 土瓶さん
      多いな(゚Д゚;)
      多いな(゚Д゚;)
      2022/12/21
  • 読む順番を間違えて「参」を先に手にとってしまいました・・・。「弐」までは一度読んでいるのでこちらは初見。「壱」の体裁でものがたりは進んでいるのかと思いきや参では物語の有り様が変わっており、百介を中心に話がすすむ。
    ところどころ百介の気持ちが語られるが壱で受けた百介の印象とは大きく異なり、葛藤が垣間見られる。最終話は不器用ながらも又市を模し自身を囮に一幕打ち予想外、想像以上の成果を挙げる。
    最後の1ページで百介の素の気持ちが知れたようで切ないような温かいような不思議な気持ちになる。

  • 明治十年。文明開花の音がするも時代は変われど人は変われず。
    北林藩の元藩士で貿易会社に勤める与次郎は、腐れ縁の仲間たちと一白翁と名乗る老人のもとを訪れるが。
    明治と江戸、二つの時代をまたぐ事件の結末とは……。シリーズ3作目、第130回直木賞受賞作→

    連作短編集。全二作と緩やかに繋がり、そして一つの時代が終わる。
    もうね、なんも言えん。読み終わって一週間経つけど、いまだに最後のページを開くとなんも言えなくなる。

    ただ、良かったなぁ、と。おそらくこれは、終わりの物語。一白翁の、そして「小豆洗い」から読んできた私たちの。→

    前作「続巷説百物語」のラストがあまりに突然だったから。
    又市や百介と一緒に旅をした私たち読者の気持ちの整理をつけさせてくれた、これは京極御大の優しさなんよ(と、勝手に思っている)

    いやもう、最高。「小豆洗い」を読んだ全ての人に「風の神」読んでほしい。最高だから。

  • 由良はあの鳥のやつですかね?
    和田はあの寺の関係のやつですかね?

  • 最終話が良すぎて鳥肌たった。
    百物語にはじまって百物語に終わる。

    百介が最後まで百介で、そこがとてもよかった。
    繋がりは、なくなってはなかった。
    きっと彼らは、いつも見守ってくれていた。

  • 「化物っていうのはつくりものですよ。江戸の人は知っておりました。皆、知っておりましたよ。信じておりませんよ。誰も。<承前>嘘をね、嘘と承知で信じ込むしか健やかに生きる術はないんだ。煙に巻かれて霞に眩まされてね、それでもいいと夢を見る、これは夢だと知り乍ら、知ってい乍ら信じ込む」世間の常識とは全く逆の「幸福」の形を描くその魅力はここでも健在。夢も見つづければそれは真実。辛く哀しいこの世の中で、そんな生き方を否定する必要がどこにある。百物語で始まったこの物語は、百物語で幕を閉じる。いいラストだった。

  • シリーズ第三弾。

    明治に入り、「一白翁」と名乗るようになった山岡百介のもとに、一等巡査の矢作剣之進、その元同僚である笹村与次郎、洋行帰りの倉田正馬、剣術指南の渋谷惣兵衛の四人が、奇妙な事件を持ち込み、百介が若いころに体験した出来事を彼らに語り聞かせるという形式で物語が進んでいくことになります。

    文明開化の波が押し寄せる明治の日本に、怪異の背後に人びとの複雑な心のうごめきがひそんでいることを何度も見てきた百介の知恵が、生き生きとした語り口調によってとどけられるという仕掛けにうならされました。

  • 百物語シリーズ3作目です。
    時代は幕末から明治へと変わり、御行の又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平らが登場することはありません。かれらの過去の活躍が、思い出として語られるだけです。けれど当時の仕掛けが時を経て、明治の世へ引き継がれていたりもします。
    語り部である山岡百介もすっかり歳をとり、本書では一白翁と名を変え、薬研堀で隠居暮らしをしています。時が流れていくということは、寂しいものですネ。
    この世は、辛く悲しいものです。ですから人は自分を騙し、世間を騙しながら、嘘の中でなんとか生きているのです。この世はすべて嘘だらけ。その嘘を本当のことだと信じ込んでしまったら、いつかはきっと破綻してしまいます。けれど、嘘を嘘だとしてしまえば、それはそれで悲しく、辛く、生きてはいけません。だからこそ嘘を嘘と承知で信じることしか、健やかに生きていく術はないのかもしれません。騙し騙され、それでも良いと夢を見る。人は誰しも、夢を夢だとわかっていながら、夢の中で生きているのかもしれませんネ。



    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 地震の日に泊り覚悟の夜明かし本として買ったもの。一話目は、まさかあんなことになっているとは知らずに読みふけっていました。。。
    なんだか、これまでの巷説のなかで一番好きかも。
    百介さん、アニメの印象が強いけどどんな爺さんになったんだろう~??
    爺ぶりもなかなかでしたが、いつもの見ててハラハラする百介ぶりが最後にチラッと見えて、少しほっとしました。

  • 少し趣向が変わって、時代は現代に近づく。なんとここで百鬼夜行シリーズとつながってしまうとは。加えて素晴らしいのが小野不由美による解説で、百鬼夜行シリーズのファンも是非とも読むべき。

  • 再読

    若者4人のキャラが立たず、導入がつらかった。
    江戸の雰囲気、仕掛けの巧妙さは愉しい。

  • お話の筋や仕掛けやあれやこれやは好きなんだけど、与次郎達4人の会話に苛々してしまって、読み進めるのに苦労してしまった。
    でも好きですよ。
    由良家の発端を知れるところが良い。
    あと、和田智弁ね。
    又市はスーパースターであり元凶でもある‥。

    百介さんは、又市さん(達)のことが本当に、好きで好きでたまらなかったのね‥。
    なんだか切なくなってしまった。
    それ以外のことは重さも厚みもない、そういう体験をしてしまったら、仕方ないのかな。
    小夜さんを託されて良かったね、百介さん。

  • あれから◯年後・・・


    時代を感じられるのが面白いです。文明開化の後の、武士の時代から明治へ、妖怪が当たり前にいそうな江戸時代の終焉。

    懐かしい人、懐かしい名前。
    若者たちがわいのわいのと騒ぐのを丸く収めるあの人の懐かしい感じがいい。

  • 『続』の方が話としては面白いのですが、こちらにはまさかの仕掛けが施されています。

    京極夏彦の作品全ての、契機になっている作品で、これを読まないと髄まで愉しむ事が出来ないのです。
    本編自体も、必殺仕事人的面白さは健在で単体で読んでも十二分に楽しめますが。

    このシリーズ程、続編が読みたいものはない。

  • 大好きになったシリーズ。切なすぎる最後だったけど、きっと山岡百介さんは幸せな生涯だったと思う。小夜ちゃんの口調がおぎんさんに似ていたからきっと、、って思って読み進めたらやっぱり。「道を通せば角が立つ。倫を外せば深みに嵌る」又市さんの存在が百介さんにどれだけ大きな存在となってるのか苦しくなるくらいの想いがつまっていた百物語の最後でした。

    • hs19501112さん
      「百物語」のシリーズ、おもしろいですよね。自分はこれをきっかけに京極夏彦に興味をもちました。
      「百物語」のシリーズ、おもしろいですよね。自分はこれをきっかけに京極夏彦に興味をもちました。
      2017/09/08
  • 明治の初め、怪しい相談を持ち込む若衆4人組に対して、枯れた隠居が自らの体験談を語る物語です。

    前作までとは案内役が異なるため、当初4人の内誰の台詞か分かりにくかったり、本題に入るまでの下りや蘊蓄が長いなど、多少テンポが悪い気がしました。

    他方本作は単なる殺人狂や色狂いのような極端な悪役が少なく、しかし最終話のみはその前作までを思わせる悪役により物語を締めるという憎い演出でした。

    また神仏や占いが未だ生き続ける現代を見据え、どうにもならない問題や生き辛さに折り合いをつけて生きることの意義にまで踏み込んだ本作は更に深みを増したと言えます。

    読者と一緒に旅をし、最後の最後まで読者と一緒に騙されてきた百介との別れは寂しいものですが、次の世代への希望が描かれたのは救いとなりました。

  • あれは又市の仕掛けだったのか。でも、もう会えないと思うと淋しい…。

  • 巷説百物語、続、後、と読んできて、こんなの濃密ラブストーリーかと思ってしまった。良すぎました。

  • 何の情報も持たずに読み始める。短編集かと思うがそれぞれの章は繋がっていて最後にまとまる。前半はつらかったが後半は一気に読んだ。若者が議論をして老人に答えを聞きに行くという形式は「黒後家蜘蛛の会」を彷彿させる。

  • 幕府が倒れて近代合理主義が人口に膾炙した明治10年、年老いた山岡百介の元に脂ののった矢作剣之進たち御一行が「不思議」な話を持ち込んでくる
    明治の世に妖怪たちはどういう振る舞いをするのか
    悲しく辛いこの世でどう人は生きていくのか

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく・なつひこ):一九六三年北海道生まれ。九四年『姑獲鳥の夏』でデビュー。同作を含む〈百鬼夜行〉シリーズで人気を博す。九六年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。その後も泉鏡花文学賞、山本周五郎賞、直木三十五賞、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞を受賞。〈巷説百物語〉シリーズ、〈豆腐小僧〉シリーズなど著書多数。

「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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