前巷説百物語 (角川文庫)

  • 角川書店 (2009年12月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (754ページ) / ISBN・EAN: 9784043620074

作品紹介・あらすじ

江戸末期。双六売りの又市は損料屋「ゑんま屋」にひょんな事から流れ着く。この店、表はれっきとした物貸業、だが「損を埋める」裏の仕事も請け負っていた。若き又市が江戸に仕掛ける、百物語はじまりの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 上方から江戸に流れてきた双六売りの又市は、縁あって損料屋「ゑんま屋」の裏の仕事を手伝うことになる。
    若き又市が、渡世仲間達と「損を埋める」仕掛けをしていくうちに裏稼業を牛耳る強敵に絡め取られることになり……シリーズ4作目にしてはじまりの物語。

    若き日の又市があまり好きになれず、前半は少しペースダウンしたけど、物語が繋がりだす後半は一気読み。
    最終話はこのシリーズあるあるの苦しく切ないお話。
    江戸時代、という時代背景がより一層ツラい。でも、おそらく現代にも通じるものがある。「信仰」が出てきたあたりでゾクリとした→

    全編通じて志方兵吾と手下の万三が好きすぎた。この2人が出てくると場が和んで良き。おそらく探偵小説の刑事的立ち位置?
    あと、長耳の仲蔵もいいし、山崎の旦那もいい。久瀬先生と又市が話してるシーンとかずーっと聴いていたい。

    次巻は林蔵が語り手らしい。楽しみ。

  • すっごい面白かった~~~~
    久しぶりに京極作品読んで、
    怪しい世界にどっぷり浸かりました。
    分厚いですけど、いろんな人にオススメしたい!

  • 最高!面白かった〜
    切ない読後感。旧鼠が「続巷説」の狐者異、「まだ生きるつもりかえ」というおぎんさんの言葉につながると思うとシリーズ構成の旨さに震えるし、犠牲になった宗右衛門さんに思いを馳せてしまう。

    御業の又市になる前の損料屋時代の話。
    若い又市もとても良い。本当に青臭く書かれているのがすごい。又市の御業乞食の原点がここにあった。

    読みやすい美しい文章はもちろん構成やキャラクター作りの旨さ、事件の面白さでぐいぐいその世界に引き込まれて物語に没頭してしまう。是非、初めは時系列ではなく刊行順に読み進めることをオススメ。極上の余韻と京極先生の職人技に浸れるはず。

    京極先生の本はレンガ本とか言われているけど面白すぎていつもあっという間に読了してしまうから分厚さに怯むことは一切ないな。

  • 目次
    ・寝肥(ねぶとり)
    ・周防大蟆(すおうのおおがま)
    ・二口女(ふたくちおんな)
    ・かみなり
    ・山地乳(やまちち)
    ・旧鼠(きゅうそ)

    又市がまだ願人坊主になる前の、双六売りだったころの若い頃の事件いろいろ。
    飄々とした又市ではなく、青臭くて理想の前で右往左往したあげく、自分の至らなさに打ちのめされる又市。
    ああ、だけど。
    青臭い又市、嫌いじゃない。

    妖怪の仕業としか思えない怪事件を、人の所業と断じるのが京極堂なら、人と人とのやり取りなら収拾がつかなくなるところを、妖怪の仕業にして丸く収めるのが又市なのである。
    神も仏も信じやしない又市が、何故妖怪を引っ張り出すのかというと、とにかく人死にを出したくないから。
    誰かのせいなら恨みが残るところを、妖怪のせいにすると「しょうがねえなあ」とあきらめもつく。
    善だ悪だ、損した得したを言い続けても詮無いところを、妖怪を出すことによって、力業でフラットに押しつぶす。

    百介と出会った頃は飄々とした風情ではあったけれど、百介と一線を画していたのは多分、好奇心でキラキラした目を向ける百介の心に、自分と同じ繊細さを感じていたからだと思う。
    そして、関わった人たちをいつまでも遠くから気に掛けていたのは、つい目を離した時に敵の手に落ちてしまったおちかの件があったからなんだ。
    又市よ、最後まで青臭いじゃねえか。

    双六売りの又市が、いつ小股潜りを名乗り、御行の又市になったのか。
    多くの仲間を失い、関係のない人たちを巻き添えにした痛みを抱えてなお、敵にも味方にも人死にはなるべく出したくないという又市の青臭さ。
    軽口の裏に隠された彼の真情が、このシリーズの通奏低音となっているのだと思いました。

  • 【2025年124冊目】
    双六売りの又市が出会ったのは損料屋のお甲だった。その青臭さが良いと言われ、損を引き受ける一派の手伝いをするようになった又市だったが、裏の世界とは一線をかしてはいた――のだが、死んだはずの男が暗躍をし始め、損料屋にも魔の手が忍び寄り……小股潜りの又市が御行の又市になるまでの物語。

    一言で言えば面白かったけど、めちゃくちゃ切なかった……。京極堂シリーズよりも、ある意味生き死にに容赦がなくて、連作短編集なので前編まで笑ってた登場人物があっさりと退場してしまったりして、泣く暇も与えてくれなかったり。前日譚ではあるので、多少なにかあるとは思ってましたけど、とにかく切ない。

    子どもが手を下すところが一番きつかった。あの子はどういう大人に育ってしまうんだろう。殺された側よりも、手を下した頑是無い子の方が恐らくはきついはず。どこかで回収されて欲しいという気持ちもするんですが。

    一作目が御行の又市になってからの話なので、今作を読むと「また改めて読み直すべきか」と思わせてくるのが狡いですね笑 そして相変わらず気軽に読める分厚さじゃないという。勧善懲悪の痛快さだけではない、人間の泥臭さが存分に描かれてて、これまた京極堂シリーズも読み直したくなってくるんだから不思議です。

    シリーズの続刊の中で「覗き小平次」を現時点で読めていないので(過去に読んでるかもですが覚えてない)こちらも読まなくてはと思いました。

    しかし、本当に切ない。

    ――
    初読:2012年11月1日以前

  • ありし日の又市がちゃんと正義漢で格好いい
    若い百介、おぎん、小右衛門、などなど
    色々繋がってきました

  • 再読

    若い又市さんが、何とかしようと足掻いていてせつない。

  • 若い頃の、まだ青臭さの残る又一さん最高。
    最後はみんなばらばらになって、切ない。

  • 『巷説百物語』の前日譚として、又市が小股潜りではなく双六売りの時のお話
    人情がありつつも、京極先生らしく無慈悲なところもあり現実感が演出されていて面白かった
    まだ信念が出来上がっておらず「青臭い」ころの又市が見れたのも良かった

  • 感動しすぎて、これは夢に出てくるな

  • 今回も素晴らしき作品でした。
    若き日の又市。まだ、仕掛けが甘く隙があれど、それでも強い思いを持っているのが読み取れます。この若き日の話がこの先に繋がってくるのかと思うと本当に面白い。前3作とはまた違う意味で面白かったです。はらはらするというか、なんというか。

  • 無印、続、後、と読んできて、今までで一番エンタメ!て感じでピチピチでチャキチャキでイキがいいお話だった。
    又市さんがとにかくカッコよくて若くて元気で悩むし苦しむしでも前を向いててほんとにカッコいい。ここを経てからのあの又市さんなんだなあってすごい勢いで納得してしまう。
    百介先生もチラッと出てくるのが嬉しいやら「後」を読んだばっかりなだけに泣けちゃうやら。
    山崎さんのこと嫌いな女子とかいるんですか?いません!!!いま!!!!せん!!!!!!!
    もう一度無印のお話を読み返したくなりました。
    毎度終わり方が美しくてため息がでるんですが、今回は又市さんがすごいキラキラして見えてカッコよくて震えました。実写化できるもんならしてみろよ!!!無理だよ!!!!!

  • 『了~』に向けて。 おそらく本作から初読の筈。 まだ青い又市と仲間たちとの出会い、別れ。 いつになく爽やかな連作と思っていたところで終盤の2編。 まさか若かりし頃の又市と"祇右衛門"の対決が見れるとはね…。 ということは当然おぎんさんも出てくるし、チラッと考物の百介まで現れたりファンサービスも充実していて大満足です。

  • 再読。
    『病葉草紙』を読了した後、気になって読み返した。
    前半はとても楽しく読めたんだけれど、後半がね……もう、人が沢山死んじゃうので、痛々しい感じになってしまう。
    切ない……
    シリーズ読み返そうかなあ……

  • 切ない。
    読み終わった後の無常感……

    又さん林さんコンビが好き。

    青くても何とかしようと悩んで足掻いてる又さんの姿は、なんというか、読みながら応援してた。


  • 久しぶりの百物語シリーズ。
    久しぶりすぎて前作の内容を思い出せない。シリーズものを記憶できなくなってきたのは年かもしれない。一気読みしたほうがいい。
    巷説百物語につながるのでどうなるかわかってはいるものの。呪術2期と同じでちゃんと楽しめる。又市が相変わらず照れ屋で優しくていいやつ。
    自分は散々青臭いと言われてきても、百介には絶対言わないところが優しい。
    そんな又市の青春が見られます。

    何度も書くけど、一作目の潔さが1番好きです。登場人物への感情移入はそこそこでいいのよう。でも続き読みますけどね。
    夏なので京極夏彦どんどん読みます。

  • 2度目の読了なのに
    全く覚えがなかったので
    とにかく新鮮に読めた。
    こんなに面白かったっけ?

    京極夏彦の作品は京極堂シリーズから入ったので、
    時代もキャラクターも全く違うこのシリーズは面白くないって思い込んでいたのかな。

    ただ、最後の話はいただけない。
    人が死にすぎる。

    そこだけが残念。

  • 2021.10再読 若い!

  • 若い又市よかった。
    昔の失敗って言ってた真相とかわかって、シリーズの中でもかなり読み応えあり。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく・なつひこ):一九六三年北海道生まれ。九四年『姑獲鳥の夏』でデビュー。同作を含む〈百鬼夜行〉シリーズで人気を博す。九六年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。その後も泉鏡花文学賞、山本周五郎賞、直木三十五賞、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞を受賞。〈巷説百物語〉シリーズ、〈豆腐小僧〉シリーズなど著書多数。

「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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