世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)

著者 : 森達也
  • 角川書店 (2006年7月1日発売)
3.74
  • (41)
  • (64)
  • (73)
  • (4)
  • (3)
  • 本棚登録 :453
  • レビュー :61
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043625031

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 森達也さんは、切れ味鋭いとか、客観的でわかりやすいとか、そういう表現者じゃない。逡巡し、矛盾を抱え、右往左往している。そしてときに感傷的だったりもする。だから私は彼のことが信頼できるんだと思う。
    世の中の出来事は、善と悪、賛成と反対という二項対立で割り切れない複雑なことで溢れてるから。
    森さんは他者への想像力をめぐらせ続け、同時に一人称で思考し表現し続ける。誰かが使った言葉ではなく、自分の言葉で。
    ドキュメンタリーが客観的で事実そのままだというのは嘘だという。ドキュメンタリーこそ主張がある、主観的な表現物(であるべき)だと。なるほどねー。ほんと、そうだわ。
    「A」を観たという高校生に沖縄で声をかけられたエピソードは良かった。

  • 一人称で語り続ける稀有なジャーナリスト、森達也のアンソロジー。でも、朝日や週刊金曜日のもつ定型性や暴力性はスルーなの?立ち場を持つ思考停止のかたちと揺れ?

  • 少し、勘違いをしていたみたいだ。

    わたしは彼のことを、時事問題を新たな視点から
    論じてくれる評論家のような人だと思っていた。
    しかし、実際の彼は映画監督であり、
    それ以上でもそれ以下でもない、という意識で
    文章を書いているようだ。

    だからこそ、失礼だとは思いながらも言わせてもらえば
    この本は世の中に出版するものにしては、
    テーマに対して考え方や内容が稚拙である感が拭えなかった。

    それでも、この本が売れているということは、
    共感する人たちがいるということなのだろう。

    何も考えていない人が、新たな気づきを得るために
    読む分には良いかもしれないが、そうでない人には
    浅薄な考えをただ並べたものにしかみえないのでは
    ないのだろうか。

    わたしは著者の考えが他人とずれているとも思えないし、
    彼のように考えている人は寧ろ多いと思う。
    大多数の人は、安易で一見わかりやすく語りかけてくる
    著者のことばに、手放しで賛同してしまうのだろうか。

    もしそれが事実であるならば、怖ろしくて考えたくもないが
    世界は既に思考することをやめている。 

  • 世界が完全に思考停止、したのか。

    単行本としては2004年に出たもの。著者が警告した世界になっているのではないか。思考停止しているのではないか。「一人称の主語」から離れ、「我々は」「私達は」「我が国は」で語っていないか。悪を罰することを楽しんでいないか。不特定多数の主語となって、正しくない人や物事を裁いていないか。この人のことばは、きっとますます忌避されているだろう。でも著者が、この世界にいる限り、私も「私は」で考えたい。私がどうするのか。

  • 著者の本は好きです。

    が、これはあんまり好みじゃなかった。

    多分、時系列でエッセイをまとめたものでなんか物足りなかった。

  • なんでも、かんでも、反対ばっかり。
    死刑反対、オウム 北朝鮮 擁護、でイヤな感じ。
    私の中では、小田嶋隆さんを同じようなくくりにしています。でも、小田嶋さん方が明るい、シャレが効いてる。
    と思って読んでましたが、途中でプロレス好き、であることを知りました。
    その事だけで、前言を撤回して、森さんを大好きになりました。

  • 同著者の「下山事件」は私には難しくて最後まで読めなかったが、こちらは数ページのコラムがたくさん入ったものなので読みやすく、また著者の考え方の特徴を知ることができた。

    内容に同調できる部分とできない部分があったということは置いておいて、書き方が弱気だと思う。

    自分は大した人間ではない。
    自分の意見が全く正しいとは思っていない。

    といった自虐が、随所に書かれており、なんだかんだで批判や人の目を気にするタイプだなと感じた。

    追記:
    >森達也さんは、切れ味鋭いとか、客観的でわかりやすいとか、そういう表現者じゃない。逡巡し、矛盾を抱え、右往左往している。そしてときに感傷的だったりもする。だから私は彼のことが信頼できるんだと思う。

    というレビューを書いている人がいて、納得した。
    なるほど、そうかもしれない。

  • アザラシの命の尊さを声高に叫びながらホタテの命をゴミのように扱ったり、在日外国人に選挙権を与えずにアザラシに住民票を交付することの矛盾に対して、不感症にはなりたくない。

    考えさせられる。

    四半世紀以上生きてきて、まだまだ知らないことがたくさんある。

  • 世の中納得いかないことだらけで、嫌なニュースが溢れていて、多くの人が怒っていて、そのことについて私自身も色々な思いを抱くにもかかわらず、うまく言葉に出来ない。けれど、主流に流されずに、とりあえずそのモヤモヤを自覚すること、首を傾げることだけは止めちゃいけないと思った。
    この本を読んでいるとなんだか涙が出そうになった。この世の中を形成しているのは、「あの人たち」とかじゃなくて「私たち」だから。

  • はじめて読んだのは高1の時。
    自分達の選んだ党の党首、首相が決めたことは選んだ自分達にも責任があるという考え方は大変センセーショナルだった。政治参加はなんて重いことだと関心した。今でもよく読む。社会参加への思想の根幹。

全61件中 1 - 10件を表示

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)のその他の作品

森達也の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)に関連する談話室の質問

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする