勝負の分かれ目(下) (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2002年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784043628025

作品紹介・あらすじ

「小説書きの側からすると、男と女の深淵に迫るというのではなしに、どうやったらこんなに素晴らしいものが作れるのかと、唖然とする」。後に直木賞作家になる白石一文はこの本のゲラを最初に読んだ時、こう著者宛ての手紙にしたためた。

 記者クラブの自由化、通信の自由化とともに、日本経済新聞のカネを生む端末QUICKに一挙に苦境が訪れる。ディーラーが株や通貨の運用を分析する端末から始まったブルームバーグがニュース帝国を築き、ロイターはついにサイバー空間上に為替市場をつくりだした。カネがカネを生むマネー資本主義の成立に翻弄されながらも、世紀のスクープに挑む記者たち。不朽の名作完結編。

第13章  カジノか、ジャーナリズムか
ロイター・モニターの次のステップは取引の執行だった。が、ひとりの編集幹部が異議を唱える。これはカジノだ!

第14章  進出
国内市場に乏しいロイターは、早くから国際市場を開拓していった。日本はその最大のターゲットであった

第15章  黄金の八〇年代
日経の総合情報化路線は、森田康の社長就任で花開く。通信社機能を持ち、国際市場に打って出ようとする森田

第16章  森田失脚
総合情報化路線をひた走る森田日経にスキャンダルが炸裂した。森田が語った最初で最後のリクルート事件始末

第17章  バブル崩壊
バブル崩壊で縮む東京の証券市場。しかし、日経QUICKの放埒な投資は止まらなかった。暗い凋落の予感が……

第18章  金融からジャーナリズムへ
米国の金融革命はまったく新しいタイプのメディアを生んだ。ソロモン・ブラザーズのトレーダーが興した新通信社

第19章  兜倶楽部開放
第20章  試練
第21章  記者たち

第22章  東京三菱銀行合併スクープ異聞
専門情報か。スクープか。記者たちは苦悩する。激しい電子メディア戦争のなか、最大級のスクープに挑む記者たち

第23章  愛する者のために
一刻も早く市場へニュースを。自由化と技術革新による競争の激化で、記者たちは極限状況におかれる。壮絶な戦死

エピローグ
政治が経済を屈伏させていた時代から、経済が政治を屈伏させる時代へ。往復運動をしながらも歴史は作られていく

文庫版特別書き下ろし
インターネットはロイターを無にするのか? 急落する株価にロイターは重大な決断をする。登場人物たちのその後

解説 外岡秀俊  空前の規模で描くメディアの変貌

みんなの感想まとめ

金融情報が生み出す新たな時代の中で、メディアの役割とその葛藤を深く掘り下げた作品です。下巻では、日経新聞やブルームバーグ、ロイターなどが絡む激しい競争の中で、記者たちが直面する試練や苦悩が描かれていま...

感想・レビュー・書評

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  • 上巻にもまして激流の下巻でした。上下ともに圧巻。下巻の縦糸と横糸は日経新聞とブルームバーグか。上巻の時事通信社とロイターも絡んでいきます。金融情報がマネーを生み出す時代に突入、メディアは取材報道という第三者的存在と市場の重要なステイクホルダーという立場の狭間で煩悶します。そもそもは新聞という社会のインフラのような公器が、利益追求を使命とする私企業である、という存在の持って生まれた難しさなのかな、と思いました。ちょっと本書からは外れるけど、今回のコロナ禍で新自由主義的経済への疑念を多くの識者が語っていますが、ニューノーマル時代の新聞の役割も大きく検討されるべき、なのかな…なかなか読了後、感想が書けなかったのですが、ニューヨークタイムズの新しいCEOが49歳広告出身の女性というニュースに接し、それぐらいの変革が「勝負の分かれ目」と「2050年のメディア」を繋ぐのかな、と感じ、先延ばしにはできないかな、と。そう、やっぱり、新聞っておじさんくさいんですよね。

  • 下巻。
    金融のダイナミズムを知ることができるとともに、新聞記者にはわからない通信社記者の苦労など、かなり幅広い面が深く掘り下げられて描かれている。筆者の取材能力の高さが読み取れる。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。アルツハイマー病の研究の歴史について、2000年代から興味を持つ。日・米・欧の主要人物に取材し、研究者、医者、製薬会社そして患者とその家族のドラマを積み上げる形で、本書をものした。1993年コロンビア大学ジャーナリズム・スクール国際報道上級課程修了。著書に『アメリカ・ジャーナリズム』(丸善)、『勝負の分かれ目』(KADOKAWA)、『2050年のメディア』(文藝春秋)がある。慶應SFCと上智新聞学科で「2050年のメディア」の講座を持つ。

「2021年 『アルツハイマー征服』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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