えっちな気持ち (角川文庫)

著者 :
制作 : やまだ ないと 
  • 角川書店
3.35
  • (5)
  • (4)
  • (23)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 74
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043635030

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 少し前から興味のあった人。
    29才で急逝なさってしまい、ますます気になって読んでみました。

    それで、感想。
    やはり、心を減らしているんだな、風俗の女の子達。
    それでも、自分で選択したのなら、
    お互い(私は風俗の事なんて不明だけど)、頑張りましょう。

    作者さんの事を少しネットで調べたけれど、
    心不全でなくなったのだそうだね。。。
    心とともに身体も磨り減らすのね。。。。。。

  • 作者の投影25人。

  • どうせあいつはもうあたしを指名しないだろう。
    イメクラ嬢と本番行為をすることに価値を見いだす客たちにとっては、「やれない女」は好きになれないし可愛くも見えないようだから。


    由香里は嘘つきだった。
    とてもわかりやすい嘘ばかりをわざと選んでついているようにも見えたが、あたしたちはみんな結構いい奴だった。
    ある日由香里は、出勤日なのに店に出てこなかった。
    「健也に女が出来たみたいで、なんか生きてるのがやーになりましたァ。もぉエスエム辞めるんで私物は捨ててくれていいでぇす。
    みんなによろしく!でも死んだりとかしないから、心配しないでくださいね……って、しないか」
    突然来なくなって三日くらい過ぎた頃、由香里から事務所に電話が入った。
    「あたし、自分が場の雰囲気乱して、嫌われてるのちゃんとわかってたから。わかんないほど馬鹿じゃないから。ごめんねって、それだけみんなに伝えてください」
    その日以降、由香里が事務所に出てくることも、電話がかかってくることもなくなった。
    彼女は死んだのだろうか?
    根拠はないが、あたしはなんだかそんな気がしてならない。
    なぜなら彼女は、大嘘つきだからだ。


    手首を切るとか、薬を大量に飲むとか、そんな中途半端なことあたしはしない。
    なぜならそういった方法で成功できる人は極めてまれであるからだ。
    あれは、「生きたい」人がとる行動だからだ。


    肩や膝、鎖骨に肋骨、骨盤のあたり。浮き出た骨を見ると安心する。でももっとシャープな身体になりたい。あたしはまだ太っている。
    デブは醜い。女じゃない。呼吸する生ゴミだ。
    贅肉はなんとしてでも抹殺しなければならない。


    男って判で押したようにみんな同じことしかいわない。
    聞いてこない。
    おかしくて馬鹿みたいで涙が出た。
    余計なことはなにひとつ頭に浮かばず、珍しく、ベッドに入ってすぐに眠れた。
    あたしは寂しい女じゃない。
    あたしは寂しい女じゃない。

全3件中 1 - 3件を表示

菜摘ひかるの作品

ツイートする