沈黙/アビシニアン (角川文庫)

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  • 角川書店
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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043636020

感想・レビュー・書評

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  •  『アビシニアン』に登場するエンマという少女は『沈黙』第二部で、薫子と公園で出会う中学生として登場する。『沈黙』から『アビシニアン』へと続く物語は終らない。

     愛猫が保健所に連れて行かれて絶望した少女、エンマは公園で生きていた愛猫と再会し、公園に隣接する森の中で猫との奇妙な共同生活をはじめる。一方、『沈黙』では薫子がアフリカに起源を持つ「ルコ」と称する音楽の存在を知り、その音楽の歴史を紐解くというストーリーである。どちらも奇妙で不思議な雰囲気をもつお話しだ。

  • 文学

  • 2003-00-00

  • 長編2作入り。
    染みる。

  • 前に読んだ13もそうでしたが、この人は神がかり的なものを描くのがすごくうまいです。
    別にオカルトとかではなく(宗教の要素はすこし含まれますが)。
    13は視覚、特に色で、沈黙は音、アビシニアンは匂い、かな。
    どれも文字にするのは難しそうなのに、かなり繊細に、迫力すら伴って描写されてます。うーん、うまい。
    アビシニアンの二人目の主人公が、私と同じく偏頭痛の持病もちでした。読みながら思わずそうそう、と頷いたり。

  • 「沈黙」と「アビシニアン」の関連ある長編の合冊。創作された音楽とネコの解放、文字の喪失。物語に着地点なんて不要なんだな、きっと。

  • 「ベルカ~」がすげえなぁと思ってから、そういや古川作品全くフォローしてなかったなぁと思いだし、まずは借りてみたこの本…

    なんじゃこのボリュームある文章。
    読んで噛み砕いて脳みそに入れ込むまでどんだけ咀嚼せなアカンねん
    丁度体調不良も重なってる時期でページ繰るごとにヘロヘロになるわ、読書力が衰えたのかと自己嫌悪に陥りかけるわ…

    「沈黙」はとにかく、文章の重厚さとそのわりについついスピードが上がってしまうリズム感に呑みこまれて、音楽と言葉に呪われた一族の物語、濁流荒れ狂う大河ドラマに溺れて息も絶え絶えになる感じを楽しんだ感じ。読後は息も絶え絶え

    「アビシニアン」はその濁流から派生する1本の支流。荒れ狂ってはないけど、たおやかに流れているように見える流れは意外にも分厚くて心地よい。こういう恋愛小説好きである、こういうグルメ小説好きである。

    久々に読み応えある小説読んだわぁって気持ちになった。
    これ2作収録する必要ないよ。1作ずつ分冊しても十分値打ちありやわ

  • 旋律のような文章。
    まるで小説ではないみたいだ。

    『沈黙』は音楽の観点から架空の歴史を紐解く壮大な物語。
    『アビシニアン』は幻想的で原始的な愛の形。

    『アビシニアン』に出てくる
    過去に陸上部に所属し、文章に囚われ、
    偏頭痛で生活を制限される男子が、
    自分のことかと思うくらいに似ている。
    ここまで繊細でも秀才でもないから共感はできなかったけど。

    古川さんも偏頭痛持ちなのかな?
    偏頭痛に悩まされて、その症状を文章で表現した作家は多いですが、
    古川さんの表現が自分の偏頭痛に一番近いような気がしました。

  • 2012/9/16読了

  • 初、古川日出男。すごい文章。
    眼前に、書かれたイメージが浮かび上がってくるような文章。テンポも綺麗。

    『沈黙』は音楽を軸にしている。のめり込んでいく過程が凄く丁寧で、気付いたら引き込まれている。
    沈黙を破るための歌声、音楽。沈黙と言う言葉に、あらゆるものが組み込まれている気がする。

    『アビシニアン』というのは猫の種類だそうで、これを読むまで知らなかった。
    アビシニアンが起点になっている。それは、恐らく死や愛、悲しみというイコンにも置き換えられる。
    だから、なんだか悲しい。けれど、とても素直な物語だと思う。

    両者とも、素敵な話。
    忘れそうになっている(又は忘れた)何かを、取り戻せる感じ。

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著者プロフィール

1966年生まれ。98年『13』で作家デビュー。『アラビアの夜の種族』で推協賞、日本SF大賞、『LOVE』で三島賞、『女たち三百人の裏切りの書』で野間文芸新人賞、読売文学賞。最新作は『ミライミライ』。

「2018年 『作家と楽しむ古典 平家物語/能・狂言/説経節/義経千本桜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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