アラビアの夜の種族 I (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 1504
レビュー : 151
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043636037

作品紹介・あらすじ

聖遷暦1213年。偽りの平穏に満ちたエジプト。迫り来るナポレオン艦隊、侵掠の凶兆に、迎え撃つ支配階級奴隷アイユーブの秘策はただひとつ、極上の献上品。それは読む者を破滅に導き、歴史を覆す書物、『災厄の書』-。アイユーブの術計は周到に準備される。権力者を眩惑し滅ぼす奔放な空想。物語は夜、密かにカイロの片隅で譚り書き綴られる。「妖術師アーダムはほんとうに醜い男でございました…」。驚異の物語、第一部。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろい。近代兵器を携えてフランスのナポレオンが攻め込もうとしているエジプトを舞台に、そのナポレオンに対抗する「災厄の書」を綴る夜の種族たちの物語。作中作という仕掛けがあることで、すんなりと現実世界から魔術が飛び交うファンタジーの世界に移行し、2つの世界を交互に行き来することで、次第に読者そのものを夢うつつの世界へといざなう。また、アラビアの世界という日本の読者にとってなじみが薄い設定でありながら、滑らかでどこかきざな日本語が読んでいて心地よい。そして邪神が意外とかわいいぞ。

  • 読書会のため久しぶりに再読。多分初めて読んだのは二年くらい前。やっぱり面白い、とまらない。


    ナポレオン率いるフランス艦隊にピラミッド会戦で敗れる直前のエジプト、ズールムッドなる夜の語り部が語るそれより遡ること約一千年上エジプトの奥地の国での物語。二つの世界が一つは時間が進むことによって、もう一つは語られることによって展開していく。

    魅惑の書物によってナポレオンを耽溺させ物語の世界に溺れさせる?本当に?って思っていたら実際にはどこにもそんな書物はなくて、その嘘を誠にするために語り部を探し出し夜毎話を聞いて本を作り上げていく。

    そこで語られる物語が面白くて魔法と冒険に満ちていて続きが気になって仕方ない…

  • アラビアの夜の種族I

    190304読了。
    今年17冊目今月2冊目。
    #読了
    #古川日出男
    #アラビアの夜の種族I
    恐ろしい。完全に脳みその全キャパ持っていかれた。まさに一気読み。
    続きが気になる。読み終えて茫然自失、それだけ世界に入り込んでいた。

    徹夜本と呼ばれるのも納得。

    事前知識を頭に入れずに読んだ方がいい。

    ブクログでも珍しく五つ星つけちゃう。

  • 普段読む小説とは違う意味で夢中になる本。翻訳本らしい。The Arabian Night-breeds が原作らしい。物語の中に物語(災厄の書)があって、その物語がぶっ飛んだファンタジーで、グイグイと引き込まれる、映画を見てるみたいに。ちょっと理解できないイスラム世界の言葉があり解説もあるが、分からなくてもどんどん読めるし楽しめる。

  • 「やばい。おもしろい。」


    途中、こうつぶやいた。自然と口から出た。
    それからはハイペース。

    このペースのままⅡへ。

  • うーん。

    大好きな読書サイトで宣伝されていたのですごく期待していて、それが悪かったのかな?
    そこまでは、って感じ。

    ストーリーは面白いし表現も文章も濃厚でくらくらくるのは素敵なのだけど。

    やはり通勤電車で読むのはまずいか。
    これは多分、しんとする図書館やあるいは木陰で、
    時間を忘れて贅沢に読むべきなのかもしれない。

  • いわゆる、アラビアンナイトの訳本?ということらしい本で、なんだかとても評価が高かったので借りてみました。
    ヨーロッパがアフリカに攻めてくることを知った貴族の優秀な下僕が、その対策として、読むものを破滅に導くとされる「災厄の書」を手に入れるために、語り部からの話を聞き取っている、という形で物語が語られます。
    1巻の物語の主人公は、大国の醜い王子様。蛇神を味方tにつけてこの世のすべてを支配したものの、最後は蛇神に騙されていたことに気づいて、心中、って感じだったのでしょうか。
    途中まではあまり盛り上がらなかったですが、最後にかけてはちょっと面白くなってきました。短い話なので難しかったのかもしれないですけど、アーダムがどうやって妖術師になったのかとか、背景をもう少し深堀してほしかったような気も。

    全然話は違いますが、この物語にミスルという国の名前が出てきて、アルスラーン!!って思いました。

  • 「アラビアの夜の種族」第一部。
    エジプトにも侵掠の触手をのばすナポレオン・ボナパルト。かのナポレオン艦隊に対抗する手段は書物だった。
    夜の種族から譚られる「時間の砂にさらされ、その砂におのれの実相を験される」物語を編纂することになる支配階級奴隷アイユーブ。
    『災厄の書』
    アラビアンナイトの中で綴られる書は『0℃』に帰し、第二部への序章となっている。
    アラビアンナイトを知らない人こそ楽しめる本であることは間違いのないファンタスティックなファンタジー小説。

  • 魔力を帯びた本を、君は読んだことがあるか?
    活字にぶん殴られたことはあるか?

  • 大きな禍の噂が、遠くから伝わってくる。
    ナポレオンのエジプト遠征前夜。近代戦の体現者を迎え撃つため、まだかすかに魔法の残るエジプトでは「読む者に禍をもたらす書」が探し求められるが…
    舞台は明らかになったばかり、物語ははじまったばかり。どのような結末に向かうのか想像もつかない。
    変わった文字づかいも、意外とさばけた女神の口調もだんだんクセになってきます。長く楽しめそうです。

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著者プロフィール

1966年生まれ。98年『13』で作家デビュー。『アラビアの夜の種族』で推協賞、日本SF大賞、『LOVE』で三島賞、『女たち三百人の裏切りの書』で野間文芸新人賞、読売文学賞。最新作は『ミライミライ』。

「2018年 『作家と楽しむ古典 平家物語/能・狂言/説経節/義経千本桜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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