- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043636044
作品紹介・あらすじ
侵掠したフランス軍壊滅の奇策、「読む者を狂気へ導く玄妙驚異の書物」は今まさにカイロの片隅で、作られんとしている。三夜をかけて譚られた「ゾハルの地下宮殿の物語」が幕を閉じ、二人めの主人公がようよう登場する頃、ナポレオンは既にナイルを遡上し始めていた。一刻も早く『災厄の書』を完成させ、敵将に献上せねばならない。一夜、また一夜と、年代記が譚られる。「ひとりの少年が森を去る-」。圧巻の物語、第二部。
感想・レビュー・書評
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二冊目なのに三部に記録をつけてしまっていた…
「厄災の書」の語りは続き
第二の主人公、第三の主人公の話が続く
現実世界ではナポレオン艦隊がついに攻め入る…
現実側でじわじわと進行が進んでいるのだが、物語の語り中心に進むので読んでて「大丈夫かな?」と不安になる。
どうなってしまうのだろう…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二巻は、ズームルッドが譚る物語の第五夜から第十四夜までを収録。それと平行して、現実世界におけるナポレオン軍と総大将ラムード・ベイ(知事)率いるエジプト軍の戦闘が進展する(エジプト軍はナポレオン軍に圧倒される)。
ズームルッドが新たに譚るのは、アーダムが蛇神ジンニーアを地下ダンジョンに封印し眠りに入ってから一千年後のエジプト世界。ファラーとサフィアーンという二人の美形の若者が登場する。欠色(アルビノ)の孤児ファラーは、色々あって凄腕魔術師に成長。同じく孤児のサフィアーンは、こちらも色々あって霊剣使いの凄腕剣士に成長。二人は、蛇神ジンニーアの謀略により地下ダンジョンに吸い寄せられ、力を合わせ、純血の人間でありながら前人未到の魔力を有する妖術士アーダムと対決する。
とまあこんな展開なのだが、地下ダンジョン・阿房宮を巡る描写がとにかく冗長で…。独特の文体で読みにくいし、話の進みも遅いし…。しんどいなあ。
最終巻で、現実世界のナポレオン侵攻と、ファラーやアダーム(=魔王化したサフィアーン)の存在がどう繋がっていくのだろうか。 -
第二部(Ⅱ巻)読了。
ナポレオン・ボナパルトはナイル川を遡上する。圧倒的な近代兵力を持った侵掠者として。
迫る敵将に献上する書を編纂する(この小説の)主人公アイユーブ。奴隷の身分ながらも支配階級の切れ者は、夜の種族(語りべ)から毎夜紡がれる物語を編ませ続ける。
冷静かつ的確に戦況を観ながら、抜かりなく情報を集めながら。
夜の種族から語られる物語の主人公は三人。年代を越えた圧倒的なストーリーの主人公は融合し、第十五夜への噺へと続いていく。摂氏50℃の灼熱。
第三部(Ⅲ巻)は99℃まで跳ね上がる。
編み上がった書がどのような効果をもたらすかは、まだ明らかではない。
また徹夜になりそうな予感を持って第三部へ。 -
こうつながるのか!
早くⅢへ‼ -
第二部50℃は第5夜から第14夜まで。
『美しい二人の拾い子ファラーとサフィアーンの物語』がズームルッドの口から語られる。
アイユーブ、書家、ヌビア人の奴隷とともに、自身もいつの間にか夜の種族となってしまっており、ズームルッドの語りが朝を迎えて切り上げられてしまうと、カイロにボナパルトが攻めてくる話はどうでもいいから〜!早く次を聞かせて〜と焦ったかった。
ファラー、サフィアーン、アーダムそれぞれの生い立ちから成長していく過程、三者が邂逅するまでを、順をおって聴いてきたから、三人それぞれに思い入れができあがっており、いよいよ三人が対決する場面では豪華キャストそろい踏みの大盛り上がりとなった。
二巻目に入る頃には、すっかり、夜の種族となってしまっていたため、途中で読み止めるなど不可能で、日がな一日、読書に明け暮れてしまった。 -
『おれはおれ自身がだれなのかわかってきたぞ』
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なるほど、こういう形で絡んでくるのか。
やっと3人の主人公達が出揃ったのに、サフィアーンはちょっとショックだった。
エジプトがそろそろ危なそうなので、早く災厄の書を完成させないと…