- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043636075
感想・レビュー・書評
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人の顔を認識できない少年が、20歳になって初めて1人の外出を許可されます。少年は冒険をしようと心に決めて井の頭公園にやってきました。公園の湧水をたどって、杉並区から中野区へ、高田馬場から水道橋へ。途中何故か仲間が増えていきみんなで海を目指して!
この作者は本当に不思議な本を書きます。ベルカ吠えないのか?も賛否両論すごい本でしたが僕は擁護派の側でありました。ベルカは犬の血筋そのものが主人公でしたが、この話は東京が主人公です。僕は中野区生まれなんで大分分かりましたが、地方の人はつまらないかもしれません。ひたすら情景描写と、不思議な会話の連続です。でもこういうかわった本もまたよし!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歩きたくなる。読み終わったあとに「歩きてぇー」って思う。夏っていいな、とか。歩いた先の海見てぇー、とか。帽子っていいな、とか。
導入の設定、世界観がこの著者の作品が初めての人にはとっつきにくいかもしれないが、そこを乗り越えれば、夏の冒険に没入できる。
へその女、子供、クルクルのおじさんに外人。
出会いと別れが絶妙で主人公の心模様が素敵な物語。
こういうスタンドバイミーもいい。 -
わたしの東京の夏がキラキラまばゆくて。小さな源流から大海へと広がるその軌跡が希望への道筋と繋がります。馴染みの雑踏が風景がこんなにも輝いて見えるなんて。無垢な心の主人公の眼差しが切ないほど美しいです。
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一人称オンタイムでひたすら綴られていく真夏の小さな冒険。地理描写が丁寧で、よくあの辺を散歩する身としてはその点楽しめる。
しかし、この冒険が今年敢行されたなら誰かぶっ倒れたであろう!