ベルナのしっぽ (角川文庫)

著者 :
制作 : きたやま ようこ 
  • 角川書店
3.73
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本棚登録 : 659
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043642014

作品紹介・あらすじ

「郡司さん、ベルナです。黒のラブラドール種、メス、一歳六カ月、大型犬です」…27歳で失明した著者は、子育てをするため、犬嫌いを克服して盲導犬とパートナーを組む決意をする。訓練所でのベルナとの出会いには、とまどいを隠せなかったが、タバコの火をおしつけられてもほえもせず逃げずにじっと我慢するベルナとの間に、やがて強く確かな絆が結ばれていく。しかし、家族の大事な一員となったベルナとも、やがて別れの時が…。人間と犬という境を越えて育まれた感動の愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 確か小4くらいの頃に、小学校に郡司さんがいらしたことがありまして。
    バリアフリー教育の一環として、講演いただいたわけですよ。
    んで、その時に学級文庫へ『ベルナのしっぽ』がサイン入りで寄贈されたのです。
    でも、そうなってくると『ベルナのしっぽ』は、主に女子の間で大人気。
    常に誰かが読んでいるもんだから、
    僕は「そんなにムリして読まなくても」って斜に構えて、読むことはなかったのでございます。
    そして、約15年の月日が経った今、遂に『ベルナのしっぽ』を読んでみたわけでございました。

    さすがに二十歳をとうに過ぎたワタクシといたしましては、
    この本が本当に大切なことを伝えてくれていることを理解しつつも、
    ややその予定調和っぷりに物足りなさを感じることもありまんた。
    でも、子どもが盲導犬に興味を抱くきっかけとしては、本当に良質な書籍になっていると思います。
    やっぱり、そういう福祉系の事柄に興味を持つきっかけというのは仕掛けなくてはならないもんですな。
    かく言う私は、TVドラマ『ラブの贈りもの』で興味を持った経験があります。
    いやあ、あのドラマには本当にハマッたなあ。

    そういえば、郡司さんは盲導犬利用者ですので、
    当然目の見えない方なわけですけれど、本書の描写の巧みさには恐れ入りました。
    郡司さんは27歳で目が見えなくなったということで、
    もちろんそれまでに見てきたものと、
    そこで起きているであろう現象とを結びつけて描写している面もあるんでしょうけど、
    それにしても本当に見ているかのような書き口。
    小学校で講演してくださった別の盲目の方は
    「盲目の人と健常者は、当然違うものなので、
     みなさんが目をつぶった状態が盲目であるとは考えないでください。
     それで感じるような恐怖心は私たちには無いです。」
    というような注意をしてくださいましたが、きっとそういうことなんだろうなあ。
    つまり、見えないけれど見えている的なね。

    ところで、本書の中には違和感をおぼえる部分もございましてね。
    もしかしたら、ネタバレになっちゃうかなあ?
    そのへんは、各自で注意をば(笑)。
    それは「ベルナ」が年老いて尚、盲導犬として頑張るという部分なんですけれど、
    いわゆるヨボヨボな状態になってまで、
    盲導犬としてバスや公共施設に出入りするというのはどうなんだろう。
    誤解を恐れず強い言い方をするのであれば、
    盲導犬としての機能を失ってしまえば、それはもう盲導犬ではないわけで。
    「ベルナ」の場合、獣医さんからの引退勧告も出ているわけだし。
    現在は、そういうことに関して、何らかの明確な基準ってあるのかしらん?


    【目次】
    プロローグ――お母さんになりたいな
    一章 心を通わせて
    二章 初めての町で
    三章 赤ちゃん誕生
    四章 みんな家族
    五章 二人はきょうだい
    六章 老いていく日々
    七章 ベルナの“反乱”
    八章 さようなら、ベルナ
    あとがき
    (イラスト/きたやまようこ)

  • 夜中に熱を出した息子さんを病院に連れて行くため、タクシーをひろうエピソードは衝撃的でした。

    目が見えないから、いつ空車のタクシーがくるか分からない。タクシーが停まるまで手を上げ続ける。目が見えるという当たり前な状態に感謝です。

  • 今でこそ、飲食店でもスーパーでもどこでも盲導犬同伴OKだけど、当時は盲導犬に対する認知度も低く、辛い思いをしたり大変な思いをしたことでしょう。

    家族同然にベルナと過ごした日々。
    家庭内での日常をまるで見えているかのような描写力で書かれていて、たとえ目は見えなくても心の目でしっかり家族を見ているんだなと思いました。

    ベルナが老いていき、盲導犬としてのプライドを最後まで持ちながら一生を捧げ旅立っていくシーンにはもう号泣してしまいました。

    犬が好きな人も苦手な人も、盲導犬をあまり見たことがない方にも、そして子供たちにもぜひ読んでいただきたい作品です。

  • 盲導犬(もうどうけん)、ベルナをパートナーにもった筆者の本当のお話です。読みやすく、感動的です。

  • どうしてもマイロと重ねて読んでしまう…涙。

  • 【あらすじ】
    「郡司さん、ベルナです。黒のラブラドール種、メス、一歳六カ月、大型犬です」…27歳で失明した著者は、子育てをするため、犬嫌いを克服して盲導犬とパートナーを組む決意をする。訓練所でのベルナとの出会いには、とまどいを隠せなかったが、タバコの火をおしつけられてもほえもせず逃げずにじっと我慢するベルナとの間に、やがて強く確かな絆が結ばれていく。しかし、家族の大事な一員となったベルナとも、やがて別れの時が…。人間と犬という境を越えて育まれた感動の愛の物語。

    【感想】

  • エッセイのようでした。
    ベルナの行動を中心にかかれていたので、個人的にはもう少し作者さんの心情を知りたかったです。
    盲導犬への理解が如何様だったのか、盲導犬はどんな生活を送らねばならないのかを知るためにはよい本だと思います。
    分かりやすいので小学生のお子さんでも大丈夫かと。

  • 盲導犬の、彼女との出会いと別れ。

    自分の目となり足となってくれる存在の盲導犬。
    しかし犬。
    確かに、犬が苦手な人にはきつい存在です。
    後、アレルギーの方?
    今では普通に知っている人が多い存在ですが
    この頃ならば、確かにすべてにおいて
    説明をせねばならないかと。
    親切だ、と思った事でも、本人にとっては余計なお世話。

    自分の一部となり、家族となり。
    けれど当然の事ながら、自分より先に置いていく存在。
    書かれている事より、さらに色々な楽しかった事や
    嬉しかった事や困った事があったはず。
    だからこそ、分かっていても出来ない選択があります。
    けれどこの選択は、彼女にとっての幸せだったと。

  • 再読です。

    以前読んだ時は、うちのワンコも若かったし、物語に純粋に感動し涙した。

    でも今は、シニアになった、わが子。。

    そう遠くない日にお別れは必ずやってくる。

    そんな時に、悲しい。。のは、もちろんだけど。。

    「家に来てくれてありがとう。幸せな思い出をいっぱいありがとう。」

    と感謝の気持ちを伝えたい。

    改めて。。、一緒に過ごせる1日、1日を大事に過ごしたいと思う。

    多くの人に読んでほしい本です。(*^_^*)

  • 私はきっと幹太くんと同い年くらいだろう。私が生まれた頃に盲導犬と出会った筆者。その頃はまだ盲導犬が知られていなかったという。今でこそ、飲食店でもスーパーでも盲導犬はOKの表示があるが、そのころはまだまだ周囲の理解がなく、辛い思いもたくさんしたことだろう。

    正直、最初のほうは筆力のある人ではないな・・・と思っていた。物語ではなくエッセイなんだから当然なのかな。言葉遣いが一世代前のような・・・なんというか、昭和感があった。

    でも、最後は号泣!犬が苦手な人にも、盲導犬を見たことがない人にも、本を読むのが嫌いな人にも、みんなにもっともっと読んでほしい作品。

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