ベルナのしっぽ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043642014

作品紹介・あらすじ

「郡司さん、ベルナです。黒のラブラドール種、メス、一歳六カ月、大型犬です」…27歳で失明した著者は、子育てをするため、犬嫌いを克服して盲導犬とパートナーを組む決意をする。訓練所でのベルナとの出会いには、とまどいを隠せなかったが、タバコの火をおしつけられてもほえもせず逃げずにじっと我慢するベルナとの間に、やがて強く確かな絆が結ばれていく。しかし、家族の大事な一員となったベルナとも、やがて別れの時が…。人間と犬という境を越えて育まれた感動の愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ベーチェット病により27歳で失明した著者。
    母となり子育てをするため、盲導犬ベルナとパートナーを組むことに。
    犬嫌いの彼女はとまどいを覚えながらも、ベルナを自分の「目」として育児に奮闘し、信頼関係を築いていく。
    子どもが成長した後もベルナは大切な家族の一員として暮らすが、やがて別れのときがやってくる…。
    人間と犬との間に生まれた絆と愛情をつづる、感動のドキュメンタリー。

    大きな字で読みやすかったのもあるけど、犬目線で書かれてるのが面白くて一気に読んだ。
    盲導犬ってプロ意識をきちんともってるんだ、犬って感情豊かなんだ、と感心した。

  • 読みやすく、盲導犬について知ることができるので面白かった。ただ、盲導犬について知るということにおいて引退についての内容がないのがちょっと物足りないような感じ。

  • 確か小4くらいの頃に、小学校に郡司さんがいらしたことがありまして。
    バリアフリー教育の一環として、講演いただいたわけですよ。
    んで、その時に学級文庫へ『ベルナのしっぽ』がサイン入りで寄贈されたのです。
    でも、そうなってくると『ベルナのしっぽ』は、主に女子の間で大人気。
    常に誰かが読んでいるもんだから、
    僕は「そんなにムリして読まなくても」って斜に構えて、読むことはなかったのでございます。
    そして、約15年の月日が経った今、遂に『ベルナのしっぽ』を読んでみたわけでございました。

    さすがに二十歳をとうに過ぎたワタクシといたしましては、
    この本が本当に大切なことを伝えてくれていることを理解しつつも、
    ややその予定調和っぷりに物足りなさを感じることもありまんた。
    でも、子どもが盲導犬に興味を抱くきっかけとしては、本当に良質な書籍になっていると思います。
    やっぱり、そういう福祉系の事柄に興味を持つきっかけというのは仕掛けなくてはならないもんですな。
    かく言う私は、TVドラマ『ラブの贈りもの』で興味を持った経験があります。
    いやあ、あのドラマには本当にハマッたなあ。

    そういえば、郡司さんは盲導犬利用者ですので、
    当然目の見えない方なわけですけれど、本書の描写の巧みさには恐れ入りました。
    郡司さんは27歳で目が見えなくなったということで、
    もちろんそれまでに見てきたものと、
    そこで起きているであろう現象とを結びつけて描写している面もあるんでしょうけど、
    それにしても本当に見ているかのような書き口。
    小学校で講演してくださった別の盲目の方は
    「盲目の人と健常者は、当然違うものなので、
     みなさんが目をつぶった状態が盲目であるとは考えないでください。
     それで感じるような恐怖心は私たちには無いです。」
    というような注意をしてくださいましたが、きっとそういうことなんだろうなあ。
    つまり、見えないけれど見えている的なね。

    ところで、本書の中には違和感をおぼえる部分もございましてね。
    もしかしたら、ネタバレになっちゃうかなあ?
    そのへんは、各自で注意をば(笑)。
    それは「ベルナ」が年老いて尚、盲導犬として頑張るという部分なんですけれど、
    いわゆるヨボヨボな状態になってまで、
    盲導犬としてバスや公共施設に出入りするというのはどうなんだろう。
    誤解を恐れず強い言い方をするのであれば、
    盲導犬としての機能を失ってしまえば、それはもう盲導犬ではないわけで。
    「ベルナ」の場合、獣医さんからの引退勧告も出ているわけだし。
    現在は、そういうことに関して、何らかの明確な基準ってあるのかしらん?


    【目次】
    プロローグ――お母さんになりたいな
    一章 心を通わせて
    二章 初めての町で
    三章 赤ちゃん誕生
    四章 みんな家族
    五章 二人はきょうだい
    六章 老いていく日々
    七章 ベルナの“反乱”
    八章 さようなら、ベルナ
    あとがき
    (イラスト/きたやまようこ)

  • 夜中に熱を出した息子さんを病院に連れて行くため、タクシーをひろうエピソードは衝撃的でした。

    目が見えないから、いつ空車のタクシーがくるか分からない。タクシーが停まるまで手を上げ続ける。目が見えるという当たり前な状態に感謝です。

  • 1冊の本を1日で読んだのは久しぶりです。
    ずっと昔から知ってたけど、動物もの、しかも犬ものは悲しくなるので避けていました。
    映画も犬ものはあまり観ません。

    Kindle unlimitedで読みました。

    舞台は昭和の、私が生まれた頃の話。
    まだ盲導犬が知れておらず、作者の郡司さんは相当苦労したし、悲しい思いもしたようです。

    今でこそ、盲導犬や聴導犬はお店に入れるようになっていますが、当時は入れてもらえなかったんですね。
    そういう時代があって当たり前ですが、意外と最近まで残っていたんだなぁ、、と思いました。

    犬嫌いの郡司さんがベルナと出会ってから、別れるまでの物語です。
    なんだか、心が綺麗になった気分です。

  • 盲導犬のベルナのお話ではなく、盲導犬ユーザーの郡司ななえさんのお話。

    犬に対しては「ベルナの気持ちを深く思いやることを忘れていました。」という程度です。
    そして、ベルナをリタイヤさせず、最後まで盲導犬のままにしてしまいました。

    盲導犬にタバコの火をつけるというとんでもない人もいるようですが、玄関の重いドアで血を流すほど怪我をしていることに気づかないとは。残念です。

  • 盲導犬を通して社会に対しての問題を投げかける、ノンフィクションの感動作。小学生の時に読んで、今でもオススメの本です。

  • おもしり

  • 今でこそ、飲食店でもスーパーでもどこでも盲導犬同伴OKだけど、当時は盲導犬に対する認知度も低く、辛い思いをしたり大変な思いをしたことでしょう。

    家族同然にベルナと過ごした日々。
    家庭内での日常をまるで見えているかのような描写力で書かれていて、たとえ目は見えなくても心の目でしっかり家族を見ているんだなと思いました。

    ベルナが老いていき、盲導犬としてのプライドを最後まで持ちながら一生を捧げ旅立っていくシーンにはもう号泣してしまいました。

    犬が好きな人も苦手な人も、盲導犬をあまり見たことがない方にも、そして子供たちにもぜひ読んでいただきたい作品です。

  • どうしてもマイロと重ねて読んでしまう…涙。

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