とんび (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 728
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043646074

作品紹介・あらすじ

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう-。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 終始涙なしでは読めない作品であった。
    冒頭から始まる不器用な"ヤスさん"と彼を取り巻く人々の関わり。そして誕生する新しい命"アキラ"と共に一人親の苦悩と葛藤と深すぎるほどの愛情が感じ取れる。
    彼ら父子家庭を支える周囲の人々の温かさにも心を打たれた。沢山の人々からの目が、手が、心が、彼らの日々を愛溢れる確かなものにしたのだろう。

    作品文中より
    "だから、おまえは海になれ。雪は悲しみだ。おまえが地面だと、雪は積もってしまう。だけど、海なら雪がいくら降っても積もらんだろう"

  • 多分、アキラと同年代かも。よかった!
    父の愛情が厚い。ラストに悲しい結末がなくてホッとした。やっぱ泣いた。

  • 夫の友人からお借りしました。

    私には子供がいないので、このような親子の話はコンプレックスを刺激して苦手意識があるのですが、この本はそんなことよりも自分の両親に対して改めて感謝する気持ちを呼び起こされたり、世の中の優しさに触れた気持ちになったりで素直に感動しました。

    そもそも、なんの技巧もない平凡な文体だと感じながら、気付けば状況が目に浮かび、セリフが耳から聞こえる錯覚に陥りました。
    以前ドラマを見ていた影響もあると思うけど、それにしてもこんな本はめったにありません。
    ほとんどがセリフで話が展開していくので伝わりやすくテンポもよいです。
    解説的なナレーションが少々ウザいときもありますが全体の流れを壊すほどではなく、どこから読んでも必ず涙があふれ、毎朝電車で読み始めたのを後悔してばかりでした。

  • なんだか感動もするし、泣けるんだけどどうも綺麗ごと!!!って思うところもかなりあり。
    悪者が1人も出てこないとか。笑笑
    人生そんなに甘くないと思うんだけどなぁ。と、かなりかなりかなりかなり思うけど、こんなやついるのかなぁ。

    父親として、息子として、母親として、かなりの理想像があるけど、まさにファンタジーではないか!?こんな昭和の古き良き時代のような家族愛!そして、人生!

    すごく幸せではないけど、色々なことに恵まれて助けられて一生を終えた男の話、、、でも、さすがに綺麗すぎやしないかい?

    と、思うのは私だけでしょうか?

  • ホリエモンが大号泣すると大絶賛していた小説。確かに大号泣しました。
    父と息子の親子物語です。舞台は昭和の備後、息子が生まれた時から大人になるまでを、不器用ながらも一生懸命に育て上げる父親が描かれています。父と息子、そして二人を支える町の人々…。登場人物がみんなとてもいい味のあるキャラクターで、人の温度感や笑顔が見えてくる気がします。人情溢れるストーリーで、読み終わったあとは家族に何か言葉をかけたくなる、そんな作品でした。

  • 最愛の妻・美佐子を事故で亡くしたヤスさんと息子のアキラ。
    時には互いに傷付き、離れてはやがて戻って、そんな父と息子の絆を描いた作品です。
    ドラマもチラチラ見て、当時はあーいい話だなー位に感じていましたが、息子を持つ父親の立場になってみて、とたも感慨深く身に染みます。
    人生を80年とした時に、その中で父と息子が一緒にいれる期間はたったの20年。
    そして息子は親元を飛び出して自分の世界に旅立ち、やがて新しい家庭を持ち、今度は自分が父となる。
    人生のたったの4分の1。その不思議な時間を大切にしたいと思いました。

  • 読書で気分をスッキリさせられることが最近の自分にとって、ストレス緩和剤だとつくづく思います。このスッキリ感はどうも、思いのたけを発散させること=気持ちよく泣けることなのではないかと。
    で、今回ももれなく大泣き「うわ~ん!!」と、声出して泣きたいのを(さすがに家族が傍にいましたので)、必死に抑えました(笑) 本書は、テレビ放映もされましたが、ドラマが原作にいかに忠実か分かります。違うところといえば、テレビではアキラが回想していく形をとっていますが、原作は時系列通りに進んでいきます。 これはいいです!父と子 父と母 父と父の父 夫婦、生涯の友、人生の師匠 ・・・あげたらキリがないほどに、沢山の人情に、心がほぐされ、温かくなります。なつかしさを感じます。ここに描かれている人たちの絆は、もしかしたら理想像かもしれませんが、それでも声に出して言いたいのです。命を守られ、育てられ、ときに助けられ、育つことの喜びを噛み締めてくれる人の存在があることを。先に逝ってしまった愛する人が、自分の中で息づいていることを信じられるということを。 本当に嬉しいと、人は笑うより、涙が出るものなのだということを。 ドラマで観終えている方にも、感動された方なら尚のこと、おすすめしたい一冊です。

  • サスペンスを除いて人が死んだり家族がおらんかったりそういう話は好きと違う。白けた気分になる。じゃけど重松清は違う。耳慣れた備後弁じゃけぇじゃろうか。泥臭さが残っとるけぇじゃろうか。
    ヤスさんは「正しさではなく愚かさで愛され、強さではなく熱さで我が子を愛し抜く」人。それがええ。そしてアキラもたえ子も海雲も照雲も幸恵も由美子も。「情」に溢れとる。じゃけんうちの「情」に訴えてくるんじゃ。じゃけん素直に泣けるんよ。

  • 海雲和尚の『海になれ』という言葉通り、海のような深い深い愛情を持って育てたヤスさん
    それに応えるアキラ

    そして父一人子一人の家族を見守る周りの人たちの全てが優しく、とても暖かい本でした

    不器用なヤスさんの姿は古き良き父親像なのではないでしょうか

    ★4.6 2019/3/27

  • とても感動するストーリー。
    人との繋がりの大切さを強く感じた。
    直ぐ側にいる人ほど冷たくきつく当たっていた人生だったが、本当に大事にしないといけないのは何なのか分かった気がする。

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著者プロフィール

重松 清(しげまつ きよし)。1963年、岡山県生まれの小説家。早稲田大学教育学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーライターとして独立。ドラマ・映画のノベライズなどを手がけたのち、1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞、2000年『ビタミンF』で直木賞、2002年『流星ワゴン』で「本の雑誌年間ベスト1」、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員を務める。2017年、早稲田大学文化構想学部客員教授に就任。
『とんび』、『青い鳥』、『流星ワゴン』をはじめ、多くの代表作がドラマ化、映画化されている。

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