シャングリ・ラ 下 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.40
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本棚登録 : 1428
感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043647057

作品紹介・あらすじ

ついに反政府ゲリラは政府に宣戦布告。國子はブーメランひとつで戦車部隊に立ち向かう。だが地上の森では政府とゲリラの戦争をあざ笑うかのように、想像を超えた進化が始まっていた。究極のエコロジー社会がもたらす脅威とは?國子たちは生き残れるのか?アトラス計画の真の目的とは?ゲリラ豪雨、石油価格の高騰、CO2の取引など、2004年に既に現在を予言し、SFを現代小説に転換した傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  •  上巻の勢いは中盤で陰りを見せ始める。読書がこんなにキツかったのは久しぶり。私はファンタジーであっても芯の部分で一本筋が通っていないと納得できないので、何でもありの御都合主義バンザイは許容できない。何の説明もなくこの人間は不死身、この妖怪は死ぬと分けられても…。エログロも脈絡がなく度が過ぎる。Unlimitedで良かった。

  • 国造りの神話を土台に、近未来のディストピアの中で新たな経済の仕組みや価値観(新たな国造り)が生まれる迄の物語。
    個性的なキャラクター(エグイ人もたくさん)がこれでもかというくらい動きまわり、どんでん返しの連続、エピソードがてんこ盛りでフィナーレへ。
    疾走感が凄く面白くはあるが食傷気味な読後感(^^)。


  • 加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。しかし、そこに生まれたのは理想郷ではなかった!CO2を削減するために、世界は炭素経済へ移行。炭素を吸収削減することで利益を生み出すようになった。一方で、森林化により東京は難民が続出。政府に対する不満が噴き出していた。少年院から戻った反政府ゲリラの総統・北条國子は、格差社会の打破のために立ち上がった。(上巻)

    ついに反政府ゲリラは政府に宣戦布告。國子はブーメランひとつで戦車部隊に立ち向かう。だが地上の森では政府とゲリラの戦争をあざ笑うかのように、想像を超えた進化が始まっていた。究極のエコロジー社会がもたらす脅威とは?國子たちは生き残れるのか?アトラス計画の真の目的とは?(下巻)

    近未来的なSF小説。2004年につくられた作品とは思えない、2020年現在で起きているゲリラ豪雨や気温上昇による地球温暖化。さらには、石油価格の上昇などなど、予言にも近い小説で非常に面白かった。
    アトラス計画が、江戸・東京に隠されているとされる霊的な結界が元ネタだったり、日本神話がモチーフにもしてたりと面白かった。

  • アニメが予想以上に面白かったので原作を手にとってみたものの。
    アニメとはけっこう違うのにビックリ。
    エグい描写が多いのにもビックリ。
    いろいろ過剰なせいかちょっと長く感じる。途中失速しながらなんとか読了。
    各設定はとても面白い。
    炭素経済はアニメでわかりにくいところを小説で、小説でわかりにくいところをアニメの記憶で補えた感じ。
    アニメではモモコさんがカッコよくて好きだったけど、原作ではミーコの活躍ぶりも負けてない。

  • なんでもあり

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • およそ600ページに渡るやっつけ仕事を読まされた。

    世界観はとてもよく練られており、オリジナリティがある。経済の描写は最後まで丁寧にされていたと思う。
    メデューサの動きについては非常によく伝わった。

    しかし、適当に取り扱っている設定も多い。
    説明しきれていないことが多すぎる。
    この世界における霊とは何か?四種の神器とは?草薙というキャラの必要性は何だったのか?美邦の力は何だったのか?そもそも美邦は何で皇太子を目指したのか?皇太子にはどんな権力があるのか?なぜ、どのようにクローン?國子は自分の出自について聞いて葛藤はないのか?何でミイラ?國子の少年院設定必要だった?そういえば眉間トントンってどうなった?

    特に後半が酷くて、見開き2ページごとに人物の新しい設定が登場して、それが小説中二度と拾われない。
    涼子の描写のやっつけ感はすごいものがある。戦闘中、突然彼女の過去の回想がぶちまけられる。しかし読者が彼女の過去に関心を持つためにはそれだけの積み上げが必要だ。それがない以上、彼女が完璧な体でどうしようが関係ないとしか思えない。彼女がタルシャンと何をしようが知りたくもない。
    全体を通して、人物を描けていない。

    600ページもあるのだが、多分もう600ページくらい足りていない。
    緻密な描写のためのページ数には、読者はちゃんとついていける。
    きっと作者の頭の中では完璧に論理的な流れに感じられていると思うので、それをもう少し文字に起こすべきだった。
    不要な戦闘シーンを削ればもっと紙も節約できたはず。

    小さいことだが、絶叫が一々「ぎゃああああ!」なのは何とかならないか。

  • 未読

  • アトラス計画の全貌、國子と美邦の出生の秘密、暴走する人工知能、何度も何度も繰り返される小夜子と涼子のバトルに次ぐバトル。
    収まるところに収まったが、母性と執念で何度も復活する小夜子と、狂気と美貌とバトルのたびに新しい設定が盛りに盛られまくる涼子が不死身すぎて、さすがにくどい。挙げ句の果てにどちらも死なない。
    美女同士の生臭い殺し合いが作者の性癖なんだろうと思うが、本筋が霞むほどに繰り返されたので食傷しながらも読み終えた。
    思ってたんと違う……。

  • 複数巻を平行に読了する祭。

    アトラスへの攻撃から、中間層に飛び込むことに成功した國子。中には新東京が形成されているのだが、偽装材が駆使されているために、目まぐるしく景色が変わっていく。そこにもう一人のトリプルAの美邦の護衛をしていた小夜子、小夜子のライバルの涼子が現れ、三つ巴の戦いが始まる。

    『帝都物語』の未来版というようなストーリーなのだが、とにかく浅いので、表面をつるつると読んでいくので、飛ばし読みでも十分内容を理解することができる作品だ。

    フェーズとしては、コンピューター同士の戦い、時期皇太子候補になるための三種の神器の奪い合いという2つのストーリーに、植物からの攻撃や水蛭子など、何でもかんでも詰め込みまくったせいで、浅さが際立っているのは微笑ましいというかなんというか。

    ライトノベルではよくある話なのか知らないが、はじめて見たものを「これは!」と理解しているのは、普通の説明があるのが当たり前と思って読んでしまう癖があるので、理解する前に拍子抜けしてしまう。

    また、脇役キャラについては、予想はしていたけれども、何回死ぬんですかね。「断末魔が」と書かれても、ああこれは死んでないなと思うと案の定復活。で、草薙って何やったん?

    まあ、高校生くらいだと楽しく読めるかもしれない。にしても長いけどな。

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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