シャングリ・ラ 下 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.40
  • (80)
  • (130)
  • (191)
  • (57)
  • (21)
本棚登録 : 1430
感想 : 138
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043647057

作品紹介・あらすじ

ついに反政府ゲリラは政府に宣戦布告。國子はブーメランひとつで戦車部隊に立ち向かう。だが地上の森では政府とゲリラの戦争をあざ笑うかのように、想像を超えた進化が始まっていた。究極のエコロジー社会がもたらす脅威とは?國子たちは生き残れるのか?アトラス計画の真の目的とは?ゲリラ豪雨、石油価格の高騰、CO2の取引など、2004年に既に現在を予言し、SFを現代小説に転換した傑作長編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  上巻の勢いは中盤で陰りを見せ始める。読書がこんなにキツかったのは久しぶり。私はファンタジーであっても芯の部分で一本筋が通っていないと納得できないので、何でもありの御都合主義バンザイは許容できない。何の説明もなくこの人間は不死身、この妖怪は死ぬと分けられても…。エログロも脈絡がなく度が過ぎる。Unlimitedで良かった。

  • 国造りの神話を土台に、近未来のディストピアの中で新たな経済の仕組みや価値観(新たな国造り)が生まれる迄の物語。
    個性的なキャラクター(エグイ人もたくさん)がこれでもかというくらい動きまわり、どんでん返しの連続、エピソードがてんこ盛りでフィナーレへ。
    疾走感が凄く面白くはあるが食傷気味な読後感(^^)。


  • 加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。しかし、そこに生まれたのは理想郷ではなかった!CO2を削減するために、世界は炭素経済へ移行。炭素を吸収削減することで利益を生み出すようになった。一方で、森林化により東京は難民が続出。政府に対する不満が噴き出していた。少年院から戻った反政府ゲリラの総統・北条國子は、格差社会の打破のために立ち上がった。(上巻)

    ついに反政府ゲリラは政府に宣戦布告。國子はブーメランひとつで戦車部隊に立ち向かう。だが地上の森では政府とゲリラの戦争をあざ笑うかのように、想像を超えた進化が始まっていた。究極のエコロジー社会がもたらす脅威とは?國子たちは生き残れるのか?アトラス計画の真の目的とは?(下巻)

    近未来的なSF小説。2004年につくられた作品とは思えない、2020年現在で起きているゲリラ豪雨や気温上昇による地球温暖化。さらには、石油価格の上昇などなど、予言にも近い小説で非常に面白かった。
    アトラス計画が、江戸・東京に隠されているとされる霊的な結界が元ネタだったり、日本神話がモチーフにもしてたりと面白かった。

  • アニメが予想以上に面白かったので原作を手にとってみたものの。
    アニメとはけっこう違うのにビックリ。
    エグい描写が多いのにもビックリ。
    いろいろ過剰なせいかちょっと長く感じる。途中失速しながらなんとか読了。
    各設定はとても面白い。
    炭素経済はアニメでわかりにくいところを小説で、小説でわかりにくいところをアニメの記憶で補えた感じ。
    アニメではモモコさんがカッコよくて好きだったけど、原作ではミーコの活躍ぶりも負けてない。

  • なんでもあり

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • およそ600ページに渡るやっつけ仕事を読まされた。

    世界観はとてもよく練られており、オリジナリティがある。経済の描写は最後まで丁寧にされていたと思う。
    メデューサの動きについては非常によく伝わった。

    しかし、適当に取り扱っている設定も多い。
    説明しきれていないことが多すぎる。
    この世界における霊とは何か?四種の神器とは?草薙というキャラの必要性は何だったのか?美邦の力は何だったのか?そもそも美邦は何で皇太子を目指したのか?皇太子にはどんな権力があるのか?なぜ、どのようにクローン?國子は自分の出自について聞いて葛藤はないのか?何でミイラ?國子の少年院設定必要だった?そういえば眉間トントンってどうなった?

    特に後半が酷くて、見開き2ページごとに人物の新しい設定が登場して、それが小説中二度と拾われない。
    涼子の描写のやっつけ感はすごいものがある。戦闘中、突然彼女の過去の回想がぶちまけられる。しかし読者が彼女の過去に関心を持つためにはそれだけの積み上げが必要だ。それがない以上、彼女が完璧な体でどうしようが関係ないとしか思えない。彼女がタルシャンと何をしようが知りたくもない。
    全体を通して、人物を描けていない。

    600ページもあるのだが、多分もう600ページくらい足りていない。
    緻密な描写のためのページ数には、読者はちゃんとついていける。
    きっと作者の頭の中では完璧に論理的な流れに感じられていると思うので、それをもう少し文字に起こすべきだった。
    不要な戦闘シーンを削ればもっと紙も節約できたはず。

    小さいことだが、絶叫が一々「ぎゃああああ!」なのは何とかならないか。

  • 未読

  • アトラス計画の全貌、國子と美邦の出生の秘密、暴走する人工知能、何度も何度も繰り返される小夜子と涼子のバトルに次ぐバトル。
    収まるところに収まったが、母性と執念で何度も復活する小夜子と、狂気と美貌とバトルのたびに新しい設定が盛りに盛られまくる涼子が不死身すぎて、さすがにくどい。挙げ句の果てにどちらも死なない。
    美女同士の生臭い殺し合いが作者の性癖なんだろうと思うが、本筋が霞むほどに繰り返されたので食傷しながらも読み終えた。
    思ってたんと違う……。

  • 複数巻を平行に読了する祭。

    アトラスへの攻撃から、中間層に飛び込むことに成功した國子。中には新東京が形成されているのだが、偽装材が駆使されているために、目まぐるしく景色が変わっていく。そこにもう一人のトリプルAの美邦の護衛をしていた小夜子、小夜子のライバルの涼子が現れ、三つ巴の戦いが始まる。

    『帝都物語』の未来版というようなストーリーなのだが、とにかく浅いので、表面をつるつると読んでいくので、飛ばし読みでも十分内容を理解することができる作品だ。

    フェーズとしては、コンピューター同士の戦い、時期皇太子候補になるための三種の神器の奪い合いという2つのストーリーに、植物からの攻撃や水蛭子など、何でもかんでも詰め込みまくったせいで、浅さが際立っているのは微笑ましいというかなんというか。

    ライトノベルではよくある話なのか知らないが、はじめて見たものを「これは!」と理解しているのは、普通の説明があるのが当たり前と思って読んでしまう癖があるので、理解する前に拍子抜けしてしまう。

    また、脇役キャラについては、予想はしていたけれども、何回死ぬんですかね。「断末魔が」と書かれても、ああこれは死んでないなと思うと案の定復活。で、草薙って何やったん?

    まあ、高校生くらいだと楽しく読めるかもしれない。にしても長いけどな。

  • メディアマーカー・読了コメントRSSで興味。

  • ぐいぐい引き込まれるストーリー展開はすごく引き込まれるものがあったけど、いかんせんブーメランやらメスやらちょっと無理があるかも…?が気になりすぎた。
    思ったよりも中二病感がすごかった。

  • 小説としては1ページごとに文句を付けたくなるほど酷い
    しかし溢れかえるサイエンスファンタジーとしての魅力は
    くやしいが認めざるを得ない
    次回作ではましになってるとかなので読んでみよう

  • 圧倒的スピード感。環境破壊の進んだ未来で編み出されたカーボンテクノロジーとそれを軸とした炭素経済が支配する世界。発想とその設定もしっかりしているが、何よりキャラクターの多様性とエンターテイメント性が素晴らしいの一言。
    キチンと映像化されるなら観てみたいと思える作品です。

  • アニメで見たら良かったんだろな〜てな感じ。
    後半は小夜子がすっかりいいやつになってまっていいんだろうか?
    そして草薙のキャラが弱すぎて、何故出した…?

  • 超人オリンピック。
    読み終わったときに頭に浮かんだ言葉はこれでした。話の根幹を考えると、そう思わせる人物が多数出てくるのは当然のことなんですが、完全無欠な人物よりも欠点が見える人物の方が共感できて好きだな。
    でも、スケールの大きなお伽噺で、久しぶりに自由に空想の羽を広げられる小説の面白さを味わうことができて、楽しい時間を過ごせました。

  • 筒井康隆さんの解説の通り。

    少年漫画とみなして読めばいいのかも、と思った。

    炭素経済という発想は本当に面白く、その点は読み応えがある。

  • 凄い勢いで真相が明かされ、怒涛のごとくエンディングに向けて突き進む。そんな中、細かいことをあげつらっても意味はないと思うし、まるで漫画のようなこの世界観を、ただ純粋に楽しめば良いのだと思う。でも、どうしてもあまりにご都合主義的過ぎるところが鼻についてしまったりもするのです。フィクションの世界では、生き返るのも、逆に名もないキャラAがあっという間に消されてしまうのも珍しい話じゃないにせよ、ちょっとというかだいぶ気になっちゃいました。環境と経済まで絡めた世界観は面白かったですが。

  • 上巻からの読書速度は高めのギアを保持したまま、いきなり「飛んだ」内容に入ってもスピードが落ちなかった。國子が飛行中の軍用機の機外でブーメランを振り回しミサイルを撃落としてみたり、小夜子も涼子も不死鳥のように蘇り、肉体の神経系にケーブルを突っ込んで電脳空間を操作したり、突っ込みどころ満載!それでも結末まで虜にされてしまった(笑)アトラス第零層の結末も「何だかな~」という感じ。そもそもそこに、その古墳があるの?なんてのは野暮ですかね~。解説に我が心の師・筒井康隆氏だったのが良かった。

  • 後半はがっかり感強め・・・
    次々疾走展開+どんどん壮大化していくんだけど、その分背景がおざなりというか。前半の積み重ねがあったのに、後半が個人的にしっくりこなくて残念だった。
    主要キャラはチートで無双する&ステレオタイプに落ち着いてしまったとか(死んだはずが生きていた、って何度もやられるとツライw)、そのくせモブの大量殺戮。
    物語自体も予定調和に収まってしまったり。
    二人の手のひらで踊らされてただけじゃん。
    とか色々言いつつ、結局は物語のタイプが合わなかったんだと思う。
    「運命の子が王になる」とか「国を護るための正当な帝」とか趣味じゃない・・・

  • 「それはないでしょっ」ていう設定が多くぶっ飛んでいた。
    最終的には愛の話が強く心を打ち、とても良い物語でした。
    関連する小説があるようで、そちらも読んでみたい。

  • あれもこれもと世界観もテーマもぐっちゃぐっちゃだけどファンタジーとして面白く読めた。

  • 表紙に騙された!!
    中身はかなりキャラクターもの。
    世界の設定が個人的にツボなだけにもったいない。
    登場人物をもっと好きになれれば楽しく読めたかもしれないがそうじゃないと辛い。
    アニメとかに向いてる

  • 近未来都市トーキョーなのに、いきなり平安衣裳とか出てきてギャップに笑う。まあ、よくも悪くも角川のコンテンツをいろいろぶちこんだ感じで、設定はよく練られているんだが。戦闘シーンの描写が浅いし、紙芝居みたいに超展開なのでかなり無理があるかも。

    キャラクターの掛け合いは面白い。
    敵味方が意外な共闘をみせたり。主人公よりも美邦のサイドのほうがアクが強いが、なぜか魅力的に思える。

    クライマックスになるにつれて、怒濤の展開のオンパレードなのだが、キャラがころころ死んだり生きたりを繰り返すせいで、勝負所の真剣味が半減。草薙少佐の扱いが酷い。

    いわゆる貴種流離譚に落ち着いてしまうのだが、主人公にあまり威厳が感じられない。

    最後はあのハッピーエンドで良かったけれど、再読したくはない。日本神話をモチーフにしていて、設定盛りだくさんのに、イマイチ惜しい。

  • 図書館で。前にハードカバーで借りたことあったわ、と読み始めてすぐに気が付いたんですがとりあえず再読。最初に読んだときはどんなジャンルの本かも知らずに読んだので違和感しかなくなんだこりゃ?と思ったのですが何作かこの作家さんの作品も読んだ後だったのでナルホドこういう系統なのね、とそれなりにスムーズにお話に入り込めた気はします。が。長いよね。

    炭素経済って考え方もメデューサなしにこのお話は語れない所なんだけどやっぱりその辺りがなんか長いし面倒くさく感じる。凛香ちゃん、だったかな?が可愛くないし。そして倒れない小夜子も小夜子のライバルの…怖い人も超人過ぎる。が、それが良いのかな。うん。なんかアニメ化したら面白そうだなあと思ったらアニメになってたんですね。で、ビジュアルを見て圀子は黒髪じゃなきゃダメだろう、と瞬間的に思いました。イメージ的にはセーラー服と機関銃でしょう。(古い)
    まあそんなドタバタ劇の中でやはりモモコさんが光る。彼女はかっこいいし優しいし強いし最高です。女としても男としても母としてもね。

  • 久しぶりのギブアップ。上巻36頁まで読んだところで積読へ。多分このまま終わりそう。全く入り込めず、強化期間中にこの浪費はつらいので諦めた。言い訳ですが池上永一作品は基本好きなのが多いです。「風車祭(カジマヤー)」は傑作、デビュー作の「パガージマヌハナス」や「アタシのマブイ見ませんでしたか」、それに長編の「テンペスト」、それぞれ良かった。ただ、元々ちょっとぶっ飛びがちなところを、ウチナー色でなんとかフックかけてたようなところが有ったので、ウチナー色の全く無い本作はつらく感じるのかも。36頁で言っちゃダメですが、ごめんなさい。

  • 炭素経済に東京の森林化等々斬新さを感じさせる上巻だったものの、下巻はつじつま合わせに、登場人物が何度死んだと思っても復活してくる目茶苦茶ぶり。ついていけない。

  • かいつまんで概要を説明すると、物語は近未来の東京です。
    世界はCO2作減のために、炭素主導の経済に移行。炭素税が導入され、炭素の排出量によって税率が大きく変わってくるという、炭素が経済に大きく影響を与えていく世界。
    そして、日本は膨大なCO2作減のために東京一帯を森林化し、かわりに超高層都市「アトラス」を建築する。
    しかし、東京都民全てがアトラスに入居できるわけではなく、あぶれた人達は難民となって、森の中で反政府ゲリラとして生活していく。
    そして、主人公はそんなゲリラの若き女総統。政府への反乱を通して、自分自身の存在やアトラスの真の意味が明らかになっていく。

    というようなストーリーなんです。
    最初は近未来の危機を描いた小説かなと思ってましたが、読んでいるうちに壮大なSF小説であることが分かってきました。
    上巻では、まだ展開もありえる範囲のものばかりでしたが、下巻になると、もう展開が性急すぎてついていけない。
    あれやこれやと色んなものが、ありえない接点で繋がったりと、もうビックリです。
    はっきりいってほとんどマンガの世界です。

    実際にこの小説が原作のアニメが既にできているみたいです。
    多分、アニメでやったらこの話はかなり面白くて見応えありそう。

    でも、この小説自体は決して面白くないわけではないよ。
    世界観はかなり壮大やから、物語に入ったらおもしろくて抜け出せんかもね。
    ほんとはゆっくり時間をかけて読むつもりだったんですが、あれよあれよという間に手が進み、気がつけば二日で上・下巻、合わせて1000ページ超を読破してしまいました。
    まるで、ドラクエを徹夜でクリアしたような感じですな(´∀`)

  • 2013/12/22

  • 面白い物語!

全138件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上永一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
有川 浩
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×