テンペスト 第四巻 冬虹 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.75
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本棚登録 : 1263
感想 : 149
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043647149

作品紹介・あらすじ

側室として首里城に返り咲いた真鶴に懐妊の兆し!? 一人二役の二重生活も、いよいよ限界か。否応なく押し寄せる列強の足音と、近代化の波。王国滅亡へのカウントダウンか……。琉球ロマン、いよいよクライマックス

感想・レビュー・書評

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  • 龍の子よ、王国を抱いて翔べ!

    側室として首里城に返り咲いた真鶴に懐妊の兆し!? 一人二役の二重生活も、いよいよ限界か。否応なく押し寄せる列強の足音と、近代化の波。王国滅亡へのカウントダウンか……。琉球ロマン、いよいよクライマックス

    真鶴が兄の代わりに温寧と性別を偽り、王宮で政治を司るようになったところから始まった物語。時には、朝薫と協力したり、嫉妬ゆえの裏切りに会ったりしたものの琉球王国を守るために奔走して行った。その過程で、王の側室になってしまい、子を宿し、母になったことで温寧の信念も変化していく。そこがこの本の面白いところであり、読み応えがあった部分でもあった。

  • ついに最終巻。面白かった。一巻から最終巻まで、地の文の妙な外来語や若者言葉にはモヤモヤしたし、御都合主義だとか主人公補正、そしてジェットコースター展開には辟易した部分もあった。しかし、それを差し引いても面白かった。
    沖縄の歴史については、高校時代の日本史でさらった程度で、おまけに「日本」目線でしか知らなかったため、本作は「琉球」目線で文化や歴史を見ることができた点が大変勉強になったと感じる。
    そして、今、勉強ができる環境に生まれ育った自分のしあわせと、喜びを感じることができた。
    2013.08.25

  • 知り合いに薦められて読んでみた。
    面白かった!壮大な歴史絵巻。
    そして、個性的な人物の宝庫。
    何が起きるか分からないドキドキ感。
    一気読みでした。
    今まで沖縄にそう興味はなかったけど、急に知りたい行きたいと思うように。
    ぜひ行って、テンペストの世界に浸ってみたい。

  • 琉球歴史ドラマ堂々完結!?
    まず、始めに思った通りこの小説は文庫なら2.5倍の10巻分のボリュームで書かれるべきであると思う。実にもったいなく読み終えるのが名残惜しい。
    一つひとつのエピソードを噛み締める余裕も無く、めまぐるしく怒濤の展開が、始めから最後まで続いていく。全体の流れとスピード感を楽しむ小説かな。
    ただ、要所要所に出てくる”琉歌”が登場人物の心情を情緒的に表していて赴き深い。
    まぁつまり書かれていない細かな部分が琉歌で補完されていて、いかようにも自由に読む事、とらえる事ができる自由度の高い作品だと。そういった訳で、レビューが割れるのは仕方ないのかな。
    個人的には女性キャラが切ない恋心を詠んだ琉歌がよかったな。
    こんな風にステキな歌が即興で詠める男はそりゃモテるだろうと思った。

    最後に、もう一つだけエピローグを加えて欲しかった!
    あの後!どうなったのか!!書いてくれ!!!もしくは続編を!!!!

  • タイトル「テンペスト」そのままで、まさに嵐のような読書体験でした!

    正直、真鶴のご都合主義が鼻に付く部分も度々あったし
    「有り得ない展開」というのがとても多く、辟易する事もあったけれど
    その事を差し引いても、この怒涛の展開と並々ならぬパワーには脱帽。

    ファンタジー色全開の作品なので
    歴史物語というよりもエンタメとして楽しむべきですね~。
    (これがNHKドラマ化されたとは驚き!教育上よろしくないのでは?笑)

    嗣勇は…何だか色んな意味で勿体ないなぁ。
    終始一貫してカッコイイ頼れるお兄ちゃんでいて欲しかったです。
    それでも彼の最期には涙した。やっぱり妹想いだったんだね…。

  • 1巻を読んでから、4巻まで一気に読み切りました!
    読んでの感想・・・・

    時代がうつりゆく中の沖縄の歴史と
    その中で主人公が男性、女性、の立場で生き抜く様、心情がページをめくるたびに感じられてとてもひきつけられました。
    沖縄には行ったことがないのに
    鮮やかな色も活字から見えました!

    政治家とは
    国とは
    人とは
    親とは
    恋とは
    いくつも自分で考えさせられましたが、主人公真鶴が、寧温が、幸せになってほしい!後半はそればっかり考えていましたw
    寧温が今この時代にいたら、何を思うのでしょうか?
    息子・明のその後も
    きになるー。
    沖縄への興味がぐっとわきました!読んでてたのしかったです!

  • 第四巻のラストはどうなるのだろうかと、ドキドキでした。

    琉球王朝のことについては、全くといっていいほど知識はありません。だからこそ楽しめたと言うのも本心ですが、少し罪悪感も覚えました。あまりにも知らなすぎるので。

    登場人物それぞれの考え方や言動がとりわけ心に残った作品でした。

    沖縄に行ったのは、もう何年も前のことだし、首里城にも行ったけれど、また行きたいなと思いました。あ、真美那は好きですよ、とても。

  • 何とか最後まで読んだけど…
    後半に来るにつれて無理がある感が増大。最初は展開の速さが痛快だったけど、結局同じこと繰り返してるだけ?という印象が強くなり、飽きてしまった。
    最後、主人公だけが幸せに暮らしましたとさ、という終わり方がいただけなかった。

  • 意外な結末!
    最終巻に相応しいおわりでした。

    朝薫兄さんや多嘉良、その息子、真牛、思戸が良い味を出していて面白い。
    嗣勇のご乱心には二回も驚かされました。

    一応はハッピーエンドなのかな、と思います。
    一読の価値有りです。

  • 最終巻。
    琉球の歴史の入門としては、とても良くできた作品だと思う。
    テンポもよく(よすぎて最後にこんなに年くってたの?ってびっくりしたけど)読みやすかった。
    ところどころに出てくる、ライトノベル的なものは、この物語の壮大さから見ると蛇足のようにも思えなくもないけれど、これがこの作者の持ち味なのかも。

    琉球という「国」がなくなって生きていけなくなった者と、国土があればよいという者。最後にそこで道が分かれてしまったと。

    仲間由紀恵さんの寧温、はまり役になりそうだなー。

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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