テンペスト 第四巻 冬虹 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1263
感想 : 149
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043647149

感想・レビュー・書評

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  • 題材は凄く面白いと感じました。ただ他の方も言っているように、料理の仕方が何とも…といった感じです。

    主人公とその周りのキャラクターが魅力的であることと、沖縄の歴史に関する記述は見事でした。結局、そこに惹かれて星4を付けましたが、最初の読み始めの印象とはだいぶ違った感じでした。
    著者は沖縄出身で沖縄の歴史や文化に造詣が深いようなので、その点から見ると確かに沖縄を伝える良い資料だと思いました。しかし、物語として見るとキャラは立っていますが、矛盾点や読みにくさがどうしても目立ちました。
    結果的に今度行く沖縄に興味を持てたという点から星5、面白いのに気になる点があるという内容面からは星3ということで、間をとって星4としました。

  • 巻ごとのレビューで書いてるけど
    やっぱりどうしてもどうしても文体が苦手。
    台詞回しとかね、情景描写とかね、
    もうちょっとなんとかならなかったのかな、って…

    でも内容は好きだー。
    ラストも救いがあっていい。
    遠回りしてのハッピーエンドは満足感がある。
    お疲れ 、真鶴。

  • ようやく真鶴と雅博が結ばれる。
    何年もの間、よくお互い思っていられたよね~。

  • 2014/02/03【古】 105円

  • ★★★☆☆

  • 琉球がこんなに魅力的な歴史を内包していたなんて…!! キラキラとした残像が今も焼き付いて、文化と教養の国の歴史が感傷的に心に浮かび上がる。濃いキャラクターの漫画的なやり取りを通して、堅苦しくなく楽しく琉球の歴史、政治、風土がすっと入っていった。

    あらすじ:
    清と薩摩の支配を受ける琉球王国は、武力をもたない代わりに文化と教養で大国に飲み込まれることなく主権を確立してきた。それを支えてきたのが、中国の科挙を模した科試を乗り越えた役人たち。受験資格を持つのは男子。名門孫家の再興を夢見る父親に、女子だからと見捨てられた少女真鶴は高い教養を身に付けており、官吏になることを夢見ていた。そして少女は決心する。宦官として科試を受ける、と。孫寧温としての真鶴の物語が始まった。

    あまり「性別を偽って云々」という展開が好きじゃないのは、リアリティがないから。この展開にリアリティを求める人はまあ殆どいないとは思うけれど、「いや、気付くだろう」と心の中で突っ込みを入れまくって、物語を皮肉な目でしか読めなくなる、悲しい体質を持ってるもので。
    でもリアリティの面で効果的かはともかく、「宦官」という設定を入れるのはもう本当に目から鱗で、ぐっと興味が湧いた。それも、清の科挙を取り入れた、科試という官吏登用試験があるんだから、宦官がいたっていいじゃないか。物語の深みが増す絶妙な一手に拍手喝采!

    清と薩摩の支配を受ける、琉球が内政干渉を出来る限り排し、主権を守るためには天才的な役人が必要だ、という。無理難題に挑む難しい話になるのかな、と思いきや、寧温や朝薫たちのやり取りが面白くて、さわやか且つギャグ的な展開を交えつつ、話が進んでいくのが心地いい。
    朝薫がまた若い悩みを抱えるのが、可愛いじゃないの。読者は心の中で「君は正しいんだよ!」と言っていたに違いない。
    琉球の大奥、御内原のやり取りが特に笑える笑える。いちいち喧嘩をせずにはいられないんだから。つっこみが絶えない場面の連発。濃いんだけど、めちゃくちゃ濃いんだけど、胃もたれはしないんだよなあ不思議。真牛なんてとくにめちゃくちゃなキャラなのに、今時珍しい噛ませ犬的ド・悪役っぽいのがはまっていて、「あー、またコイツが出ていたよ」という気分にさせられ、でもこういう人間の様式美をしっかり踏まえていて、本当にスバラシイ。喜劇の人だけどそれでは終わらない、強烈な印象付けをしてくれる脇役だ。
    それと真美那。彼女のような友達が欲しい。何が本当に大切か解っていて、手段を択ばないハイパーお嬢様にしかし周りは振り回されるが、許しちゃうんだよなあ。とんでもなく賢く、懐の深さは登場キャラクター随一。
    いつも愛人の頼りになるんだけど夢見がちな嗣勇お兄ちゃん、麻先生や多嘉良。本当に魅力的なキャラクターが盛りだくさんで、楽しかった。
    しかしながらわたしは浅倉の魅力があまり解らないんだよなあ…。初恋の人としてはいいかもしれないけれど…。

    激動の時代を経験したのは沖縄も同じ。しかし本国ともいえる江戸幕府よりも賢く振る舞えたのは、優秀な人材がいたから。
    笑いながら生きていた彼の息吹を、この本に感じた。

  • 3巻ぐらいに感想を書きました

  • 琉球王朝が終わる時代を描いた小説。
    琉球が日本の沖縄になる前の話で、知らないことが多すぎたのでとても興味深く読めた。
    蒼穹の昴に通じるものもあるかな。


    女でありながら、宦官と身分を偽って王朝に上がった寧温を中心にテンポ良く物語は展開するので、読みやすかった。
    波乱万丈の中で垣間見える歴史や文化の面がおもしろかった。

  • 薩摩と清国の間で外交術で生きてゆく琉球を舞台にした、歴史小説要素を加味した昼メロドラマ。ヒロインである真鶴(ヒーローでもある寧温)にこれでもかという艱難辛苦が襲い掛かる。

  • 一気読みしたけど、もうちょっと終盤は中身を濃くしてほしかった。ストーリーはとても魅力がある分、もったいない。

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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