隣之怪 木守り (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 62
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043653133

作品紹介・あらすじ

古道具商の父親が買いつけてきた薄汚れた紙箱。蓋には、御札のようなもので封をしてある。開けてみると、こけしに似た木の棒が入っていた。なんとなく奇妙な味わいを感じて店のガラスケースに飾っておくと、すぐに売れた。しかし数日後、その客は右手に怪我をして品物を返しにきた。不思議なことに、そんなことが何度も続く。そこに秘められた恐ろしい因縁とは…。「新耳袋」には書けなかった怪談集、シリーズ第1弾。

感想・レビュー・書評

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  • 人は生きていると、良し悪しに関わらず何かしらの因縁に見舞われることがある。脱却できるならばいいが、死ぬまで付きまとうほど根深いものもある。そんな呪いようなそれに、私達はどう対峙したらよいのだろうか。




    読んでいていろいろな意味で震えた作品。非常に良質な話ばかりだった。呪いめいた因縁に理不尽にも付きまとわれる語り手やその家族たち。どの因縁もねっとりとまとわりつく嫌な感じが読んでいるだけで伝わってきて、ぶるりとした。非常に恐ろしい。特に怖かったのが「遺書」「末路」「ふたり」。「遺書」は浮気したと思われる男女の内、女性が先に死に(死因は不明)その後、男が後を追うように女がかつて住んでいたアパートで自殺する……。よくある男女の後追い自殺のような話だが、自殺した男性の近くにあった遺書と、そして遺体が発見されるまでの間ずっと聞こえていた足音にぞっとする。遺書は発見当初はやや変な格好で見つかったなと、読んでいて首をひねったが、まさかそんな事が最後に書き記されているとは。死してなお執着しているのか、足音は誰のものなのか?そしてその執着心が男性に死をもたらしたのか?
    など様々な想像ができて、非常に怖かった。「末路」は家に現れる正体不明の影に家族が追い詰められ、壊されていく様が非常に怖かった。金貸しを生業としていたため、多くの因縁や恨みなどを背負ってしまったのだろう。取り立ても厳しかったようだと書いてあるのでその辺りは自業自得かもしれないが、一人ずつ真綿で絞める様にじわじわと執拗に混乱させていく様はとても、人間独特のいやらしさを感じた。出てくる幽霊たちはどれも顔が見えず誰かがわからない、だがしかしそこにいるという様子も、より一層気味が悪かった。最終的に一部を除いて同じような壮絶な死にざまをたどった一家が死後、魂となった後どうなったか考えたくないが、死んだ後も安らかにとはいってなさそう。まさに末代まで祟らんとする人間の怨念に鳥肌が立った。 「ふたり」は恋人同士である男女が互いに話すまでわからなかった家系の因縁話。これは分かってよかったのかよくなかったのか……。おそらくこの後二人は別れただろうから最悪の結末は回避できたのか?などいろいろ考えてしまう。女性の恐怖体験ばかりが先行していたが、どちらも両家の血が絶えそうな話でそれって本当に大丈夫なのだろうか。感想であげた話以外も全てとっても良質!全部おもしろく、おもしろくない話がなかったといっても過言じゃない。すっかりこの作者のファンになってしまった。

  • 「新耳袋」シリーズの共著者、木原浩勝氏の著作である。

    新耳袋は、中山氏が第三者目線で書いているのに対し、木原氏は語ってくれた「私」の視点から書かれている。そのため、体験者の話を直に(耳下に)聞いているような効果がある。

    はじめの方の話は軽い肩慣らし程度で進んでいき、後半の「木守り」「発狂する家」「井戸」「末路」は読み応えがあり、さらに、あとから怖さが湧いてくる出色の書きぶりであった。

  • 新耳袋シリーズでは三人称でしたが、このシリーズは一人称で綴られていくようです。
    三人称→一人称に変わっただけで随分と印象が変わりますね。
    あとがきでも記されているとおり、新耳袋では書かなかった因果や呪いに纏わる話を、、、ということですが、「井戸」で書かれている古井戸なんかは本当に怖いなぁと思う。
    「記憶」「タバコの火」「はじめてのおつかい」「木守り」「発狂する家」あたりが好みでした。

  • 『新耳袋』完結後に始まったシリーズ「隣之怪(となりのかい)」その一。
    実は発売後間もなく読んでいたのを思い出して登録。
    『新耳袋』には収録しなかった(出来なかった)因果話、
    呪いに纏わる話、25編。
    家屋、壁、家具、古道具――といった、
    人の生活の「内側」を形作るものに纏わるエピソードが集まっているので、
    例えば旅先で遭遇した怪異といった話よりも、
    ひたひたと身に迫ってくるような、静かな怖さがある。

  • これから夏に向けてぴったりな短編集。

    読んでいると物音・背後が気になります・・・

  • 表紙からして、すごく不安感を覚える。
    表題の「木守り」は切ないです。
    「発狂する家」の最初の施主が家を気に入らなかった理由が気になる。
    読みやすかった。

  • ぎぃが好きな話。

  • 怖いだろうと思ったけどもやっぱり怖かった
    出来事が怖い話もあれば、人が怖い話もあった
    鈍い私には見ることがないけれど、怖かった。

    思い出した不思議体験は、母方の祖母がなくなった日に、おばあちゃんの気配を感じた瞬間があって、亡くなった時にさよならを言いに来てくれたのかなと勝手に思ったこと。

  • 新耳袋に慣れてるせいか少し読みずらかったですが、流石の面白さ

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著者プロフィール

きはら・ひろかつ 1960年生まれ。主な著作に「新耳袋」「隣之怪」「九十九怪談」の各シリーズがある。マンガ・ドラマCDの原作の他、出版、ゲーム、公式携帯サイト「怪談百物語新耳袋」等のプロデュースを手掛ける。

「2019年 『九十九怪談 第十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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