戦国秘譚 神々に告ぐ(上) (角川文庫)

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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043659012

感想・レビュー・書評

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  • 剣豪将軍・足利義輝と三好長慶、松永久秀との争い。
    織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を討つ以前の話だが、
    政の中心地である京の都ではどのような権力闘争があったのか、
    そのような視点から物語る作品はなかったように思う。

    主人公は近衛前久、本作では前嗣であるが、朝廷を軸として、
    戦国時代のみならず、日本を通時的に読み解くうえで、
    たいへん勉強になるものだった。目から鱗が落ちるとはまさにこのことだ。

  • 本書は、「信長燃ゆ」の前編にあたる作品。主人公は、「信長燃ゆ」でも朝廷の黒幕として打倒信長に奔走した近衛前嗣(後の前久)。
    衰微激しい朝廷を、幕府と一体となって復興せしめようと目論む前嗣の、政敵との激しい権力闘争。三好長慶及びその家令、松長弾正に都を追われ堅田に逼塞している盟友、足利義輝。前編は前嗣の画策により将軍義輝が挙兵するまで。物語に妙味を加えているのは、祥子内親王とのただならぬ関係。前の帝、後奈良天皇より婚儀を禁じられ、その交わりが前嗣に相手の心を読む能力をもたらす。

  • 本作の主人公としての近衛前嗣…面白い!!朝廷をリードする近衛家の後継者で、若くして関白に任じられた貴公子であるが、朝廷や幕府の明日を考えて「自ら動く」人物である。能書家で笛の演奏が得意で、学識が在る他方で、縁が在る薩摩の島津家から献上された短筒を愛用する射撃の名手でもあり、鷹狩りや乗馬も得意だ…こんな近衛前嗣が、躍動する物語である…

  • 近衛前嗣と祥子とのすれ違いの愛を描いている 三好長慶と将軍家の戦いはある意味滑稽 

  • 織田信長が台頭する前の京都。関白・近衛前嗣と将軍・足利義輝は兄弟同然に育った従兄弟。前嗣のライバル西園寺公朝、後奈良帝の祥子内親王(前嗣の恋人)、跋扈する三好長慶・松永弾正らの脇役を配し、これまた妖怪の世界が出てくる伝奇小説。やや冗長でした。

  • 戦国時代に朝廷を守ろうと奮闘した左大臣・近衛前嗣についてのお話で、「信長燃ゆ」「関ヶ原連判状」と続く、戦国三部作の第1弾となっております。

    幕府と朝廷の権威を守ろうと頑張る中、既成の世の中を壊して新しい世の中にしようとしていた松永久秀との知恵比べがなかなか面白いです。

    ただ、本のタイトルにもありますが、当時の朝廷では「神」ということに関わり深く、お祈りや縁起、呪いなども登場し、朝廷のしきたりもいっぱい出てきますので、分からないことが多く、読むのは結構大変でした。

    ↓ ブログにも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_bdee.html

  • 近衛前久の若き日々の姿を描く。
    従兄弟であり13代将軍足利義輝と共に公武一体での国の建て直し目論む前嗣(前久の若き日の名)
    朝廷の仕来たりや歴史、宗教、あらゆる知識を網羅していないと書けない作品だと思った。

  • 応仁の乱以降、室町幕府は力を失い、群雄が割拠し、世は乱れた。古来、神々に礼を尽くして地上の平安を守ることを務めとしてきた京都朝廷は、衰微を極めた。弘治三年(一五五七)、後奈良天皇は後事を若き関白・近衛前嗣に託し、崩御。前嗣の奔走が始まる。幕府再建による朝権回復を目論む前嗣は、都を逐われた将軍・足利義輝と結び、都を支配する三好長慶を除こうと計画。これを阻もうとする長慶の権臣・松永久秀の秘められた思惑とは?『信長燃ゆ』『関ヶ原連判状』へと続く、壮大な安部龍太郎の戦国三部作第一弾、待望の文庫化。

    2009.9.23読了

  • 新規購入ではなく、積読状態のもの。2007/11/20~24。山形への往復で。ありそうで無かった(知らないだけか?)織田信長出現直前の時代を取り上げた作品。足利義輝が朽木谷に逃れており、三好家に京、畿内を牛耳られているなか、奮闘する公家、近衛前継を主人公とし、松永久秀を敵役にしている。当時の天皇家や公家の窮状も良く描かれている。

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著者プロフィール

安部 龍太郎(あべ りゅうたろう)
1955年、福岡県八女市(旧・黒木町)生まれの小説家。国立久留米工業高等専門学校機械工学科卒。本名は良法。
図書館司書を経て1990年『血の日本史』でデビュー。2004年『天馬、翔ける』で第11回中山義秀文学賞、2013年『等伯』で第148回直木賞、2016年『等伯』で第5回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞をそれぞれ受賞。

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