戦国秘譚 神々に告ぐ(上) (角川文庫 あ 40-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043659012

作品紹介・あらすじ

戦国の世、衰微著しい京都朝廷で後奈良天皇が崩御し、後事を託された時の関白・近衛前嗣は朝権回復のために奔走を始める。室町幕府再建が不可欠と、将軍・足利義輝と連携する前嗣の前に、松永久秀が立ちふさがる。

感想・レビュー・書評

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  • 先日柳広司さんの風神雷神を感動しながら読み終え、なんか風神雷神に似た表紙の小説持ってたよな~と思い探してみたらこちらでした。

    関白近衛前嗣が主人公の小説。
    後奈良天皇が崩御されてからは苦労の連続で、公卿同士の権力闘争がどろどろとしている感じで暗い。
    その中で天皇朝廷の為に奔走し続ける前嗣。

    こんなに朝廷や天皇に権威しかないのは驚いた。
    貧乏公卿が多く簡単に徳川家康に思い通りに操られていたというのは知識としてはあったが、当時の公卿は本当に苦労していたんだなと感じた。
    小豆坊と天狗飛丸とのエピソードぐらいしか楽しい感じはなく下巻もさらに暗くならないか心配ではある。

    2022/2

  • #読了 近衛前久のことはずっと気になっていたし、歴史の流れも全然知らなかったのでその点は新鮮で楽しめた。けれど、まさか金縛りの術とかテレパシーとか出てくるとは思わなくてびっくりしてしまった。

  • 足利義輝、三好長慶の話はあまり知らなかったので面白かった。飯盛山に登ったとき、三好長慶を大河にというポスターがあったことを思い出した。

  • 「神々に告ぐ(上)」(安倍龍太郎)を読んだ。
    『近衛前嗣』がいかなる人物なのか全くの白紙状態のまま読み始めたのだけれど、これはまたなんとも興味深い公家さんだ。戦国の世をどう生きていくのかこの先が楽しみ。
    なお、前嗣の前に立ちはだかる『松永久秀』は私の妻がご贔屓の武将なのである。

  • 戦国時代の知識が乏しい自分にとって近衛前嗣という人物も初見に等しいのですが、なかなか面白い作品でした。
    それにしても、こんなに将軍が軽視された時代があったとは驚きです。

  • 剣豪将軍・足利義輝と三好長慶、松永久秀との争い。
    織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を討つ以前の話だが、
    政の中心地である京の都ではどのような権力闘争があったのか、
    そのような視点から物語る作品はなかったように思う。

    主人公は近衛前久、本作では前嗣であるが、朝廷を軸として、
    戦国時代のみならず、日本を通時的に読み解くうえで、
    たいへん勉強になるものだった。目から鱗が落ちるとはまさにこのことだ。

  • 本書は、「信長燃ゆ」の前編にあたる作品。主人公は、「信長燃ゆ」でも朝廷の黒幕として打倒信長に奔走した近衛前嗣(後の前久)。
    衰微激しい朝廷を、幕府と一体となって復興せしめようと目論む前嗣の、政敵との激しい権力闘争。三好長慶及びその家令、松長弾正に都を追われ堅田に逼塞している盟友、足利義輝。前編は前嗣の画策により将軍義輝が挙兵するまで。物語に妙味を加えているのは、祥子内親王とのただならぬ関係。前の帝、後奈良天皇より婚儀を禁じられ、その交わりが前嗣に相手の心を読む能力をもたらす。

  • 本作の主人公としての近衛前嗣…面白い!!朝廷をリードする近衛家の後継者で、若くして関白に任じられた貴公子であるが、朝廷や幕府の明日を考えて「自ら動く」人物である。能書家で笛の演奏が得意で、学識が在る他方で、縁が在る薩摩の島津家から献上された短筒を愛用する射撃の名手でもあり、鷹狩りや乗馬も得意だ…こんな近衛前嗣が、躍動する物語である…

  • 近衛前嗣と祥子とのすれ違いの愛を描いている 三好長慶と将軍家の戦いはある意味滑稽 

  • 織田信長が台頭する前の京都。関白・近衛前嗣と将軍・足利義輝は兄弟同然に育った従兄弟。前嗣のライバル西園寺公朝、後奈良帝の祥子内親王(前嗣の恋人)、跋扈する三好長慶・松永弾正らの脇役を配し、これまた妖怪の世界が出てくる伝奇小説。やや冗長でした。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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