戦国秘譚 神々に告ぐ(下) (角川文庫 あ 40-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043659029

作品紹介・あらすじ

正親町天皇を弼け、将軍義輝と連携して秩序回復に当たる前嗣の前に立ちふさがる、実力者・松永久秀の狙いとは何か。そして、古来より神々との対話をつとめとしてきた朝家の、恐るべき秘密とは。対決の時が近づく!

感想・レビュー・書評

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  • #読了 下巻はもっとファンタジーだった。呪詛が絡んできたり、テレパシーでがんがん遠方の人とやりとりしたり。歴史小説というより、歴史ファンタジーかな。びっくりしたまま読了してしまったので、いまいち入り込めず……残念。
    近衛前久と松永久秀がとても魅力的に描かれていて、さらに二人についても知りたくなったのは良かった。

  • 前嗣のような人がいることは全く知らなかった。
    行動力のある公家。目の付け所がおもしろい。これからの
    前嗣がどうなるか知りたくてWikipediaを見たがよくわからない人でした。

  • 「神々に告ぐ(下)」(安倍龍太郎)を読んだ。
    正親町天皇即位の礼に向かっての緊迫感が凄まじい。
    『近衛前嗣』と『松永久秀』二人を軸に信長や長尾景虎をも巻き込み物語は未曾有の高みへと駆け上るのである。
    いやー面白かった。
    もっと安倍龍太郎作品読まねばなるまい

  • 戦国時代末期の権威が落ちた天皇家・朝廷と、中立的な将軍、権力を求める武家の微妙なバランスが面白い。
    野望を持ちつつも、天皇家ひいては神々を敬う日本人としてDNAの奥底に記憶された価値観を蔑ろにできない様子は、明仁天皇の退位が間際な時期に読んだだけに感慨深いものがあります。

  • どうして、長尾景虎や斎藤義龍、織田信長らが足利義輝の号令により、
    上洛を試みたのか、その背景がストンと落ちてきた。

    松永久秀と織田信長の関係性もきわめて印象的に描かれていて、
    巷間で指摘されるところの、織田信長は松永久秀を特別扱いにしている、という点についても、
    よくよく呑み込めるようになっている。

    とにもかくにも一読の価値あり。

  • 後編では、前嗣が策を労しすぎて少々鼻につく。祥子内親王とその母加奈子の怨霊との思念の闘いせも、オカルトチックすぎて少々興ざめな感じ。むしろ旧弊を打ち破ろうとする松長久秀が魅力的に描かれている。著者の戦国三部作、時代順に読めばよかったかなあ。

  • 朝廷や幕府というような、永く続いた権威が揺らいだ時代に、その権威の根幹と向き合い、同時に来る時代でのそれらの在り方を模索しようとした貴公子の物語…一言で本作を語るとそういうことになるであろうか?そして祥子内親王を巡る、伝奇モノ、恋愛モノという要素も在る…

    「永く続いた権威が揺らいだ時代」とさり気なく言ってみたが…或いはそういう辺りに“今日性”が深く根差しているかもしれない…

  • 歴史フィクションエンターテイメントの真骨頂的な作品。関白近衛前久と京を掌握した三好家で台頭する松永弾正久秀の対決。政治的な対決でもあり、天皇の娘を争う恋敵でもある。しかも天皇の娘と関係すると例の霊感テレパシーが身に付いてしまい、かつ、天皇の娘には怨霊が付いていて、三つ巴か四つ巴かもう訳がわからない。
    「等伯」とは作風が全く違う完全にエンターテイメント。それにしてもどの歴史小説でも織田信長の家臣にして謀反を起こし滅びた脇役の松永久秀が、ここでは憎らしいほど強い悪役でキャラが立っていた。ある意味カッコいい!

  • 朝廷は代々、非業の死を遂げた者の怨霊を祀って怨霊を封じて来た。それは死者を悼むというより、現世に災いをなすことを避けたいという利己心からなされたものだ 朝廷は神社を作って怨霊がこの世に現れることを防ごうとしたのである

  • 祥子内親王と采女の産まれの秘密が明らかになり、正親町帝の即位の礼における呪いの預言から話は一気に盛り上がってきます。そして圧巻は即位に際して上洛した若武者・織田信長の登場です。それまでの京都の武家・公家の世界に全くの革命児が新鮮に登場する印象を与えます。そしてそれに好意を感じる松永弾正。主人公の前嗣は豊臣秀吉の養父になったという人物。その若き日の姿など、普段、信長・秀吉が上洛するという立場から見ていただけに、その都の様子はあまり知らない世界であり、興味深いものがありました。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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