獣たちの夜 BLOOD THE LAST VAMPIRE (角川ホラー文庫)
- 角川書店 (2002年7月10日発売)
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感想 : 30件
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Amazon.co.jp ・本 (322ページ) / ISBN・EAN: 9784043666010
作品紹介・あらすじ
1969年夏。デモに参加し、機動隊に追われた高校生零は路地裏で殺人現場を目撃する。日本刀で何者かを惨殺した犯人は、あどけないセーラー服姿の少女だった。その日から零の回りで不審な出来事が相次いで起こる…
感想・レビュー・書評
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なんか押井御大は、『BLOOD』関係へのいろいろについて「鬼は鬼でなければ倒せない」といふコピーを見るまで嫌だったとか何でうちでとか何とか言って作品へなんか言ふのに消極的だったと言ふのばかりが印象に残るので、その
『Blood』関係の小説で、自身に取材したキャラクターが出て、しかもなんか言ふといふ(作中登場する体育教師は、自伝のやうなものでもなんか出てきた)、アレなものなのにいまだに違和感がある。
冒頭の学生運動に関する、戦士としての学生の記述や、その辺の描写がなんか、東京戦争を経験した人ならではなんだらうなぁとか思った。
この本が出た当時は別に普通だった、「おさるはパタパタできない」説は、これが出た後、四つ足全てに翼をもつ恐竜が出ることで、鳥の起源は樹上でもふもふしてた説に説得力が出始め、若干あれなんだけど、まぁ。
後藤田さんて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
押井のキャラは小説でもよくしゃべる
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高校の修学旅行に持って行ったようないかないような……
プロダクションI.Gの『Blood the last vampire』が好きで手が伸びた。 -
2010.06.13.読了
後半はたちの悪い酔っぱらいみたいな独白。
一方的な情報量が多すぎて読みにくかった。
キリスト教的世界観に於いて、
「猿と人の違い」
「肉食と罪」
「動物に対する人間の立ち位置」とかおもろかったけど。 -
~内容(「BOOK」データベースより)~
飛び散る血飛沫、鈍く光る刀身、闇に揺らめく蒼い炎のような眸―。機動隊に追われて逃げ込んだ路地裏で高校生零が見た恐るべき殺戮現場。その犯人はまだあどけないセーラー服姿の女子高生だった。そして次の瞬間、彼女は零に向かって刃を振りあげた―。平凡な日常から足を踏み出した時、恐怖の闇が牙を剥く!!押井守が描くゴシックSF・アクション。
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一九六九年高校生の零は、都内に居た。都内では、反代々木派と称された学生労働者の部隊とこれを規制する機動隊とで激しい衝突を繰り返してた。零は、高校生との仲間と共にデモに参加していた。しかし、機動隊とぶつかりデモ隊は、追われ逃げ出した。一心不乱に逃げ出した零は、路地に逃げ込んだ。そこでは、大量の血で覆われてあどけないセーラー服姿の少女の片手に日本刀。その側で惨殺された死体が・・。彼女の目は、どこか異質でそして、零に向かい日本刀を振りかざした。後ろから二人の男が割って入って零は、殴られ意識を失う。翌日、その事件は、新聞にも取り上げられず無い事になっていた。後日、零の部屋に刑事だと名乗る一人の男が近づいてきた。
少女の正体は?刑事の男は、何故近づいて来たのか?事件の真相とは?
題名で書いてある通り、ヴァンパイヤの話です。この本は、ストーリーの展開が悪すぎます。半分以上薀蓄です。前半の当時の学生運動の話。中盤の人間の話。ん〜途中で放り出そうと思ったほどです。中盤の話は、哲学・神学・生物学・経済学とちびちび出てきます。ちょっと名前を挙げるとレイモンド・ダート アードリー アポロン ディオニュソス アルテミス マルクス レーニン モンテーニュ コペルニクス ジョルダーノ・ブルーノ ハイデッガーヴィットゲンシュタイン キルケゴール サルトル ニュートン ルネ・デカルト ベーコン ルイ・ラシーヌ ジャン・メスリエ ヴォルテール ルソー ポープ ベンサム カント ヴュフォン ヨハン・ゴットフリート・フォン・ヘルダー シャルル・ボネ エラズマス・ダーウィン チャールズ・ダーウィン アルフレット・ラッセル・ウォルス マルサス スペンサー・・・・・・・・。これじゃ付いていけない・・・ -
やたら読み応え有る。SFホラーの舞台が、反体制運動甚だ盛んな69年リアル東京なんてオモロイじゃないですか。狩猟論がものすごい。
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『吸血鬼VS吸血鬼ハンター』という古典的なテーマに学生運動や高校生の無力感や閉塞感を絡め、哲学的・宗教的な理屈を交えながらテンポ良く進んでいく一冊。 アニメ『BLOOD+』から流れてくると戸惑うかもしれないが、いつの間にか押井ワールドに引き込まれている自分に気付くはず。 角川ホラー文庫から創刊されているが、ホラーというよりは普通の小説として出版して欲しかったなーと思わずにいられない。
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後半のペダンチックなやりとりに押井ワールドが集約されている。
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ゲームや映画などのシリーズのひとつ。後半になるまで、こうした話だとは気づきませんでした。(2001.9.10)
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高校生活動家が怪物と刀で戦う謎の少女と出会うが、それだけ。
講釈と高説がずらずらと続き、肝心な小夜のアクションがほとんどない。 -
後半の老人とのウンチクパートは流し読みしちゃっても問題なし。
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2018/7/23読了
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押井さんが物知りで蘊蓄好きで、頑固者であることがよく分かる一作。それ以外には何も得られない一作。本筋だけなら100ページもいらない内容で、つまり残りは読んでも詰まらない。専門的な話を並べ立てて現実に吸血鬼がいるとしたらどういったものとなるか、という考え方と書き方は面白いが、BLOODのノベライズを期待すると肩透かしどころではない。
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バトルを期待したが何もなかった。
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上海哀儚が感情的ならこっちは論理的
論理?ってか、オタク的思考に忠実
に自分の知識を自分の好きなだけ、
好きなように並べたててみてるだけ?
まぁ、元々ブラッドオブバンパイアに
ストーリーっちゅうストーリーが存在
してないからこそできるワザ。
人間は何をもって人間かを進化論、哲学、
宗教的思想をごちゃまぜにして滔々と
語られても無理!!
とりあえず疲れた…。 -
テンポが映画っぽいなぁということで、読みやすいなと思いつつ、しかしながら頭がついていかない展開だったので近いうちにまた読もうかと思います。
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劇場版「BLOOD」のシリーズ。TV版と違い、シュヴァリエは登場しない。今のところ。
今回小夜は学生運動が盛んだった1960年代後半の日本に現れた。学生運動家に擬態した翼手を追う。その騒動に巻き込まれた高校生の話である。
この本の読みどころといえば、押井氏の語りにあると思う。小夜の話より、語り、である。
死体について、ヨーロッパのとある富豪の歴史、そして人類の歴史まで話はおよぶ。それはそれは、本編の文より熱い。
この語りの部分がまた、読んでいて好奇心がそそられる。
同シリーズでありながら、藤咲氏の書くものとは全く違う雰囲気のものになっている。
この手の本でひさしぶりに字の詰まった本を読んだ。
著者プロフィール
押井守の作品
