老子・荘子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

著者 :
制作 : 谷口 広樹 
  • 角川書店
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本棚登録 : 215
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043675036

作品紹介・あらすじ

老子と荘子の考えは、たがいに融けあって「道家思想」という大きな思想を形づくっている。広大な大地を背景として生まれたこの思想は、「無為自然」にもとづいた生き方を理想とする。「大器晩成」「胡蝶の夢」など、人生を豊かにするおなじみの言葉と寓話が満載。

感想・レビュー・書評

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  • 老子荘子の主な言葉を原文で引用し、解説がつけられている。
    原著を読むとなると大変なのでコンパクトに読んでみるのにはとても良い。

    老子や荘子の考えは現実離れしていたり、
    言葉遊びに感じる部分も多く、
    韓非子や荀子、孫子や孔子の方が的を得てるなと感じる。

    無為自然はあたかも自然の摂理のようだが、生命が生きる上での論理には当てはまらないし、真実をついてもいない。
    無を説くも中庸のほうが説得力がある。

    ただ、老子の考えは一部ハッとする所もあった。
    仁を絶ち義を棄つれば民は考慈に復る。とか。

    荘子に至っては何でこんな頭の悪い人が賢者となるのか意味不明。おっさんのぼやきにしか思えなかった。

    本自体はコンセプトがとても良いので、
    老子や荘子の思想に触れるのにはちょうど良いでしょう。

  • 2015.9.1儒教に並ぶ中国古来の宗教である道教、その根本思想である老子と荘子について、いくつか抜粋してその思想的エッセンスを紹介した入門書。ともに世界の捉え方は同じで、大自然を生み出した、宇宙のビッグバン手前の無、混沌を道と呼び、人間もその生成された大自然の一部としてそのルールに従うべきとする。ただこの2人は、前提は同じにしても、強調点が異なっているようである。老子の根本には無為自然、足ることを知り、止まることを知るべしというところに着眼点がある。自然の生き物に、分を超えて欲望に振り回されるものなどいない。皆必要に応じ求め、ただただ何も目指さず成長し、ただ素朴に生きる。文化文明による発展、便利さ、効率、自然の克服による欲望の肥大化が現代であり、それらは不自然な行いであり、人間の本性ではないとする。赤ん坊の如く、大地に根をはる木々の如く、大海に流れる水の如く生きる姿勢が、老子の説くところである。対して荘子の思想の根本には万物斉同、始まりの一つまり道からみたら万物の差異はないに等しく、つまりすべての存在には道がある以上価値があり、すべての存在には道がある以上その価値に差異はない、大も小も、美も醜も、生も死も、どっちがいいなんてなく、みんないい、そんな思想である。あらゆる存在には目的や価値があり、そこに差異がないというのはアドラーも同じようなことを述べてた気がする。あらゆる差異がなくなれば、何かを求めることもなくなる。宰相の地位も乞食の地位も変わらず、貨幣の価値も石ころの価値も同じ。するとこれらの価値基準は生きる上での基準にはならなくなり、では何を基準とするか、それは道のあり方である。老子を下敷きにしているので理想のあり方としてはこちらも無為自然ということになる。本当に大切なことは文字にはできないというのも、なるほどと思った。確かに野球について語っても、野球ができるわけではない。自転車の乗り方をいくら説明しても、結局転んで覚えるしかない。名人は技術の修練の先に、もはや技術を用いるのは自分の手足を無意識に動かすが如く技術と己が一体となる。技術と己という、言わば己と己以外が分割された状態から、原初の混沌の一なる同一化へ向かう、ここにおいて本物の領域へ到達するのだろう。禅の思想にも見られるような考えであり、思考では辿り着けない領域への関心がより高まった気がする。幾度となく、厭世的でとても現代には応用できないだろ、と思ったけど、なるほど確かに、先入観を解いて見てみれば、一理あるという教えがたくさんあるように思われる。仏教と考え方は違うが要点は同じで、要するに世の中の価値観は、実はそんなに価値がないよと。だから木鶏の如く一切に囚われず、ただ素朴に、人間のありのままに生きようという、無為自然の教えは、電車に乗れば広告まみれ、テレビを見れば美男美女のCMばかりの、高刺激社会において、傾聴の価値あるものだろう。老荘思想を学ぶ上で、これ一冊あればとりあえず骨格はわかるであろう良質の入門書である。

  • 老子→無。やる気ない。
    荘子→言いたいことはわかるけど・・・

  •  NHK Eテレの教養講座「100分de名著」5月は『荘子』であった。荘子に接するのは初めてだったが、玄侑宗久氏の解説がとても親しみ易く、もう少し原文にも触れてみたいと思い本書を入手した。

     本書は老子と荘子がセットになっているが、老子は以前かなり読んでいるので、今回は荘子の部分だけを読むこととした。

     解説部分は玄侑宗久氏による「100分de名著」のテキストの方が数倍詳しく解説してあり、しかも映像を通してだから、そちらに譲る。だが、原文と読み下し文は本書のほうが若干詳細(丁寧なルビが振ってある)なので、音読することができた。最近は現代国語や古典ばかりではなく、英語も音読の効用が取り沙汰されている。この際このような中国古典(いわゆる漢文)も、昔のお侍さんたちが勉強したように、大きな声で音読して親しみたいと思った。

     そして今回もブクログにはたくさんの引用を登録した。文章を引くことで、また親しみも倍加するように思える。

  • 高校生のころ、授業で少し荘子を読んで以来。
    荘子の方が書物としてもボリュームが多いはずだけど、この本では老子の方により多くのページが割かれている。
    聞いたことのある故事成語や言葉が、老子からたくさん出ていることにも驚いた。

    胡蝶の夢の話を、長らく一種のファンタジーのように理解してきた。
    本書を読んで、やっと思想的な背景が分かった。
    もちろん、こういう思想を生きることはできないけれど、不思議な感じがやはり好きなんだろうと思う。

    コラムも、天長節や五行思想、仏教徒のかかわりなど、老荘思想が与えたインパクトがわかるものが多く、楽しく読めた。

  • 加島祥造「タオ」と合わせて。入門編として。

    老荘思想、とよく聞くけれど、そんなにこのふたつは親和性が高いのだろうか。
    なんだか荘子は話が大きすぎて、ちょっとついていけないなあという感じがしたけれど。大陸的発想、なんだろうか。

  • 老子・荘子のダイジェスト版。訳文も注釈も読みやすく、わかりやすかった。
    普段、「こういう考え方が正しいんじゃないのかな」と思っていたことと違う考え方がばんばん出てくるので、自分の考え方や価値観を相対化することができて良かった。

  • 我が校にみえてる漢文の野村先生の著書です。とてもステキな先生なので、この作品も楽しんで読めました。

  • 老子と荘子から何章か抜粋し、各章毎に書き下し文、和訳、解説、原文の順に書かれています。漢文は苦手なので和訳と解説を読みました。

    「いま自分に与えられた状況に満足する」「不自然な行為は長続きしない」など思想がすごくやさしい。しかし、「学問をして知識が増すから無用の悩みが生じる」というのは実践するのに勇気がいるよなあと思いました。

    大器晩成や胡蝶の夢の出典が老子や荘子だったのは知らなかった。

  • ○この本を一言で表すと?
     老子と荘子の全体像を分かりやすく書いた初心者向けの老荘本


    ○考えたこと
    ・「老子」について、講談社学術文庫の「老子」とは若干解釈が違うところがいくつもあり、翻訳・解釈する人によって読み取り方が違う本なのだなと思いました。

    ・「荘子」が「老子」の12倍ほどの文字数というのにびっくりしました。「老子」が短いのか「荘子」が長いのか。。。

    ・二千年以上も儒家と道家がともに続いているのは、士大夫(中国の知識人)が公式には儒教的教養を身に付け実践しながらも、自由な一個人としての生活を楽しむ時は道家の思想に心のよりどころを求めた、という発想は面白いなと思いました。(『老子・荘子』解説 二 儒家と道家)

    ・全体として、「荘子」の方が「老子」よりも地に足の着いた考え方をしているように思いました。「荘子」は寓言(たとえ話)が多く、話が分かりやすい上に読んでいて面白いなと思いました。

    ・「老子」もそうですが、「荘子」は元が「荘子」だとは知らなかったいろんな故事成語、エピソードに満ちているなと思いました。朝三暮四(斉物論編)、胡蝶の夢(斉物論編)、無用の用(人間世編)、明鏡止水(徳充符編)、莫逆の友(大宗師編)、古人の糟魄(天道編)、邯鄲の歩み(秋水編)、井蛙は以て海を語るべからず(秋水編)、木鶏(達生編)、君子の交わりは淡き水のごとし(山木編)、蝸牛角上の争い(即陽編)

    ・「老子」のいう「道」はすべての根源であり、ただそれに近づくことを目的にすべきものと書かれていましたが、「荘子」では道はどこにでも存在し、虫にも瓦にも屎尿にも存在すると言っていて、同じものを指しているのかもしれないですがアプローチの仕方が異なるなと思いました。「荘子」も「道」はすべての根源という考え方は同じですが、同時にすべてに存在し、ゆえにあらゆるものはひとしく価値があると述べていてより深く述べている印象があります。(知北遊編)

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