本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784043687022
作品紹介・あらすじ
長篠の合戦での鉄砲の大量導入、毛利水軍との戦いにおける軍艦の導入など、斬新な戦略で敵を駆逐する信長。新時代の構想を模索する彼は、光秀を後継者にしようと考えていた。しかし、事件は勃発した……。
みんなの感想まとめ
信長の革新的な戦略や思考が描かれ、彼の人物像が「天才」や「革命児」として浮かび上がる作品です。本能寺の変についての多様な解釈が提示され、信長と光秀の関係性が新たな視点で描かれています。特に、信長が明智...
感想・レビュー・書評
-
職務に狎れるな。
信長は職務に狎れることをひどく嫌悪した。
公務を疎かにすることは、世の乱れの源である。扶持も経費も冥加金、関銭等の税をもって賄われている。税は庶民が骨身を削り、汗を流し、智嚢を絞って稼いだ金である。
その金を、公務に携わる者は、暮らしの費えとして支給される。その代償として税を徴収された者に、全身全霊を捧げて奉仕しなければならない。それを不都合と感ずる向きは、公務に就くことを辞退すべきである。
職務に狎れると、公務員はおのれの受くる報酬を、私企業と同然であるかの如く錯覚する。私企業は、おのれの責任において利益を生むことに対する報酬である。公務員は利益を目的とせず、公務に殉ずることの報いである。それが狎れると、報酬は上司が与えるもの、あるいは為政者が恵むもののように思い込む。
公費も同様、天から降ったものか、地から湧いたもののように錯覚して、費消する際の使命感を喪失する。いつ費おうが、どう費おうが、おのれの恣意次第のように思い込む。
公費は飽くまで納税者の金であり、公のためのものである。費消するに当たっては、天地神明に背かず、納税者を納得させる理がなければならない。些かも私心があってはならないのである。
こういった考えで信長は、怠けて仕事をサボっていた公務員の男女を成敗、切り殺したわけです。
ぜひ、現代日本にもこのような総理大臣が欲しいものですね。
さて、本作での黒幕は...
近衛前久始め、朝廷方はあまり出てきませんでした。
森蘭丸あたりは上下巻合わせても、ものの数行。
信長の孤高の早すぎた天才感が溢れる作品でした。
ただ、途中、註釈解説で戦後陸軍やローマ帝国の話など、閑話休題が長くて微妙な感は否めない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
織田信長の解説本。小説と呼ぶには講釈が多すぎる。大統領制・光秀が後継者・秀吉が信長を暗殺するから先に信長を討つ全てに無理がありすぎ。エンタメとしてなるほどと思わせる腑に落ちる根拠がなかった。
-
小説であり、作者が解釈した本能寺の変の論文のようでもあり、とても勉強になった1冊でした。
変にムダがなくて良かったです。
大衆小説だと変なお色気シーンがあったりするけれど、それがないのが自分としては好印象でした。
その分、時代の解釈や信長さんの行動や光秀さんの行動をどう作者が解釈したのか、なぜそう解釈したかのがきちんと書かれている。
信長さん周辺の出来事ではあるけれど、この時代の流れを知りたいときに有用な本でもあります。
また、ある程度自分なりの歴史の知識を得てから、また読んでみたいと思います。 -
「本能寺」というタイトルだが、上巻は「信長一代記」で信長の天才的な戦い方や合理的な考え方に圧倒される。下巻に入り急転回で、本能寺の変への流れと変わるが、やや竜頭蛇尾の感があるものの全体としては、楽しく読むことが出来た。
この著者の文体は相変わらず古風で難解さはあるものの、それが返って重厚感をもたらしている。
我々は歴史の結果から判断して、信長の評価は藤吉郎>明智光秀という先入観で見ているが、この本を読んで信長の配下での「城持ち大名」の第1号が明智光秀で、木下藤吉郎はこれに2年遅れるという事実には驚かされた。宿老第1の柴田勝家に至っては3番目。しかも領地は与えるのではなく、貸し置くという信長の考えで、現代のサラリーマンと同じで転勤もありという考え方を持っていたというのには正直驚いた。そういう意味でも信長という人物は異能なのだろう。よくもこういう人物が日本の歴史上に現れたという事実に驚愕する反面、その歴史と対話?出来る楽しさは至福の時間でもある。 -
何か分からんけど最終話で急に流れというか何かが変わった気がするので『志、満たすべからず』に肉付けをして短編か中編で良かった気がする。上下巻は多い1冊で良い。 藤孝らの構想(陰謀?)は面白かったが、最終的には納得がいかない気がする。ナンボ想像以上に早い秀吉の大返しでも10日ほど掛かってるので、光秀と親しい藤孝なら首を取って、その足で将軍になるチャンスがあったと思うねんけどなぁ。多分、信長が居なくなった事で良しとしたって事なんやろな。
-
織田信長が美濃を取った後くらいから本能寺の変まで描かれているのですが、信長以外では明智光秀のことが多く書かれています。
信長の後を継いだのは秀吉ですが、信長がやりたかったことを必ずしも引き継いではおらず、そういう意味でも光秀が後を継いだらどうなったか?という視点も面白いですね。
光秀を後継者に、と考えると、本能寺の変の間際において、数々の光秀に関するエピソードに対する池宮さんの解釈に納得感がありました。
↓ ブログにも書いています。
http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_3008.html -
上巻で、天才信長と秀才光秀であんまり面白くないと書いたけど、下巻でも同じ。最大の謎である光秀の動機に関しては、ネタバレなので書かないが、凝ってはいるけど、説得力に欠ける。説得力を持たせるために、天才信長を強調していたのならば、あんまり良い構成ではないと思う。
信長が合理的な人物であったことは間違いはないだろう。
そして我々は、近代合理主義という思想のもとに生きている。だから信長を表するときに、「早すぎた近代人」としてしまう。その枠組なので、敵対者は、本願寺も足利義昭も一向宗も比叡山も因襲固陋の徒になってしまう。
そのフレームで始めるから、どうしても破綻する。破綻は言いすぎかもしれないけど、薄っぺらくなる。
合理主義と近代合理主義は似て非なるものだ。
ルソーのない信長は、ただの器用な人にすぎない。
まあ、最後まで光秀を重用し信頼していたというのは、リーズナブルだけどね・・・ -
うーむ。読みにくい。 今まで読んだ池宮の作品はどれも面白かったんだけど、なんかこの作品には独創的なビジョンに乏しい気がする。
-
説教くさいのを抜いたら満足いく作品。
色んな解釈がある事件だけど、この本は光秀をただの謀反者として書いてないところに惹かれた。 -
本能寺の変を経済的側面から捉えた傑作。
-
本作に描かれているのは「天才」信長であり「革命児」信長である。「狂人」でもなく「魔王」でもない。
謎の多い本能寺の変については、沢山の説があるが、ここで描かれる結末は、既得権益を滅ぼそうとした天才と、それについて行けなかった、ついて行きたくなかった過去の存在とのせめぎあいの結果である。50年の人生では、あまりに革命的な考えは実現できなかった、と言うことか。
数々の歴史上の資料の真偽を検証しながら、俗に言われる信長と光秀とは違った関係が描かれている。信長最期の日の、光秀の感情の動きに多少疑問を持ってしまうが。 -
津本陽の「下天は夢か」は史書を駆使することで信長像を想像したが人間性や独創性のいわゆる天才たる所以が希薄であったがもろに描ききったことでこちらの方が一枚上だ。
-
日本史上の最大の謎の一つである本能寺の変.なぜ光秀が信長を暗殺したのかを著者自身の解釈で描いておりそれなりの説得力もある.
-
鬼神のごとき機動力で、宿敵浅井・朝倉氏を屠り、戦国時代最強の武田軍団を殲滅し、石山本願寺宗徒を殺戮する信長。一方で宣教師に西洋の知識を求め、壮麗な安土城を築き、市場経済の改革を進める信長。―人間五十年、戦乱の収拾と新時代の創造には、残された時があまりにも少ない。それを知った英傑は、明智光秀こそ偉業の後継者と思い定める。しかしその決断には、時代と隔絶した天才ゆえの悲劇が…。日本史上最大の謎とされる本能寺ノ変に斬新な解釈で挑む歴史大作。
2009.4.25読了! -
信長と光秀が信頼しあっているだけに、従来の解釈より余計に悲しい。そのわりに、光秀の決断を促した材料が大した事無くて、ちょっとあれっていう感じ。でも面白かったけどね。
この本が好きな人におすすめの本
池宮彰一郎の作品
本棚登録 :
感想 :
