四十七人の刺客 下 (角川文庫 い 54-4)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 130
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043687046

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった
    忠臣蔵ですが、どちらかというと抗争・戦闘エンターテイメント

    単に仇討ちという展開ではなく、大石内蔵助Vs色部又四郎といった赤穂浪士と吉良家・上杉家との謀略・抗争劇です。

    いよいよ下巻です
    戦に先立ち、武器・食料の調達。さらに鎖帷子を装備することから、決行日は最も寒い冬の夜半から明け方と決めます
    この智略がほんとすごい
    一方の色部も内蔵助の動きを諜報
    そして、二人は屋形船で対峙することに!
    ここ緊張感あります。

    決行日に向けて、いよいよ刺客たちが選りすぐられていきます。
    一方吉良の新屋敷構築で守りを固めようとする色部
    さらにその新屋敷構築の材料・構築様を探査・探索させる内蔵助。どのような屋敷が建てられるのかを見極めます。
    まさに情報戦
    守る色部、攻める内蔵助

    そして、いよいよ決戦の日
    色部の裏をかいて、攻め入る内蔵助
    ここでの攻防は読みごたえあります。映像で見たい!
    夜の間に攻め落とせるのか?一進一退の攻防です
    そしてついに仕留めるという鉄板のストーリとなっています。

    好色の内蔵助が、時々に武士としての矜持を伝える。
    そんなギャップもありながら、エンターテイメントとして楽しめる物語でした。

    お勧め

  • やたら細かい描写があるが、ストーリー展開は随分荒いなぁ。
    討入の準備や采配に関しては孫氏の兵法と絡めてあり興味深く読めたよ。

  • 自分にとっての忠臣蔵の原型が、本作をもって出来上がりました。なるほど、こういう話だったんですね。年末に好んでテレビ放送される理由も理解できました。他の作者目線で見た忠臣蔵とか、映像作品とかも見てみたいと思います。とっかかりとして、物語展開も面白く、人物描写も巧みな本作は、打ってつけだと思いました。

  •  大石内蔵助vs.色部又四郎。死地と判っても見栄を貫こうとする大石の寂寞感いっぱいの様子、裏をかかれ続け憤怒の炎を燃やす色部。2人は智謀の髄が尽くすが、世事に長けた内蔵助に軍配が上がったとも、あるいは時の運を得たとも。柳沢吉保を敵手とする忠臣蔵はあったように思うが、吉良邸討入を「いくさ」(=諜報戦・経済戦を含む)と位置付けたのはやはり斬新であろう。まずまず楽しめた一品でした。

  • 【泰平の時代だから】
    時代小説もおもしろいですね!

  • 池宮さんの赤穂浪士三部作の最初のお話です。
    コンパクトな分量で、さくさく読める楽しい本でした。

    変にベトベトした人情本過ぎないのも良かった。
    内蔵助さんが女性好きってところ以外は、あまりこの本では赤穂浪士さんたちのキャラクターが突出していません。
    そのあたりは、三部作の他の本をセットで読むと面白いよ!

  • いわゆる忠臣蔵です。
    なぜ忠臣蔵にこの人の作品を選んでみたかというと、京極夏彦の「どすこい」からです(笑)

    忠臣蔵のお話は誰もが知るところかと思いますが、
    この作品ではドラマや小説と事実の食い違いを多々挙げています。
    例えば
    刃傷が起こった場所は松の廊下→×
    吉良が浅野に意地悪をしていた→×
    有名な辞世の句「風さそふ~」→×   などなど。
    えええ~?と思いながら読んでましたけど実際脚色された部分も多々あるんでしょうねえ。

    大石内蔵助は知恵と好色を駆使した策略で討ち入りを果たしましたが、
    他の赤穂浪士もキャラが立ってて読んでて面白かったです。(不破数右衛門とか)

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