最後の忠臣蔵 (角川文庫)

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  • 角川書店 (2004年10月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784043687107

作品紹介・あらすじ

血戦の吉良屋敷から高輪泉岳寺に引き揚げる途次、足軽・寺坂吉右衛門は内蔵助に重大な役目を与えられる。生き延びて戦の生き証人となれ。死出の旅に向かう四十六人を後に、一人きりの逃避行が始まった。

みんなの感想まとめ

忠義と使命感が交錯するドラマが描かれており、特に寺坂吉右衛門の役割が際立っています。彼は四十七士の中で唯一生き残り、内蔵助から与えられた重要な任務を果たすことで、赤穂浪士の物語に新たな視点をもたらしま...

感想・レビュー・書評

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  • 最後の可女の嫁入りの行列のシーン
    暗い闇夜から星が、一つ一つでてきて暗い夜空に天の川が出現する映像がでてきました。
    また、一筋の涙が…
    二人の足軽が貫く忠義。
    一人の足軽が大事を終えて、主人のもとへと旅立つ。
    武士の一分。重い。

  •  連作小説集『四十七人目の浪士』(新潮社)の角川文庫版版改題。「仕舞始」「飛蛾の火」「命なりけり」「最後の忠臣蔵」の4編からなる。
     「島津!奔る」でへぇと感心し、「遁げろ家康」で池宮彰一郎の虜となってしまい、次に読むべきは何かと探していたら、
    <blockquote>道に迷った。
    江戸の直(す)ぐな道はない、という。
    </blockquote> 
    という出だしに引き込まれてしまった。
     吉良家討ち入りみごと成就後、大石内蔵助が討ち入りメンバーである寺坂吉右衛門に密命を下した。
     お前は我らから離れ、この一大事が誤って世間に喧伝されぬよう、また残された赤穂の武士たちが路頭に迷わぬよう面倒を見よと。
     自らの命を惜しむより、足軽とは言え武士である寺坂吉右衛門。武士本来の面目である切腹の列から切り離された心象はいかがばかりであったか。切腹を恐れて「逃げた」という世間の耳目は、侍の矜恃を持つ者にとって死ぬより辛いものであった。
     その汚名を引っ被りながら元国家老の大石内蔵助の命令を忠実に果たそうとする寺坂吉右衛門を軸に話は展開する。そして、最後まで読み進んでいけば、大石内蔵助とはいかに偉大な人物であったのかが彷彿される仕掛けになっている。
     ラストの、大石内蔵助の想い者であった可留の生んだ娘、可音の嫁入りシーンは圧巻である。そしてその可音を慈しみ育てた孫左衛門の最後に、危うく涙を落としそうになった。
     文体流麗、博覧強記。
     「文章を読むのがすき」なら、池宮彰一郎は絶対外せない作家の一人であろう。

  • 男の悲哀、女の切なさ。こんなのが好きなのは私、嗚呼日本人だ。

  • 2004.11.4 ~ 8 読了

  • 映画は観てないけど小説をと思い。
    よくある忠臣蔵とはまた違う良さだったし、たぶん映画より小説の方がいいのでは?と思う内容。
    ちゃんと描ききれたのかしら…?って。思う。
    討入りに参加したけど参加してない人
    もしくは途中で逃げた人、お家大事でじっと堪えた人
    愛する人を待っていた人などなど
    色んな人が出てくるけどそんな寺坂吉右衛門。
    最初も途中も最後も泣けるやん…
    まぁマニアな人が横から、いや史実云々言うかもしれんが
    そんなのは百も承知。うるせぇよ!!と。
    討入りした志士ももちろん壮絶だけど
    残された家族や、参加していない300人の藩士達のこととかも含め
    今後の活計まですべてお見通しな大石内蔵助。
    とにかく物語の見せ場が上手いというか、ジーーーーンときた。

  • 佐藤浩市と役所広司の映画は見たことある。今度(16年4月)から04年に作られた上川隆也と香川照之のドラマがBSプレミアムで再放送されると云うので原作も読んでみた。なるほどなあ・・・ 寺坂吉右衛門、「ちかえもん」でもやたら名前が出てましたなあ~

  • 予定のない寂しいクリスマスイブに一気読みしました。良かったです。最後の見せ場がうまい。

  • 四十七士一党の中で、ただ一人生き残った話だから、どれもやるせない。
    大石内蔵助の命で「義のために立っている」と言っても、分かち合う者が
    いないのは辛い。
    討ち入り後は自分の意思で戦っているわけじゃないのが、また切ない。
    輿入れに旧藩士が集うシーンは、涙なしには読めなかった。
    それぞれに忠の尽くし方があるけど、孫左衛門はあまりに悲しいし、
    いつも残される吉右衛門は可哀想。

  • 吉良家討ち入り四十七士のうちの1人で足軽身分だった寺坂吉右衛門さんが、大石内蔵助さんの指示で捨てたはずの命を死ぬより過酷な生き証人として生きていくお話。

    みんなから誤解されて、本当につらかったと思う。
    同じように討ち入り前に内蔵助さんの指示で「抜けた」形になっているおじさんのお話も良かったよ。

    らじが好きな浅田次郎さんと同じで、本当に悪い人はいないってスタンスのお話が良かったです。
    現実には本当に悪い屑みたいな人間もいるからさ。
    せめて物語のなかでは、環境とかタイミングが悪かっただけで、本当の悪人がいない世界を楽しみたいじゃない?
    良いお話でした♪

  • 吉良邸討ち入りの後、一人生き延びて後世に真実を伝えるよう命じられた、寺坂吉右衛門を主人公とした連作。「命なりけり」では、吉右衛門を幕府に自首させた上、綱吉にうまく働きかけて、浪士遺児の赦免を勝ち取った進藤長保の手際は見事。
    全編を通じて、失業した赤穂浅野家の全家臣やその家族の活計が立つようさまざまな手を打った大石内蔵助の深謀遠慮が光る。

  • 舞台は元禄15年12月14日、大石内蔵助率いる47人の赤穂浪士が元藩主浅野内匠頭の仇を討たんと吉良上野介の屋敷へ討ち入りした後の話である。

    主人公である足軽、寺坂吉右衛門に大石内蔵助から極秘の命令が下る。それは討ち入りに入ったものの親族にその顛末を伝える生き証人となる事、そして生活を苦にしている者がいれば助ける事。「侍の本文は美しく生き美しく死ぬ事」と言っていた内蔵助からの生きろという命令だった。

    まだ赤穂浪士に幕府の目が光っていた当時である。吉右衛門は決して恥じて隠れるような事はしなかったが訪れた屋敷では全てがあたたかい対応をしてくれたところだけではなかった。

    それでもその役目を果たした時吉右衛門は落ち着く場所を見つけていた。とある女性のところである。しかしそれも無いものになってしまった。侍の本文を貫いたゆえの事ではあったがどうしてこうも報われないのか。やるせなくなる。

    吉右衛門は討ち入り直後に浪士と離れたが討ち入り直前に脱盟した男がいる。吉右衛門と同じく足軽であった瀬尾孫左衛門という男である。吉右衛門は討ち入りの六年後京都で偶然孫左衛門と再開するのだが、孫左衛門には密かに内蔵助から託された使命があった。

    これから先はネタバレになるので言えないがここから最後までのクライマックスが感動する。目が潤んでしまった。

    作者についてはよく知らないがあとがきを読むとシナリオライターとして活躍していた方のようで情景を伝えるのがたくみだった。映像が目に浮かぶような細かい描写を無駄の無い文章で書かれていたという印象を受けた。

    こちらの勉強不足でまことに恥ずかしいのだが、作者の学が深すぎるせいか読めない漢字、意味の分からない故事が多かった。

    それと時代小説はそういうものなのかもしれないが、前準備として出来事のあらすじと登場人物を知っていないとしっかり楽しめないような気がした。他の忠臣蔵関連の話と比較するくらいになればまた楽しみ方も変わるだろう。

    この作品は『四十七人目の浪士』が映画、ドラマになった際に改題されたものである。

  • 寺坂吉右衛門と瀬尾孫左衛門2人の足軽が、大石内蔵助から大事な密命をうけ、生きながらえてその命令をなしとげようとする姿に感動した。
    史実はどうであれ、かれら2人はもちろんのこと旧赤穂藩士全員がりっぱな志士であったとおもいたくなった。

  • ある人が大好きだった忠臣蔵の話。どこまでが史実か分からないけれど、歴史小説が得意じゃない人でも引き込まれる作品だと思う

  • 2年くらい前に金曜時代劇でやっていたので、 ストーリーは知っていたが、これはやはり傑作だ。 とにかく物語の見せ場の作り方が抜群に巧い。 四十七士の赦免だとか大石の娘の嫁入り行列だとか、 はっきり言って出来過ぎである。 しかもこれが史実でなく作者の独創なのだから恐れ入る。

  • 面白かった。映画をみてから読んだから、場面も思い浮かぶし、一気に読んでしまった。
    やはり最後の、お嫁入りのくだりは映像も良かったが、読んでいても涙がにじんだ。
    事実とは異なる部分があろうと思うが、違う面からの忠臣蔵を見ることができて良かったと思う。

  • 討ち入り後の行く末を考えて行動を起こしていたのはお見事。
    そして使命を全うするその武士の心意気は見習いたい。

  • 映画は観てないが、俳優を思い浮かべながら一気に読めました。
    展開が面白くて、著者独自の忠臣蔵ワールドが拡がって行きます。

  • 死ぬよりも辛い、生きることを選ばざるをえなかった二人の赤穂浪士の人生。
    侍らしく、討ち入り後潔く死を選ぶ姿、盟約を果たすため赤穂浪士の生活を助ける姿、内蔵助の忘れ形見を懸命に育てる姿、どれも素晴らしかった。
    侍としての最後も心打たれた。

  • よかった!

    事実にかなり脚色されたところはあるとは思うけど、これぞ、武士!!JAPANESE!! って熱くなる!!

    今の時代が忘れてたものを思い出させてくれる。

  • 赤穂浪士最後の生き残り、寺坂吉右衛門
    死ぬことより生きることがつらいことも多い。
    大石内蔵助の遺子を助けるために公儀に自首する潔さ。
    人生、生きること、死ぬことについて深く考えさせられる一冊。

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