離愁 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043690039

感想・レビュー・書評

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  • 静かな語り口。丁寧につづられていくエピソード。ゆっくりと流れていく時間。多島氏の作品を読むといつも同じ感覚を味わう。
    共産主義運動やゾルゲ事件など、そのあたりの歴史的な背景には全く疎い私だったが、それをモチーフに紡ぎだされた本作は、派手さはないが、読み終えてじわじわと何かが胸に広がる、余韻に思い切り浸れる秀作だった。

  • 後からじわじわ考えさせられる本。

  • すべてが済んでしまった後に過去を紐解いていく…、という設定に、蓮見圭一氏の「水曜の朝、午前三時」を思い出した。

    カヴァーに書いてあった“渾身の純愛小説”というキャッチを見た時は少し気持ちが萎えて読むのをやめようかとも一瞬思ったが、そこは多島斗志之氏のこと、上手くミステリー風の味付けを採り入れて飽きさせない作りになっている。
    文章も無駄なくきれいなので読みやすい。

  • 淡々と、嘘っぽいオーバーな感情表現がないのがよかったです。

著者プロフィール

1948年大阪生まれ。広告代理店に勤務。1982年、小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。主な作品に、『海賊モア船長の遍歴』『クリスマス黙示録』『仏蘭西シネマ』『不思議島』『症例A』などがある。

「2021年 『多島斗志之裏ベスト1  クリスマス黙示録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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