- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043693023
感想・レビュー・書評
-
何だったのか、何者なのか、何一つ明確な答えは出ない。
白黒つけず、グレーにもならないおぼろげなモノを許せる人向け。
ぼんやりとそんなものなんだと思える世界が面白い。
転がり落ちた山の上の世界が妙にリアルで惹かれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホラーは苦手。
でも北野さんは好きなので読んでみた。
読んでみたら想像していた「ホラー」とは違ってた。
強いていえば物凄く広い括りの「スプラッタ」?
でもスプラッタかと問われると頷けない様な、そんな本だった。
ホラーが苦手な人でも平気。
きっちりした答えを求めたい数学寄りの人にはお薦め出来ない。
多少の疑問は解決しなくても流せる人ならいける。
はず。 -
意味が分からなかったけれど、意味が分からないなりに切なくなった
-
不思議な世界。ねじ式のような人面町。でも主人公ののほほんとした空気がよい。(読了'07/09)
-
個人的には北野氏の小説はとても好きなのだけれど、人を選ぶ感じがしてなかなか薦められません。どちらかというと感覚的な話が多くてもにょもにょする感じを楽しむ小説だと思うんですが、理屈で読む人は「で、結局アレは何なの?」「オチは?」というところが気になってしまってあまり楽しめないんじゃないかなと思います。
-
大災害後、遺体安置所で知り合った女性に連れられ、やってきた人面町。
彼女を妻とし、暮らし始めた作家“わたし”の奇妙な日常生活。
ホラー文庫の連作短編集で、それぞれに「鱗を剥ぐ」だの
「耳を買う」といった、いかにもな副題がついてるけどホラーの味わいはそんなに強くはない。
そこはかとない恐怖はちりばめられてるものの可笑しみのある文章と
昭和の匂いがするどこか懐かしい人面町のイメージが穏やかな読後感を残す。
人面町はどこかズレた不思議な町で毎度“わたし”は
怪しげな人物、奇妙な生き物、怪現象に遭遇するのだが
とまどいながらも妻に丸め込まれたりしながら日常として受け入れてゆく。
SFのティストが強い作品なんだけど不思議なものを不思議なままで
放り出した感覚はなんとも新鮮だった。
とりわけ“わたし”が喫茶店で原稿を書いていると
巨大な鶏が闖入してくるくだりはあまりのシュールさに大爆笑。
どの話もはっきりした落ちがなく全編読み通しても
人面町はぼわーんとした印象のままで心に引っ掛かる。
日常生活が不思議に満ちたこんな町で
気さくな奥さんと暮らすのはきっと楽しいだろうなあ。
-
夏の角川ホラー祭。「怖くない」「面白くない」「文章がひどい」という3つの恐ろしさを持つ角川ホラー文庫。
人面町という街に婿に来て、小説やアルバイトをしながら暮らす主人公。妻の実家はもともと「人面工場」だが、そもそも「人面」とは何なのか?また、すり鉢状の道を下っていくと、頂上へ「下る」。巨大なモグラに家を壊されたり、人面工場では謎のサメ人間に追いかけられることになる…。
なんというか、筒井康隆が好きなんだろうなあという部分と、ネット上の「怖い話」などを集めてきたんだろうなという部分の2通りが非常に多い。
改行をせず、場合によっては句読点無しでああでもないこうでもないひょっとしたら違うんじゃなかろうかそんなこともあるかもしれないがそれも違うかも、なんていう文章は筒井流だろうが、そういう文章が活かせているのかどうか、なんとも判断しづらい。それを繰り返し使っているのは、明らかに効果を殺しているとしか思えない。
また、ネットのネタをちょいちょい使うのだが、こちらも「ネットのネタだなあ」としか感じなかった。効果的な使い方もあろうに。
全体に、語彙や知識が足りていないという、角川ホラー作家にありがちな中途半端な読後感。レトロな小説のパロディーにするとか、もう少しやり方があったのではないか。 -
2007年読了。
-
題名にひかれて買った1冊の本というのはたいがい面白くもなんともない!
でも、これはよかったですよー
起承転結はあまり気にせずに、細かい事はこだわらずに、想像力だけが一人歩きするような内容の奇天烈きわまりない町の事柄が書かれています。
前に紹介した「異邦人」とはまた違った奇天烈さに妄想ふくらませつつ。。。ウヒヒ
どの章から読み始めてもOKです。
見かけたら是非手にとってパラパラと見てみて下さい。 -
不条理ワールド。何が何だか意味不明だが、そこが妙にハマる。読み手を選ぶ作品だと思います。そんなにホラーだとは思わなかったな。
-
そいつの頭には頭蓋骨がなく、握るとぐにゃりと潰れてしまった。泣きながら訴える妻のために、私はそいつを捕まえに出かけたのだ。それがすべての始まりとも知らずに…。人の存在の危うさを描く北野ワールド最新作