和泉式部日記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043699018

作品紹介・あらすじ

弾正宮為尊親王追慕に明け暮れる和泉式部へ、弟の帥宮敦道親王から手紙が届き、新たな恋が始まった。式部が宮邸に迎えられ、宮の正妻が宮邸を出るまでを一四〇首余りの歌とともに綴る、王朝女流日記の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 平安時代中期の歌人である和泉式部によって記された日記です。日記か日記風物語か議論があるようですが、歌人らしく和歌の贈答の場面が多いのが特徴です。古典文学ですが、現代語訳も付いているので気楽に恋愛小説を読むような感覚で読んでみても面白いと思います。

  • 実はこの本、資源ごみの日にご近所さんが捨てるところをもらってしまったもの・・・
    なんかもったいなくって。貧乏性~(一緒に土佐日記ももらった)

    和泉式部といえば恋多き女。
    なんてったって夫がありながら冷泉天皇の第3皇子である弾正宮と恋におちた人。
    それが原因で離婚し、親からも勘当される。
    なのに彼は流行り病であっさり急逝・・・

    この日記は、その後弾正宮の弟である敦道親王との次の恋を描いたものです。

    今の感覚で読むとけっこうスゴイんですよね。
    彼は、彼女を一人にしておくと他の男を受け入れちゃうからって自宅に連れてきちゃう、そのせいで正妻(?)は怒って出て行っちゃう。
    (大体兄が亡くなったからって弟とっていうのもビミョーだ)

    そんなことをしていたら4年後に敦道親王はまたしても早世しちゃうという・・・
    かなりドラマチックです。

    まあこの日記には敦道親王と一緒に住むまでしか書かれてませんが。

    和歌が多く、和歌が読めない私はかなり苦戦。
    結果として普通の人より味わうことが出来ず、文学として面白いと思えませんでした・・・
    これは源氏と違ってストーリーを面白がるモノではない気がする。
    私のせいで評価が下がるのは申し訳ないので☆は甘めです。。

  • 物語か日記か。途中からそれが気になりだした。すでにそれは研究されてきたことであることを解説で知る。巻末の参考資料の「帥宮挽歌群」からは切々と切なさが伝わってくる。奔放な恋愛遍歴を重ねた女流歌人といわれるが、いたって繊細なまじめな情感あふれる女性と感じた。和泉式部についてもっと多くを知りたいと思う。

  • レポート課題で読んだのですが、現代語訳付きで読みやすかったです*\(^o^)/*
    和泉式部の歌は欲望に忠実で好きですなぁ(^^)笑

  • 285夜

  • 私が読んだ中で、最古の恋愛小説(というか、エッセイというか…)。

    和泉式部はそこまで階級の高い家の生まれではないですが、
    歌の才能があり、美しかったことで
    親王兄弟と次々恋愛関係になります。
    (この本は孤独に過ごしている式部へ、
    弟の親王が連絡をとるところからはじまります)
    なんとなく…境遇は、源氏物語の「夕顔」のようです。

    周りから「遊び女」と揶揄され、後々、藤原道長の愛娘、中宮・彰子のサロン(と言っていいのかな?)へ赴くまでの間のお話です。
    なぜ、和泉式部が「遊び女」といわれながらも、まわりの人たちの心をとらえて離さなかったか、この本を読んでわかりました。

    この本を読んだ後、
    和泉式部の、のちの生涯もしらべてしまいました。

  • これは日記なのだろうか、物語なのだろうか。

    愛する宮の死後、「夢よりもはかなき世の中を嘆きわびつつ明かし暮らす」女のもとに、故宮の弟・帥の宮から橘の花の一枝が届けられる。
    亡き人を思い出させる花橘の香りに、女は、
    「薫る香によそふるよりはほととぎす聞かばや同じ声やしたると」
    (あなた様は昔の人の香りがするという橘の花を贈ってくださいました。私も亡き兄宮様のことが偲ばれてなりません。しかし兄宮様との昔を偲ぶのなら、私は郭公によそえて偲び、その声を聞きたい。「声だけは昔のまま」というあの古歌ではありませんが、懐かしい、昔と同じ声をしているかと)
    と詠んで贈る。
    帥の宮は、
    「同じ枝になきつつをりしほととぎす声は変はらぬものと知らずや」
    (兄宮の声が聞きたいということですが、私たちは同じ一つの枝に鳴いていた郭公のようなものです。声は兄宮と変わりないものと知らないのですか)
    と返し、頼りない糸のような二人の恋が――まだ恋とは呼べぬものだけれど――ひっそりと始まった。

    二人が交わす歌を中心に進められる物語は、地の文にも多くの歌が引かれ、歌と散文が融合したうっとりするくらい美しい文章でつづられている。

    頼るものもない女(和泉式部)は悲しみの淵で帥の宮と惹かれあうが、世間の噂のせいで帥の宮の訪れは少ない。しかし途切れがちな逢瀬を重ねるうち、宮はだんだん女を深く愛おしく思うようになり、自分の邸に迎え入れようとまで思うようになる――。

    構成は、原文、補注、現代語訳、解説、系図、略年表、参考資料として帥宮挽歌群、和歌初句索引、重要語句索引。

    月の夜や雨の音を思わせる、しっとりと物悲しい恋の物語。
    短いのでぜひ読んで欲しい秀作。

  • 定家は明月記で、1054年の超新星爆発について言及している。実を言えば、もっと大きく、もっと華麗な爆発はその少し前に起きた。和泉式部という女が生まれ、恋し、死んだ。その結果うまれた和歌と日記文学は今日でも観測できるまぶしさを放っている。平安文学に和泉式部がいなかったら、紫式部がいなかったのと同じくらい大きな穴が開いていたはずだ。

    「ものおもへば 沢の蛍のわが身より あくがれいずる 魂かとぞみる」

    こんな和歌を書いた女はそれまでいなかった。これからも、きっといない。

  • 物語でした。主人公「女」は今は亡き恋人を忍んで生きようとしているが、その恋人の弟「宮(敦道親王)」に言い寄られる。宮との10ヶ月に及ぶ歌のやり取りの結果、「宮」に迎え入れられ、女房となるが、その結果、宮の正妻北の方は怒って実家に帰ってしまうという話。    とても情緒溢れるたおやかなやり取りですが、資料用に借りたのに、調べたかったことが載ってなかった・・・・残念

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著者プロフィール

1960年、大阪府生まれ。1988年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。1988年、千葉大学専任講師。1992年、千葉大学助教授。2003年、実践女子大学文学部教授、現在に至る。博士(文学)。
単著に、『和泉式部日記 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫・2003年)、『古代後期和歌文学の研究』(風間書房・2005年、第二次第一回関根賞受賞)。
論文に、「『和泉式部日記』の「はじまり」をどう読むか」(『日記文学研究誌』14号・2013年10月)、「コーパスを使った日本文学研究―N-gram分析と「言語リソース」」(『日本語学』33巻14号・2014年11月)他。

「2015年 『王朝和歌研究の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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